2021年06月30日15:00 けものフレンズぱびりおんサービス終了。
自分史上初めて、サービスイン当日からサービス終了まで、ほとんど毎日遊んでいたソーシャルゲームだった。
確たるストーリーがあるでもなく、課金要素すらゆるゆる。あそびどうぐをテキトーに置いておくとフレンズが遊びに来てくれて、お礼に木の棒とか布の切れ端とかを置いていってくれるという、ぶっちゃけねこあつめライクなシステムだったけど、リアルタイムで考えたり操作する必要がないのが自分にはすごく合っていた。(なので、あとから追加されたアトラクションの方はあまり熱心にやらなかったけど)
けもフレ好きを抜きにしても、キャラのデフォルメやめずらしい行動のアクションが可愛らしかった。この仕草は原作(元になっている動物)のどの辺りから採ってるんだろう?と考えるのも楽しかったし、実際Webで調べて「なるほど!」と感心したりもした。いい感じのシーンに出会ったらスクリーンショットを撮りまくった。今もちょっとした暇があれば、指がスマホのぱびりおんアイコンを押してしまうぐらい。
サービス終了後はオフライン版として、図鑑とけもトークが閲覧できるだけになってしまったけど、ぱびりおんは今もどこかに存在して、自分ができなくなったジャパリまんじゅうの補充やあそびどうぐの交換は、馴染みのラッキービーストたちが肩代わりしてくれているのだと思っている。
以下、ぱびりおんでの自分のスクリーンショットをつらつらと。正直枚数が多すぎて吟味するのも難しいので、目についたのを片っ端から貼っていきます。(注意!画像たくさん&すっごい縦に長いです)
記念すべきサービスイン初日のスクリーンショット。
表示オフすら覚えていない頃。
その後はいい感じのツーショット狙いが続く。自分にとってぱびりおんとは、仲良しペアをスクリーンショットに納めるゲームだったのかもしれない。それがもうフツーに楽しく、全く飽きることはなかった。
場所的にはこうざんの喫茶店が好き。
お気に入りのあそびどうぐは雛壇。なぜなら大変カップルっぽいから。
狙っているペアがなかなか揃わないのもまた一興だった。
「アライさーん」「なのだー!」
「アライさーん」
「なのだー!」
まあ、もtろんフツーのツーショットも押さえてます。アラフェネは至高。
レアキャラや似たもの同士も来れば嬉しかった。


もちろん、わちゃわちゃ集まってるのも楽しい。
来てくれていちばん嬉しかったのは、何と言ってもオイナリサマ。
根性でSSプリンターを回して、ついにコンコンキッチンを引いた。
自分の全課金はこのために費やされたといって過言ではない。
で、いなり寿司が作れるようになったとたんガンガン来てくれるように。
霊験あらたか。
このひょいって横から顔を出すアクションが好き。
あと、スカイフィッシュちゃん。
ひとりだけ全く違うシステムで出現するので、見つけた時の嬉しさもひとしお。
あと、喋り方がかわいい。何言ってるかサッパリわからないけど。
心残りなのは、あそびどうぐ配置であんまり無茶ができなかったこと。
頑固な居酒屋店主のごとく、ついつい常連さんも一見さんも楽しめそうなものを
吟味して置いてしまう。
クリスマススペシャルとか、
謎の宇宙ジオラマとか。
他にもオールまわしぐるまとか、オールこたつとかやりたかったけど、
閉店が決まって客に逆ギレしてる店主状態なので 自粛。
そして迎えた最終日。エリアをどこにするかは迷ったけど、毎日必ずローテしてたので、
その流れのままゆきやまにした。
バリバリいなり寿司をつくるオイナリサマと、見届けに来たその眷属。そして集まってくれた白っぽいみなさん。

最後のスクリーンショット。そして……
サービス終了。
開発や運営に関わった方々、本当にありがとうございました。
けものフレンズ関連のコンテンツはこれからも続いてくのだろうけど、ぱびりおんのエッセンスは色々なところに残っていく。きっと自分でも知らないうちに、ぱびりおんとは何度も再会する。そうやって『いいもの』はずっと残っていくのだと思う。(いや、リバイバルコラボとか、むしろしれっと復活してもオッケー)
2019年の初プラネタリウム鑑賞は、ディスカバリーパーク焼津天文科学館へ。
静岡県では有数の天文施設だし、前々から行ってみたいとは思っていたけど、いろいろと敷居が高い。
まず行くまでが大変。涼元実家の清水からだと正味1時間40分。静鉄で新静岡駅、徒歩で静岡駅まで移動してJRに乗り継いで焼津駅、そこから1時間2本のバスに揺られること二十数分。
フルサイズかつ若干レトロな路線バスが不釣り合いな路地を通ったり明らかに大回りしていくのを不安に思いつつも、無事到着。
他に誰も降りない。というか、そもそも辺りに人がいない。
観光地的なものはおろか、ちょっと暇を潰すようなお店もない。(一応温水プールがあるけど、天文好きとは食い合わせが悪すぎると思う)これが敷居の高さその2。
要はハナから天文目当ての人しか寄りつけない、孤高の施設※なのである、と。
※言いすぎ。広大な駐車場があるので、ドライブがてらのコースに組み込むのが普通だと思われます。
……とか何とか言ってると、行く手にあからさまに只者ではない建物が。
芝生広場にカジュアルに立ってるパラボラアンテナも尋常ならざるオーラを漂わせている。うん、 こういうの前に野辺山で見た。
満を持して突入。受付にてプラネタリム鑑賞大人600円+展示・体験室代金300円を払う。
プラネタリウムはともかく展示が有料、しかも300円というのはなかなか強気。普通、科学館の展示と言えば動滑車定滑車とか凹面鏡凸面鏡とかお馴染みのアレだけど、こちらのはかなりガチな双六テイストチャレンジだった。ちびっこ超ハイテンション。
でも全クリには時間が足らず、投影の時間が近づいたので涙を飲んで中途退場。
かっちょいい宇宙ビークルに跨がり気さくにサムズアップをくれているマスコットのかめ子ちゃん(さそり座V861星出身)に見送られつつ、上階のプラネタリウムに急ぐ。
かっちょいい宇宙コンソールで何やら管制オペレーション中のかめ吉くんに挨拶。入場券にハサミを入れてもらい、投影室に。
傾斜型の座席の真ん中に鎮座しているのは、GEMINISTARⅢYAIZU。光学式投影機(INFINIUMγⅡ)と 全天周プロジェクターSKYMAXDSⅡ-R2のコンビネーションが最新かつ精細な星空と頭上いっぱいの迫力映像を見せてくれる。いや、やっぱりミノルタ機は(本体の)色合いがいいなあ。(惚)
鑑賞上の注意や非常口の案内などを経て、ほどなく投影開始、まずは今日の星空解説。
こちらはスカイラインが実際の施設屋上からの映像を使っていてわかりやすい。
日が沈み、一番星が見え、夜の帳が降り、今宵の星座が輝く。せっかくだから街灯かりを消しちゃいましょう、10秒間だけ目をつぶってください……鉄板かつ安心の展開の後、INFINIUMの本領発揮。機材に比べると若干木訥とした、それだけに心地のいい解説に、ともすれば瞼がくっつきそうになるのを耐えつつ(注:これ正真正銘褒め言葉なので)、星座解説終了。
続いて企画番組、『めざせアンドロメダ!宇宙探検サイコロの旅』
超高性能宇宙船でディスカバリーパーク焼津上空を出発、日本列島、地球、そして太陽系をはるかに離れる。この辺りの演出は全天周投影の面目躍如、「もし酔いそうになったらしばらく目をつぶってください」の注意喚起も伊達じゃない。
そしてメインディッシュ、様々な天体、天文現象を迫力の全周映像で目の当たりにする……って、ここまではよくあるんだけど、面白いのは『サイコロの旅』のタイトルどおり、観客がサイコロを振って、六つある行き先の二つをその場でガチで決めるという趣向。
希望者は挙手を……との呼びかけにマゴマゴしてたらサクッと他の人に。その結果、決定した演し物は……
ひとつは月の裏側。
もうひとつはTRAPPIST-1。
両方とも旬の話題だったので興味深く鑑賞。したものの、正直言って進行をもうちょっと早くすると他の四つもフツーに流せたんじゃないかなあと貧乏臭く思ったのも事実。ちなみに投影内容はスタンプラリーになっていて、三種類以上集めると記念品と交換できる(4/14までが期限)とのことなんだけど、もう一度ここまで来るのが正直かーなりキツい。さらに次回来てもサイコロ的に内容モロカブリする可能性もあるというウルトラハードモード。焼津まで足繁く通える環境で我こそは!という方は、ぜひぜひチャレンジしていただきたい。
そして宇宙船ははるかアンドロメダ星雲を訪れ、フィナーレ。密度的には満足だったものの、最後は地球に帰ってきて、焼津の夜明けで終わったらもっとよかったのになあ…… (個人の感想)
投影後には天文台の見学会に参加。
静岡で天文を囓っていれば必ずお名前は聞く、望遠鏡製作の名手法月惣次郎先生(すんません、ディスカバリーパーク焼津近くにお住まいだったのは初耳だったです)が生涯の最後に手がけた80cm反射赤道儀……と、情報だけは知っていたものの。
実物を目の当たりにすると、これが本当にスゴかった。
どこかスペースシップワンを思わせる鏡筒先端の意匠。
副鏡を切り換えることで、カセグレン、ナスミス、ニュートンの三焦点に光を導けるという凝りまくりの鏡筒。
そして主鏡カバーを開閉するためのフツーの釣りのリール。
「めっちゃ焼津っぽいですね」と言ったら、解説のおねいさんに半笑いされたり。
見学会は夕方だったものの、大型望遠鏡にとってはそんなのカンケーない。
カセグレン焦点の視野に導入された昼間のベガ、真っ白い針先のような星像を見詰める。
高校生の頃、別館天文台のドームにあった26cm反射赤道儀を操っている自分が蘇り、ちょっと感無量になったりした。
そんなこんなで大満足。
次はぜひぜひ夜の観測会に来なければ!と心に決めた。問題はその場合、完全に帰りのバスがないんだよなあ……駅まで歩いて帰ると1時間ではきかなそうだし、道中追いはぎに遭いそうだし。
最後に、ディスカバリーパーク焼津脇の浜から眺める富士山を。
本年もよろしくお願いします。
※写真てんこ盛り注意
2018年夏休み実家帰省のメインイベント、日本平動物園訪問。
昨年にも行ったけど、まさかまさか、けものフレンズコラボが実現するとは。
まあ、そうじゃなくてもまた来ただろうけどと思いつつも、東静岡駅からシャトルバスで聖地日本平へ。
フ ラ ミンゴゲートでバスを降り、去年はなかったフレンズのぼりに『ああホントにコラボしてるんだなあ』と感慨を覚える。
入場するといきなり例の車が。ほぼ説明なしでデーンと。
けもフレ知らない人的にはどう思うんだろうなどと考えつつ、とりあえず受付でスタンプラリー用紙(100円)を受け取り、どうぶつ巡りへGO!
日本平動物園と言えば、まずはレッサーパンダ。
去年はこの体たらくだったのに、今回は大変活発に動き回り、写真に撮るのさえ難しい。
挙げ句、解説中の飼育員さんの長靴をガブガブする始末。 超アグレッシブ。
そしてペンギン舎前。お約束のふるる~。
こちらも前回と打って変わってみなさん活発に泳ぎ回っていた。

フンボルトペンギン~。(しかいないけど)
前回は気づかなかった(というか、目に入ってなかったのか)個体認識看板によると、右に白緑の 翼帯なので、おそらくサツキさん。
こちらは別のペンギンさん。胸の辺りを一心に羽繕いしてると思ったら、
いきなり我に返って、
のびー。 かわいい。
今も昔も動物園ツートップ、ゾウさんとキリンさんパネルツーショット。
アジアゾウのダンボさん♀とシャンティさん♀。お達者そうでなにより。
さすがにご高齢なので、次世代の象さんに来ていただく算段も整え中だとか。
そし てサクラさん♀。
最近、相方のリオさん♂が亡くなってしまったそうで、残念なことです。
裏手の柵越しにうんと近づいてきてくれる。
日本平動物園はこういう高低差を活かした展示が多い。 その代わり上下に容赦なく歩かされるけど。
それにしても、今回は本当に動物が活発で、観ていて楽しい。
天気が怪しくて涼しいせいだろうなあとか思ってたら、いきなりの豪雨に見舞われた。
逃げ込むように猛獣館299に入り、ネコ科のみなさんにご挨拶。
いちばん高いところをウロウロしているアムールトラさん。さすがの貫禄。
この辺りから個体名わからず。というか、複数いて展示は片方というパターンだと、表示を確認しないと「トラだ!」で終わってしまう。この辺りは次回の反省点。やっぱり「(動物名)の○○さん」とわかる方が楽しいし、愛着も増すし。
ジャガーさんもほぼほぼ動き回っていて迫力満点。その代わり写真は撮りにくいですやんか。
そうかと思えば相変わらずぐてーっと寝てる方も。
クイズ:ピューマさんはどこにいるでしょう?
正解はこちら。
寝心地良さそう。
ぺたっと座ってなにか言いたげなライオン♀さん。
その横のブースには、仲睦まじそうなライオンカップルが。
群れっていろいろ大変そうだ。
そうこうしている間に晴れたのでまた外に。
大変凛々しいオオアリクイさまパネル発見。
オオアリクイは前回の威容が印象的だったので楽しみにしていたら、展示スペースがリニューアルされていてすごく観やすくてよかった。 やっぱりこの造形の意味不明っぷりはスゴい。
しかしオオアリクイさんもまたのっしのっしとアクティブに歩き回るのであった。写真が撮りにくい~。
曇天下でハッスルしていた面々とは裏腹に、あまり動いていなかったのがフライングメガドームの鳥類の皆さん。湿っていると翼が重いとか、そういうこともあるんだろうか。
中でもホオジロカンムリヅルさんはずっとうずくまっていたのだけど 、
なんと、 卵を抱いていた。
無事に孵化するといいよね、とほんわり思っていたら、
突き付けられる現実。まさかの擬卵。
フンボルトペンギンだけじゃないんだ……
ホオジロカンムリヅルさんと子だくさんなカルガモさんが仲良くパネルで並んでいるのも、なんだかこう、複雑……
ドヤ顔のショウジョウトキと、クセがすごいインカアジサシパネル(非けもフレ)のコラボ。
ここらで遅い昼食@レストハウス。
時間を外した功名で混雑というほどでもない人入り。
窓際に陣取ると、ここにもけもフレコラボの影が。フェネック~。
が、コラボメニューのフェネックカレーなど当然売り切れており、豊富なその他メニューから前回はなかった(と思う)冷や汁とんかつをチョイス。
見つけた時は「冷や汁ととんかつ!? その組み合わせはアリなんだろうか?」と思ったけれど、食べてみての感想は「うん、言わんとしているところはわかった」。たしかに夏にはアリ、ビールでもイケた。
そして、しろくまカレー。(1年ぶり2度目)
いい意味でフツーに美味しいです。かわいいし。
腹ごしらえの後、ふれあい動物園ゾーンへ。
まずは妙に印象に残る手洗い用蛇口コレクション。
……好き。(この他にもあります)
そして、前回めっちゃフレンドリーだったヤギさんに再会。
相変わらずの食いつきっぷりで大満足。
今回ヤギさん以上にグイグイ来てたガチョウ。手を出すと容赦なく噛もうとするよ。ちなみにお仲間の皆さんはキャベツ(玉ごとフィード)に夢中。
そしてやっぱっり駈け寄ってく来てくれるダチョウのクランキーさん。尊い。
ダチョウのフレンズパネルと解説パネル。1羽分しかないってことは、やっぱり独り者なんだろうか。どこかからお嫁さんを……ってそう簡単にはいかないんだろうけど。
シロサイ、サイコ♀さんとタロウ♂さん。
ほぼ装甲車級の大迫力だけど、基本おっとりして見えるところに味がある。
そしてマレーバクのフタバ♂さん。この色分けっぷり。だって、塗り絵を渡されたって普通こうは塗らないし。お釈迦様が乗った鞍の跡説にも納得してしまう。
もう寝床に戻りたそうで、こっちに近づいてきて鼻をふんふん鳴らしたりしていた。かわいい。
今回のフォトジェニック賞、ワオキツネザルさん。
前を通ったとたん、網にガシャン!飛びついてからの決めポーズ。もう絶対わかってやってるし。
もちろんクチヒロカイマンさんも相変わらずフォトジェニック。
大したカメラを使ってない&腕が悪いので、遠かったり動いたりのぺっとしてたりするとまともに写せないため、適度にでこぼこしていて動きがスローモーな爬虫類の方々には助けられます。
ワライカワセミさん。ちょうど笑ってる感じに撮れた。
ちなみに熱帯鳥類館は5分入っているだけで汗だくになります。
最後に満を持して、前回巡り忘れた夜行性動物館へ。
豪華なフレンズパネルがお出迎え。フタユビナマケモノとミユビナマケモノは日本平動物園が初お目見えの新フレンズとのこと。
そしてこちらが実物のフタユビナマケモノさん。
器用にぶら下がったまま、ぶら下げられた葉物野菜をのんびり食べていた。そりゃキミ、怠け者呼ばわりされるわな。かわいいけど。
アムールヤマネコさん。一見割とその辺にいそうなネコなんだけど、やっぱりどこか違う。
夜行性動物観は照明を落として昼夜逆転させてあるので、活発な生態が観察できる……はずなんだけど、寝てる時は寝てます。その辺は基本ネコだし。
そしてフェネック。会いたかったよ~。
このお方がまあ活発でブースじゅうを不規則に走り回っており、一眼レフのカメラガチ勢さんたちも撮影に苦労する始末。かと思ったら電池が切れたみたいにくてっと横になったところをなんとか激写。
名前はマリンさんでいいんだろうか? 顔立ちが明らかに美形。
とまあ、そんなこんなで2度目も大満足。
総評としては、コラボはいい意味できっかけに過ぎないなあと。スタンプラリーも全部集めたし、方々にパネルがあるのも楽しかったけれど、やっぱり本物の動物そのものが不思議だったりカッコよかったりスゴすぎたりして、そっちに意識を持って行かれてしまう。けもフレに携わった方々的には「してやったり」だろうから、 けもフレは抜きにしても動物園訪問は続けていきたいなあと思った。プラネタリウムもそうだけど、子供の頃に楽しいと思ったものは、大人になってもやっぱり楽しいです、はい。
最後にお気に入りの一枚を。
なんとなくニルヴァーナのジャケっぽく撮れたなあと。
ちなみに日本平動物園のけものフレンズコラボ、8/31までのはずが好評につき9/2(日)延長とのこと。コラボ目当てで行くなら今週末が最後のチャンスです。
平成最後の夏、8月吉日。
向日市天文館でのplanetarianプラネタリム投影版の鑑賞に赴いた。
神社の境内にあるということで、プラレアリウムにも認定されている施設。外観は和風建築を模していて、中の設えは古き良き科学館という印象。天体観測ドームも現役だそうで、昼間の金星観測などのイベントもあるらしい。うらやましいぞ>向日市のちびっ子。
ホールの展示物はコンパクトなれど、先代投影機の旧ミノルタ製MS-10ATが静態展示……というか、ぶっちゃけ分解されていたものの、展示形態の端々に愛着が感じられ、大変にテンションが上がる。こっちの方がある意味逆にレアだし。
『のぞいてみよう』と言われたので、そっと覗いてみたところ……
恒星電球の周りに金網が被せてある。
これをモーターで回転させて星の瞬きを再現するという機構。文献で知ってはいたけど実際の仕組みを見たのははじめて。『神の御業だろうが自然現象だろうが知恵と工夫でなんとかしたる!』という下町工場のオッサン的気概が大変頼もしくステキ。
全国3億6千万の旧ミノルタファン(盛り過ぎ)の皆様へのサービスショット、P-ROKKOR 45mm/F2.8。PはProjectorの略。無造作にくっついてたけどフツーに珍品のはず。まあ、無理矢理カメラにつけて撮影してもどうなるものでもないですが。
現役の投影機はミノルタ・メディアグローブⅢ、つまりデジタル全周投影。
燦然と輝く現コニミノロゴと、かわいい飾りが絶妙に合っている。
座席は同心円型ではなく扇形。南天下のお立ち台には事前の情報通り、スタッフさまお手製の例のアレが飾ってあってちょっぴりじーんとする。
客入りは涼元が入った回で5割弱ぐらい。思いの外女性が多い印象。京都新聞さまの記事の影響があったのか、小野Dさまのお力なのか。他の番組紹介の後、待ち時間に雨を全天投影しているのはいい感じ。 時折そこここの椅子の背もたれがキーキー鳴るのはご愛敬。(というか全席の蝶番にCRC注した方がいいっす>スタッフさま)
よくも悪くもお馴染みの感じな今夜の星空紹介の後、やや唐突に開始。
内容はロングヴァージョン+新録かつこちらが初お目見えの夏の星座解説。キネティックノベル版や映像版を観た人なら「ここが本当にプラネタリウムで見れたらなあ……」と思うところがきちんとフォローしてあり、すずきけいこさまと小野大輔さまの掛け合いが円形のドームに響き、ひたすら耳に心地いい。
これを目当てに遠路を長駆して恐らく後悔はしない……と思います、後悔したらごめんなさい。まあ、これを書いている時点であと数回しか投影ありませんが、興味が沸きましたらぜひ日程ご確認の上でお越しを。
ここからは、原作シナリオを担当した人間としての技術寄りな感想。(理屈っぽいです)
プラネタリウム版planetarianには通常版と特別版(長尺バージョン)があって内容が違い、涼元が実際に観ているのは後者2回なのだけど、とにかく思うのは、「これ、削るの絶対キツい」ということ。
ヒロインが間断なく喋る上に、BGMや必要な『間』含めて削れるマージンがほとんどないので、「ここを取っ払いたい」「ここにあれを移動したい」ということがほぼ不可能。無理矢理やるにしても、新しく画を起こせたり台詞を新録しなければならないので、事実上『今あるブロックの塊(しかもワンブロックがデカくて形が複雑)2時間分から半分以上のブロックを取っ払って元の形を保つ』という、ほぼ無理ゲーな作業を強いられている感じ。
原作キネティックノベルや映像版のファンの方がプラネタリウム版を観ると「あのシーンはないんだ」とか、「あそこがないとここがわかりにくいのでは?」ってところが少なからずあるとは思うけど、そういった感想は承知の上で「でもこれってスゴいまとめ方してるんですよ」と、ほんのっちょっぴりだけ擁護させてはもらいたいなあと。
特に各媒体のplanetarianをしゃぶり尽くした上で、ご自分で何らかの創作をされている方は、『どこを削ってあり、そこを削ったのは何故か? 削った結果残されたのはどこか?』という送り手観点からプラネタリウム版を観てみると、色々とスキルアップにつながるかもしれません。実際、『削るところがほぼないはずの原作からさらに削りまくるとどんなことが起こるか』のテストケースとしてすごく興味深いんです、プラネタリウム版planetarianは。
他にも『「萌やし泣き」が機能する前提条件の再確認』とか、『片方向になった複数の伏線が、作り手の予期していないミスリードを生む可能性』とか、作劇論的に語りたいことが色々あるんですが、このぐらいにしておきます。 実際そこにある作品そのものの価値とは関わりないことなので。
投影終了後。
夢心地のまま長い境内の参堂を抜け、物集女街道沿いをぼつぼつ通っていたら、よさげなフルーツサンドのお店やよさげな八百屋さんを見つけ、もうちょっと涼しくなったらまた改めて来ようと心に決める。神社自体の雰囲気もすごくよかったし、スターオーシャンも観たいし。