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校庭の桜

今年の桜はまだ心の準備ができる前に咲き始め、花見頃の週末をスルーして粘って満開になった挙げ句に、嵐で一日のうちに散るという大波乱。それでも、毎年必ずチェックしている某小学校の桜は、それは見事に咲いていました。

校庭の桜

だれもいない校庭の隅、逆上がりの補助台と桜のツーショット。
薄曇りの白い空に、枝の先から煙って溶けてしまいそう。

桜と時計

「君、今年も綺麗だけど、少しばかり早いねえ」
「ありがとうございます。でも、こればっかりは自分の思い通りになりませんし」
「ちょうど休みに重なってしまって、残念だね」
「ええ、新しい子たちにも見てもらいたいなあ…なんとかなりませんかね?」
「なんとかしてあげたいけれど、私は時を示すだけで、動かすことはできないからなあ」

薄日の桜

やがて薄日が射して、かすかに香りが立って。
そんな感じにはじまった春を、近況代わりに。

午後早く、書きものを終えて外出。
今の貸屋に引っ越してちょうど4周年になるので、ちょっとしたお祝いに酒の肴でも見繕おうと、竹見台へ向かう。
春みたいに暖かな陽気。途中通った公園では、子供も大人もダウンジャケットやコートを脱いで、フリスビーに興じたり、ジャングルジムによじ登ったりしている。
歩調を落とし、目に留まったものをぱちぱちデジカメに収めながら進む。

山茶花咲きすぎ
なにもそこまでというぐらいに咲いた山茶花や、

マンションに帰っていく猫
フツーにマンションのエントランスに入っていく猫、

いつもの肉屋さんで鶏のたたき、コンビニで缶ビールを買い、帰宅。
準備もそこそこに、早速飲み始める。

鶏のたたき、自作野菜チップス、ビール(サッポロ蔵出し生)、日本酒(喜久酔)
暖房いらずどころか、サッシを開け放したくなるような陽射し。
「こういうのも絵になるなあ」などと思いつつ、酒をビールから日本酒にスイッチ。
どういう思考の流れか、気がついたら『漫画の中の酒飲みシーン』というテーマで、書棚をひっくり返していた。

漫画も肴に
料理漫画や蘊蓄系漫画はそのまんまでつまらないので除外して、なるべくひねったところをと思えど、これがなかなか難しい。

まずは『陰陽師』岡野玲子(原作:夢枕貘)

平安時代を舞台にした全13巻の大作……だけど、最初の方はスルスル読める。漫画版は後ろに行けば行くほど厚く、難解になっていく。個人的には前半の原作に忠実な話が好き。基本的に『安倍晴明の屋敷に源博雅が訪ねてきて、まずは酒を酌み交わす』ところからはじまるので、当然酒飲みシーンが多い。さりとて相手が安倍晴明となったら、酔えるのか酔えないのか、源博雅ならずとも心許ない。楽しそうではあるけれど。

「今日は酒を飲みに来たのではないぞ」
「酒をこばみに来たわけでもあるまい」
「おぬしは口がうまいな」
「この酒はもっとうまい」

こんな洒脱な会話ができたらなあ。数ある酒盛りシーンの中でも、特に3巻『黒川主』が好き。名人鵜匠が捕った最高級天然鴨川鮎を肴に一杯ですもん。しかも1000年前の。

次に『阿房列車』一條裕子(原作:内田百閒)
最古の乗り鉄ことご存じ内田百閒の伝説的エッセイを、異才一條裕子が忠実に漫画化。百閒先生と旅の相棒ヒマラヤ山系氏の絶妙なそっくりっぷりと、基本小説のテキストのみから話を構築してあるのが特長。一條裕子先生は『わさび』連載のころから大ファンなれど、阿房列車はまさに白眉だと思う。
これもまた、基本『電車に乗って座席で持ち込みの弁当を肴に酒を飲み、行った先の旅館で酒盛りし、帰りの食堂車で駅に着くまで飲み倒す』ので、至るところ酒飲みシーンだらけ。でもそこは百閒先生、どんな珍味美酒に会っても、「美味かった」などと直球には言わないところが逆にツンデレで楽しい。
どの回のどの飲みも好きだけど、日本酒を魔法瓶で燗付けして車内に持ち込み、佃煮と握り飯で晩酌ってのはいつか自分でもやってみたいと思っている。あと、機会があれば八代には一度行ってみたい。百閒先生ご贔屓の松浜軒は、既に宿屋として営業はしていないそうだけど。

時代が昭和から明治に戻り、『坊ちゃんの時代』谷口ジロー/関川夏央
帝大講師から小説家として独り立ちせんと決意する頃の夏目漱石が主人公。緻密な考証と精密な描画に圧倒されつつも、エネルギッシュで人間味ある時代のうねり、遠ざかる『江戸』への郷愁……もちろん、あの猫も出てくるし。それはともかく、漱石先生は基本外では飲まない方が世のためだと思う。
第九章『春風一陣』内、漱石宅に彼を慕う書生たちが集い、勢い酒盛りとなる。『もしもこの場に居合わせ、べろんべろんになるまで麦酒を呷りつつ、時代の馬鹿話に興じることができたなら』そう思わずにはいられない。

…自分の嗜好もあって、どうしても昔の日本を題材にした作品に偏るなあと思い、毛色の違うのを探し当ててきた。
『リリックス』1巻 森雅之
大判フルカラー、ショートショートというか、詩画集という趣の作品集。内容はまさに『リリックの集まり』、ちょっとおセンチで、そのくせ切れ味が鋭く、読後に不思議な印象を残す。
森雅之先生は洋酒がお好きと見えて、この作品集以外でもちらほらと出てくる。
酒にまつわるのは第3話『エスキモーズ・キッス』
「冷たいマティニ(マティーニ)にクラリと酔って、でっちあげた話」そんな前置きから始まる。北極の海、水面を通して映える月。焦がれて見ている、水底の人魚……他愛のない、短い話。ちょっと不思議で、でもたしかに、マティーニみたいに洒落た物語。


興が乗ると、酒盛りや飲酒がワンシーンとして出てくる漫画なら、自分の棚だけでもそれなりにあると気づいてきた。

『あどりぶシネ倶楽部』細野不二彦 今ではほぼ絶滅している自主制作8ミリ映画大学サークルの話。クランクアップ後の居酒屋打ち上げ、アパートの自室、仲間でありライバルでもある奴と飲む安酒。若い頃に読んで、憧れたものだった。

『冒険エレキテ島』鶴田謙二 こちらも居酒屋での飲み、ひさしぶりに会った同級生たちと。地に根を張っているかつての友人たち、浮き草のまま夢を追う自分の対比に酒が染みる。

冒険ものでも上記とは随分カラーが違う『BLACK LAGOON』広江礼威 根っからの社畜ジャパニーズビジネスマン岡島緑郎VS海賊稼業の女ガンマン『トゥーハンド』ことレヴィ、雌雄をかけた無制限ラム一気飲み合戦@極悪酒場イエローフラッグ。

もうひとつ、新しめなところから飲み合戦、『靴ずれ戦線 魔女ワーシェンカの戦争』速水螺旋人 ロシアの見習い魔女ワーシェンカ(劇中ではなざか関西弁)VS鯨飲鯨食妖精ドモヴォーイ(の特別大きい奴)。

他にも『エマ』森薫もパーティーシーンが多いよなとか、『アップルシード』士郎正宗にもデュナンとブリアレオスが高級ワインを飲んでるところがあったっけとか、印象的な『飲み』はまだまだあるけど、切りがないのでこんなところ。

最後に個人的真打ちを。
『子午線を歩く人』須藤真澄 より『今宵楽しや』
須藤真澄先生は相当な酒飲み、それも日本酒&アテの渋い飲み方もお出来になると見えて、エッセイ漫画でもちょくちょく酒や飲みの話が出てくるんだけど、この『今宵楽しや』はそのものズバリ!角打ちを主題にしているシブさ炸裂の話。グルメ漫画ですら珍しいのに、ガチファンタジー作品でのこの暴挙…じゃなくて快挙。ちなみに、出てくる女の子の名前が『真澄』なのは、作者にカブっている以上の深い理由があったり……って、これだけでピンと来たらあなたもかなりの日本酒飲み。

酒と一緒にお気に入りの漫画類を大量摂取できて大満足。
これを燃やして明日も頑張ろう。アルコールと違って、完全なるエンプティーカロリーだし。
アルコールと違った意味で、一生心に残ることもあるけど。

2013年 明けましておめでとうございます

DSCN0770_01

取り急ぎ、デジカメで初撮りした星空画像を。(クリックで拡大します)
本年もよろしくお願い申し上げます。

或る酒飲み的西中島バルの夕べ

10/08(土)、10/09(日)の2日に渡って開催された第1回西中島バル
前売り3000円で700円×5枚のチケットを購入すれば、チケット1枚で参加飲食店自慢のフード+ワンドリンク(じゃないところもあるけど)をふるまってもらえるという太っ腹企画。さらにチケットが残っちゃっても10月末までは金券として使える(一部の店除く)という安心仕様。
これは会社近くで使える店を一気に増やすチャンス! かなり前からそわそわウズウズしていた。

初日8日は私用で行けず、明けて9日。
休日仕事を早めに切り上げての午後3時過ぎ、いそいそと出陣。持ち弾は5発、というか5枚。原則としてBARと名がついた店を巡ることに。

●1軒目 Dinning&Bar BRARIN

路地裏の2階にあるダイニングバー。看板を路面に出してなかったら素通りしていた。そもそもこの催しがなかったら知ることさえなかっただろうお店。
テーブル席も多い広目の店内、やや暗めの照明でテレビあり。ちょっと装飾に統一感がないけど、もしかしたら居抜きかなあというのが第一印象。客の姿はなし。
忙しそうに下準備しているマスター(とおぼしき方)に「西中島バルのチケットはイケますか?」と言ったところ「当日券ですか?」と返される。いやいやそうじゃなく…と説明してからカウンター席へ。この辺りこっちが慣れてなさすぎ。
フードは10品程度から3品を選べる太っ腹仕様。海老とアボカドのコブサラダ、煮込みハンバーグ、自家製がんもどきをチョイス。ビールは一軒目なのでとりあえず生ビール……を選んだものの、すぐに失敗に気づく。ビールでは料理が出るまで間が保たない。さりとて追加オーダーしちゃったら俺の西中島バルはここで終わると思い、心を鬼にして粘る。
料理は3種味見モードで少しずつなれど、ワンプレートとして充分なボリューム。自家製がんもどきが特に美味しかった。
帰り際に、普段は若い人が多そうですねと聞いたところ、意外にそうでもなくて一人で食事するサラリーマンも多いとのこと。たしかに居酒屋使い、食事使いともにできそう。お店自体は開店1年ほどで、やっぱり前の店をそのまま居抜きしたとのことで納得。お忙しそうな雰囲気であまり話せなかったのが心残り。

■スコッチ好きから見たバックバーメモ
8~10種類程度。有名どころ+島物がちらほら。とりたてて「おっ」と思うものはないものの、ダイニングバーとしてはモルトもちゃんと飲めていいよね、という感じ。


●2軒目 Asian Dinning Salon Ritz Bar

阪急南方駅近く、SEGAのゲーセンが入ったビルの5F。ここも存在さえ知らなかった。
ちょっとアジアンテイストが入った小綺麗な内装、カウンター脇のエスプレッソマシン。カフェバー的な感じ……だけれども、大スクリーンで阪神戦を流しているのは大阪的お約束。
バルメニューは三種盛りで生春巻きベトナム風、鶏唐揚げ、明太子とブロッコリーのピザの三種をチョイス、飲み物は前回反省を踏まえ白ワインをチョイス。
カウンターに客が一人だけだったのもあって、お姉さんがよく話し相手をしてくれた。やっぱり西中島バルは好感触とのこと。他のお店の話もいろいろ仕入れることができた。あと、「Ritzでアジア風なんですね」と素朴な疑問を言ったら、笑ってはぐらかされてしまった。すみません。
料理はちゃんとしたレストランメニューという感じ。特にピザが美味しかった。ワインがもうちょっといいやつだとさらに合うかなーと思ったけれど、フード込み700円なら高望みというもの。普段のグラスワインは同じなんだろうか? 店員さん曰く「生のお魚もおいしいですよ~」、でも日本酒は『ある時はある』という感じらしいから、やっぱり白ワイン頼みになりそう。
思わず会計をしそうになりつつ、照れ挨拶して店を辞す。エレベーターまできっちり見送ってもらったのも流石。酒メインより食事+お酒という使い方をしたいお店。女の子連れなら尚可。もしくはちょっと酒飲みモードから離れてのんびりしたい時に使えそう。

■スコッチ好きから見たバックバーメモ
鉄板銘柄が6種類程度。恐らくあまり頼む人はいなさそうな雰囲気。すみっこにスプリングバンクの旧壜があったけど、あれはオールドボトルじゃなくて、置いといたら古くなっちゃったのかなーと思った。

後日再訪したところ、バックバーのボトル配置が替わっていてモルトは鉄板8種類程度、アードベッグもフツーにあった。また、スタンドエビスと掛け持ち?(非常駐?)のお兄さんがバランタインFのハイボールをいい感じに作ってくれて、これならバー使いには全然問題なしと印象を新たにした。店員さんのホスピタリティーも変わらず良し。夜の部のまったりカウンター常連さん(焼酎で肴をつついているような)の雰囲気に合えばまさにいい隠れ家になりそう。お薦め。 


●3軒目 Bar GARUDA

グルメシティ南方店の地下、食堂街にあるダーツバー。
前から気になってはいたものの、ダーツをやらない身としては敷居が高く、今回初来店。
カウンターに陣取ると、酒を何にするかと訊かれたので逆にアテを聞く。バケットに玉子とブルーチーズのハチミツ和え。いい感じなれどスコッチ系は角縛りとのこと。結局白ワインに。
こちらも店内は外から想像するより広い。前出Ritz Barの店員さん情報によれば、2軒あった店をブチ抜いたとのことで、なるほどと思う。ただし店の半分はダーツスペース。マシンは2台。盾やトロフィーがそこら中にあって、本格的に競技志向な感じ。
ワインはチリ産で、フルーティーでなかなか美味しい。どこか他でも見たラベルだけど失念。もちろんアテにもバッチリ合う。量は少ないけれど、1、2軒目ががっつりおかずだったのでちょうどいい。お店は基本年中無休(ダーツの競技会時除く)で、午後6時から午前5時までやっているそうで、場所柄も込みで使い勝手はよさそう。
店を辞してちょうど午後5時。4軒目に行くはずの店が午後6時からなので、ちょっと反則技を使うことに決定。

■スコッチ好きから見たバックバーメモ
6~8種類程度。置いてあるものはほぼ鉄板なれど、アードベッグがあったし、モルト好きの常連さんに注文されている雰囲気はある。ダーツの賞金とおぼしきのし袋が飾ってあって、隅のボトルが見えない。バランタイン12年?


●4軒目 BAR PLUS

地下鉄御堂筋線新大阪駅の南口から少し歩いたところにある小さなバー。そもそもは喫茶店だったのを、1年ほど前から別スタッフで夜のバータイムを始めた。西中島バルの極北ナンバー2。

客のないこぢんまりしたカウンター、いつもと変わらぬマスターにいつもと変わらず迎えられる。失礼ながら6時までのツナギなのでチケットを使うかどうか迷ったものの、やっぱり使うことに。プロセスチーズと鴨の自家製スモーク+ギネス。不味いはずはないっていうか、何度食べてるかわからない。いつもならギネスをチェイサーにモルトを頼むところなれど自制、超頑張って自制。
昨日(土曜日)の様子を聞くと、バルのお客さんはもちろん、大人数のお客さんまで来ててんやわんやだったとのこと。善き哉。こちらも3軒目までをスパイよろしく暫定報告。西中島バル、お店にも客にもなかなかいい感じ。
だらだらしていたらカウンターも込み始め、気がつけば午後6時1分前。マスターに「お勤めにいってまいります」と言い残し店を出る。返った言葉は当然、「行ってらっしゃいませ」。

■スコッチ好きから見たバックバーメモ
変態的。そもそもバックバーじゃなくてフロントバー(カウンターの上にボトルが並んでいる)。キルホーマンとかイチローズモルトMWRとかボトラーズのボウモア樽違いとかの中に、ロイヤルハウスホールドとかバランタイン30年とかがしれっと混ざっている。何の罠だ。ジャパニーズを含めて全部で30本程度常備してるっぽいけど、鉄板から飛道具まで陣容がバラバラで飽きない。


●5軒目 イタリアン居酒屋 FREELY

実は今回いちばん行きたかった店。場所はBAR PLUSのさらに裏。知ってはいてもなかなか行けない店。そこらじゅうに置いてある(そしてよく風に飛ばされている)看板だけは見たことあるけど……という人多数(涼元調べ)。ある意味西中島ナンバー1の秘境店。
1番乗りで入店(PLUSから歩いて30秒なので当たり前)。シェフのイケメンお兄さんとハキハキした女性の二人体制。カウンターの奥目に案内される。
アテは3種のブルスケッタ。バケットにガーリックの利いたクリームチーズ、マッシュポテト、ラタトゥイユ(野菜煮込み)を乗せたもの。飲み物は白ワイン……と頼んでおいて、フェイントで赤に変更。さすがに飽きてきたので。ざっと見渡すと、カウンター上にマーカーで直接値が書いた(バールのお約束作法)ビール壜がずらり。これは楽しめそう。
お姐さんがいい感じに相手をしてくれる。PLUSから来た旨を話し、ひとしきり盛り上がる。料理は飾らないイタリア風で、まずかろうはずもない。ワインがワイングラスでなくDURALEXっぽいフツーのコップに入ってきたのも、雰囲気と取ればまあアリか
そろそろ酒も食べ物も尽きるという時、絶妙なタイミングで「なにかお飲み物は?」と聞いてもらえた。待ってましたとばかりにビール軍団の中からクロンバッハを召還、さらにヒスイナスのレモン風味を追加。これが洋梨のコンポートを食べているようで大変に美味だった。
…結局1時間ほど居着いてしまった。次はぜひ本式に居酒屋使いをしてみたい。

■スコッチ好きから見たバックバーメモ
スコッチとおぼしきもので視認できたのはジョニ黒のみ。(泣)
まあ、ここではビールかワインを飲めってこと。

後日再訪。グラスに関してはバルの時が特別だったようで、フツーにワイングラスで供され一安心。イケメンお兄さんがかなり饒舌で楽しかった。アボカドのホットサンドを頼んだところ、「今日のアボカドは今ひとつなのでお出しできない」と断られた。あからさまにダメダメなアボカドを平気で出してくるところもあるのに、その意気や大変良し。場所柄キツいお店なれど、微力ながら応援したいと思う。


●6軒目 BAR PLUS 
※註:ここからは通常飲み

マスターに「ただ今帰りました」と挨拶し、何事もなかったかのようにカウンターに収まる。仕上げにサッパリしたものが飲みたいので、「フレッシュライムにミスティアとトニックウォーター使ってさっぱりめのやつ」とオーダー。これだけ縛ったところにブルーキュラソーを加え、キレイに出してくるのが流石。アテにはいつものカシューナッツのスモーク(美味)。そして反省会モードに。
西中島バル自体はとてもいい感じだったし、お店も個性があってよかった。気にはなっているけどなかなか行けないお店に行くことができたし、何よりバルのこと自体を話題に、一見客でも店員さんと気軽に会話できるのが素晴らしいと思った。600円ポッキリで店の雰囲気や料理の方向性を気軽に探れる、これは本当にありがたい。
その反面、こんな短時間の滞在でさえ、自覚なく常連風を吹かせまくっている、気の利かない常連さんと同席しちゃうと、それだけで店の印象が悪くなっちゃうんだなあと思った。自分はそんな常連と見られてないだろうかと自省しつつ仕上げの2杯目、イチローズモルトMWRをロックで。モルトはストレート派なれど、この酒は氷と馴染ませる方が美味いと思うし、PLUSはそもそも氷自体が美味い。さらに洋梨に蔵王クリームチーズを乗せたものをいただく。
バルのお客さんと常連さんが入り乱れて、お店がいい感じに回り始めた。これから出かけるという常連さんたちの楽しそうな相談を傍で聞いたり、はじめてこの店に来た酒飲みさんと一時の四方山話を楽しみながら、ちょっと物足りないというところで上がり。
そのまま電車に乗るのがもったいなくて、酔い覚ましに江坂まで小一時間歩いた。
東三国で別の某BARに引き寄せられたものの、誘惑を振り切れたのはオトナの証拠。

……そんなこんなで西中島バル、大変楽しい催しだった。
そりゃもうぜひとも2回目希望。次は6丁目7丁目界隈のお店が増えたらいいなあ…



ひとつだけ蛇足気味苦言:公式サイトがいただけないと思った。どこに何が書いてあるかがわかりにくい、お店の一覧性が低い、メニューページ からは店名のコピペができない、MAPのページで地図が閲覧できないなど、???な仕様が。古い携帯電話のWebブラウザだと表示さえできなかったりするし、facebookよりフツーにサイトを組んだ方がよかったのでは?

青木繁展と先斗町アトランティス

7月2日。
午後から阪急で京都へ。
河原町駅から地上に出たとたん、むっと重く湿った風に包まれた。
京都特有の空気と相まって、梅雨の谷底を泳いでいるよう。
鴨川沿いから祇園を抜けて、京都国立近代美術館まで歩いた。今年二度目の訪問。前回のパウル・クレー展の展示形態が性に合わなかったので、そのリベンジも兼ねて。
今回の目当ては青木繁展
二〇世紀初頭の日本画壇に颯爽と現れ、野心家の天才と呼ばれ、若くして夭逝した画家。
多くはない作品の中、見てみたかったのはふたつ。

まずは『わだつみのいろこの宮』。
入場した正面に誇らしげに飾ってあった。
第一印象、思っていたより大きい。
『整った絵』だと思った。
構図といい、色合いといい、人物といい、ディティールといい、雰囲気といい、抜群の完成度、素晴らしい出来であることは一目でわかる。
ただ…
綺麗なモデルさんに神話のワンシーンを演じてもらい、それを完璧に絵に落とし込んだ、という感じで、どこか印象が上滑りしていく。それでも惹きつけられるものはあるけれど、それはたぶん画家の技量や矜持や理想にであって……少なくとも、この絵そのものの『物語』や『世界』に魅力を感じているわけじゃないんだなあなどと思ってしまう。それでも30分ぐらいは見惚れてしまったのは事実。

そしてもうひとつの目当て、『海の幸』。
入ってすぐの展示室に、こちらも何の衒いもなく展示されていた。
最初の印象は、『わだつみのいろこの宮』と真逆。 つまり、「これ、こんなに小さかったのか……」
大きさは知っていたはずなのに、壁画のように大きな絵だと勝手に思っていた。
でも、描かれた主題は『大きな絵』と呼ぶにふさわしい。

巨大な鮫を肩に担いで、浜辺を誇らしげに行進していく、赤銅色に焼けた裸の漁師たち。 痩せた狼のような肉体、画面を斜めに分断する銛の穂先。
とにかく鮮烈。一度見たら二度と忘れないインパクト。
存分に見惚れまくってから、仔細を眺めだすと、おやっと思う。
どう見ても未完成。
絵の左半分と右半分でタッチが違う。漁師たちの顔も、きちんと描き込まれている者と、適当にぼやかしてある者のギャップが激しい。オマケに志村けんのバカ殿様みたいな、不自然に白くてひょっとこ顔の、あからさまに漁師じゃないのがいちばん目立つところに混じっていたりする。鮫も生物学的になんかヘンな気がする。
要はツッコミどころ満載。でも、この絵がちゃんと『完成』していたら、見る者にこれほどのインパクトをもたらしただろうか。
粗雑や遊びさえもがインパクトに、そして武器になっている。むう……

『わだつみのいろこの宮』と『海の幸』、どちらが『神話的』か? そう訊かれれば、全く迷いなく『海の幸』と答える。聖書とか日本書紀とかの、所詮人が造った神という創作を超越した、はだかの人間の営みが最初から持っている神性、確かにそれを感じられた。
結局、こちらも30分ほど立ちつくして眺めてしまった。
満足。
でも、主題そのもので完成度を凌駕できるという実例を目の当たりにした思いで、ちょっと複雑でもあった。

その後、常設展を一通り鑑賞して、美術館を辞す。
空には晴れ間も現れ、太陽が傾いたせいもあってか多少はすごしやすくなった。
いつも通り知恩院から円山公園、八坂、二寧坂、五条大橋と散策、満を持して先斗町に突入。
本日三つ目の本命、バーアトランティス

夏期は川床で洋酒が飲めるという、大変に希有なオーセンティックバー。
場所柄もあってか観光客が多く、正直ちょっとお高い店なれど、その分をちゃんと酒の味とホスピタリティにかけてくれている良い店。モルトも各種ありカクテルもなかなかレベルが高い。
勢いあまって開店3分前に着いてしまい、店の前でちょっと待ってから入店。若い店長さんに迎えていただく。せいぜい2ヶ月に1度程度、大阪からやってくる客のことをちゃんと覚えてくれていて、ちょっと嬉しい。
いちばん端の、鴨川に面した特等席に座り、まずは生ビールから。ピルスナーグラスに注がれたプレミアムモルツ、このロケーションで不味かろうはずもなく、2分で飲み干す。

ギネスとフィッシュアンドチップス@先斗町アトランティス

お次はギネスとフィッシュアンドチップス。二種類の魚とふっくらした衣でボリュームたっぷり。空きっ腹には嬉しい。鴨川名物等間隔カップル配置を眺めつつ、こっちはひたすら腹ごしらえとアルコール摂取に精を出す。河原を通っていく人の「あそこバーになってる!」という驚きの声が聞こえ、ちょっぴり優越感。まあ、俺の手柄じゃないけれど。

三杯目、いつもならいい感じに温まったギネスをチェイサーにモルトを頼むところ、今日はオリジナルカクテルの先斗町クーラーを所望。ほどよく甘めの炭酸が心地良い。

マスカットリキュールのトニック割り@先斗町アトランティス

さらにもう一杯、ボトルが目についたマスカットリキュールの飲み方を訊いたところ、リキュール自体の完成度が高いからということで、シンプルにトニックウォーターで割ってもらった。たっぷり絞ったレモンの効用か思ったほど甘くベタつかず、これも飲みやすい。

〆にモヒート、夏の屋外なら鉄板の味。
滞在1時間半で五杯、いい感じに出来上がった。
ここで会計してもらい、薄暮に賑わう先斗町通りを河原町駅までのんびりと歩いた。
海の画家である青木繁作品を愛でた後、アトランティスで飲むってのは、ちょっと出来過ぎだったなあと思いつつ。

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