プラネタリウム版planetarian鑑賞@豊橋市視聴覚教育センター

のんほいパークを堪能した後、いよいよ念願のプラネタリウム版planetarian鑑賞へ。
二川駅の反対側に移ってしばし歩くと、てっぺんにドームが乗った建物が見えてきた。うん、あからさまにアレだ。

遠くに見えてきたプラネタリウムドーム 

が、建物は見えるものの入り口がよくわからず、屑屋よろしくそれっぽいところを無理矢理ショートカットしてどうにか敷地内に到達できた。

他の番組にしれっと混じるplanetarianのポスター@豊橋市視聴覚教育センター 

さりげなく混じっている見覚えのあるポスターを横目に、いざ豊橋市視聴覚教育センター内部へ侵入。

こちらの施設ははじめてだったけれど、設備がいちいちレトロな上に、展示内容が超いい意味で昭和でもろにツボ。

滑車・輪軸の実験ブース

科学館の超定番、動滑車定滑車とか凹面鏡と凸面鏡とか、失礼ながら他の館ではとっくに更新されているであろう出で立ちの機材が現役で、地元の少年少女たちが目を輝かせて遊んでいる。まさにかつて自分が親しんだ正しく楽しい科学館の光景。

五藤光学研究所製GM-15-AT投影機

それを奧で見守るのは、五藤光学研究所製GM-15-AT投影機。

惑星棚@五藤光学研究所製GM-15-AT投影機

時代を経たモリソン式投影機の、各所にみなぎる鉄工所感。

GOTOロゴ@五藤光学研究所製GM-15-AT投影機

いいなあ……

うっとりしてたらプラネタリウム開場時間を回っていた。痛恨のミス。

あわてて二階会場に上がる。
ほぼ満員の客入りに失礼ながらびっくりしつつドーム内に進み、どうにか席を確保する。
一息ついて、スカイラインの街並みに気づいた。
プレスタワーですよね、これ。浜松駅前の。肝心の松菱が残ってないからわかりにくいけど、
planetarian冒頭、ゆめみが道行く人々に呼び込みしていたであろう場所から眺められたはずの情景。
まさか投影前から浜松気分に浸れるとは……

ほどなく解説員さまがご登場。
この前説が濃い&長い&完全こちら向けで、お約束の諸注意(禁煙とか非常口とかのアレ)を後回しにして続く続く。多分一般のお客さんも多いけど大丈夫なの?と冷や冷やしたりもした。件のスカイラインは360度カメラで現地まで撮影しに行ったとのこと。ありがたいことです、はい。

こちらで星空を紡ぐのは、軽快な動作の五藤光学PANDORA+バーチャリウムII、通称パンドラさん(ホントに公式サイトでこう呼んではります)。この館の三代目の投影機だそう。(二代目はinfiniumβミノルタさん)

五藤光学研究所製PANDORA+バーチャリウムII@豊橋市視聴覚教育センター 

惑星投影機を自前で持っていないので、そちらは全天周プロジェクターが受け持つというハイブリッド式。水平式で全席南向きな座席配置にびっしりの観衆も相まってか、乗組員みんなを運ぶ恒星船のナビゲーションシステムみたいな、ちょっとレトロSFな雰囲気。

 

いよいよ投影開始。日が落ちて一番星が輝き、今夜の星空解説から。

冬でもまだ見えている夏の大三角、秋のアンドロメダ、そしてオリオンと牡牛、大犬、子犬……
オート番組を入れない完全な生解説は独特な味で、商業投影でも科学投影でもない、敢えて言うなら小学校の校長先生が我が町我が子を紹介しているみたいな……

星の巡りは夜半を過ぎて、南の海上低くに見えるカノープスの話、そしてちょうどこの日前後、木星と火星の接近についての解説と進み、無事に夜明けを迎えて終了。
もうかなりお腹いっぱいなのに、まだメインディッシュが残っている。

プラネタリム版planetarian。冬休み臨時投映の中の、そのまた日曜だけの38分版。
劇中のゆめみの星空解説だけが季節に合わせた新版で、それ以外は郡山市ふれあい科学館 スペースパークでの番組と同じものらしい。解説シーンを実際に投影機が受け持つハイブリッド版も捨てがたかったのだけど、日程の都合上こちらを拝見することになった。

感想は……キレイにまとめられないので、鑑賞中に頭に浮かんでいたことを例によって箇条書きで。

  • 冒頭は思ったよりカット(場面省略)が激しくない印象。これで枠に収まるの?
  • すぐに気づいた。これ、会話切るの大変だ。(他人事のように)
  • 音声がちょっとくぐもっているのが逆に臨場感があって面白い。
  • 中盤ごっそりないところはまあそうだよねと思った。
  • 新作の星座解説素晴らしい。ここマジプラネタリウム。違う季節の花菱デパートプラネタリウム館が本当にリアルで体験できる。
  • そして例のぐるぐる。必見。プラネタリウム版の価値はここと解説にあると言って過言ではない。
  • 見上げるほどのシオマネキのデカさが引き立つ。これもドーム投影ならでは。
  • あそこを切ってここは残すの!?ってところがちらほらと。むしろ原作者が伏線張りすぎ。
  • 長いとも短いとも感じることなくストーリーは佳境に、そしてラストに進む。
  • ある意味スゴいスタッフロール。
  • 総じて、厳しいところもあるけれど、エッセンスは丁寧に残してある感じ。
  • 省略分はキネティックノベル版や映像版を知っていれば充分に補完はできる。むしろ映像の『外連味』はこちらに分があるかも。
  • とはいえ予備知識&興味がない初見さんには厳しいところがありそう。
  • ちびっこの感想が聞きたい。退屈はしていなかった感じだけど。

終わった後は拍手が湧いていた。
目をつぶってそのまま眠ってしまいたかったけれど、他の方が出られない位置だったので腰を上げ、パンドラさんにご挨拶し、愛想もなく撤収。

二川駅に向かいつつ余韻に浸る。全国各地でもっと投影が増えたらいいと思うけど、やっぱり設備や席配置上、館を選びそうなのは事実。それに何より……前説でもあったけど、『プラネタリウムのアニメ番組』を求めてくるお客さんの予想や期待を裏切りそうで。こういう番組が市民権を得た時には、みんながプラネタリウムに求めるもの自体が変わっているんだろう。

ともあれ、子供たちが楽しそうなのが自分にはいちばんよかった。
プラネタリウムの星空と、目を輝かせる子供。どちらもいいものだよなあ、と。

2018年1月10日時点で既に土日2回の投影しか残っていませんが、興味がおありの方はこの機会にぜひぜひ。

 

 

ここからネタバレ&個人的視点での感想を少しだけ。
(反転しときますので、できればまずは投影をご覧になってから、空気を読まない理屈っぽい蛇足OKという方だけどうぞ)

 

 

 

ドーム内壁全体に直接映す場合と、正面横長のウインドウにテレビ画面のように映す場合があった。これが交互になることが多く、視点移動が必要になってちょっと煩わしかった。演出なのか、あるいは何らかの事情ゆえかはわからないけれど、客視点では正直あまり有用性を感じなかった。ドームにどかーんと映しちゃう方が派手だし楽しいし、何より『せっかくひろーいスクリーンが前後左右どころか上まであるのに、のぞき穴みたいにして映さなくても』と貧乏くさいことを思ってしまった。

エピソードやシーンの省略はまあしょうがないなあと。新録したり新しい画を起こしたりはできないだろうから、どこをどう選んでも不足は出ると思う。でも、自分では『ここはないと』と思っていたところが大胆になくなっていて、確かにあんまり違和感を受けないのはむしろ発見だった。

逆に、『ここを生かすなら前のあそこは入れないと』という箇所もちらほらあった。特に例のあそこ。あれだと屑屋の最後のセリフに困惑する人、屑屋の立ち位置が掴めない人が出ると思う。そして、最後の最後のワンカットについては…やりたい気持ちと意図はわかるとだけ。

星空投影シーンは本当に素晴らしかった。ここだけは普通のスクリーンには絶対に真似できない。正直、ここをもっと前面に押し出して、前後のゆめみと屑屋のやりとりはもっと端折るのかと思っていた。そして、できれば投影機に投影シーンを受け持ってほしい。ハイブリッド版も見たかったなあ……

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このブログ記事について

このページは、涼元悠一が2018年1月10日 22:41に書いたブログ記事です。

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