2011年10月アーカイブ

或る酒飲み的西中島バルの夕べ

10/08(土)、10/09(日)の2日に渡って開催された第1回西中島バル
前売り3000円で700円×5枚のチケットを購入すれば、チケット1枚で参加飲食店自慢のフード+ワンドリンク(じゃないところもあるけど)をふるまってもらえるという太っ腹企画。さらにチケットが残っちゃっても10月末までは金券として使える(一部の店除く)という安心仕様。
これは会社近くで使える店を一気に増やすチャンス! かなり前からそわそわウズウズしていた。

初日8日は私用で行けず、明けて9日。
休日仕事を早めに切り上げての午後3時過ぎ、いそいそと出陣。持ち弾は5発、というか5枚。原則としてBARと名がついた店を巡ることに。

●1軒目 Dinning&Bar BRARIN

路地裏の2階にあるダイニングバー。看板を路面に出してなかったら素通りしていた。そもそもこの催しがなかったら知ることさえなかっただろうお店。
テーブル席も多い広目の店内、やや暗めの照明でテレビあり。ちょっと装飾に統一感がないけど、もしかしたら居抜きかなあというのが第一印象。客の姿はなし。
忙しそうに下準備しているマスター(とおぼしき方)に「西中島バルのチケットはイケますか?」と言ったところ「当日券ですか?」と返される。いやいやそうじゃなく…と説明してからカウンター席へ。この辺りこっちが慣れてなさすぎ。
フードは10品程度から3品を選べる太っ腹仕様。海老とアボカドのコブサラダ、煮込みハンバーグ、自家製がんもどきをチョイス。ビールは一軒目なのでとりあえず生ビール……を選んだものの、すぐに失敗に気づく。ビールでは料理が出るまで間が保たない。さりとて追加オーダーしちゃったら俺の西中島バルはここで終わると思い、心を鬼にして粘る。
料理は3種味見モードで少しずつなれど、ワンプレートとして充分なボリューム。自家製がんもどきが特に美味しかった。
帰り際に、普段は若い人が多そうですねと聞いたところ、意外にそうでもなくて一人で食事するサラリーマンも多いとのこと。たしかに居酒屋使い、食事使いともにできそう。お店自体は開店1年ほどで、やっぱり前の店をそのまま居抜きしたとのことで納得。お忙しそうな雰囲気であまり話せなかったのが心残り。

■スコッチ好きから見たバックバーメモ
8~10種類程度。有名どころ+島物がちらほら。とりたてて「おっ」と思うものはないものの、ダイニングバーとしてはモルトもちゃんと飲めていいよね、という感じ。


●2軒目 Asian Dinning Salon Ritz Bar

阪急南方駅近く、SEGAのゲーセンが入ったビルの5F。ここも存在さえ知らなかった。
ちょっとアジアンテイストが入った小綺麗な内装、カウンター脇のエスプレッソマシン。カフェバー的な感じ……だけれども、大スクリーンで阪神戦を流しているのは大阪的お約束。
バルメニューは三種盛りで生春巻きベトナム風、鶏唐揚げ、明太子とブロッコリーのピザの三種をチョイス、飲み物は前回反省を踏まえ白ワインをチョイス。
カウンターに客が一人だけだったのもあって、お姉さんがよく話し相手をしてくれた。やっぱり西中島バルは好感触とのこと。他のお店の話もいろいろ仕入れることができた。あと、「Ritzでアジア風なんですね」と素朴な疑問を言ったら、笑ってはぐらかされてしまった。すみません。
料理はちゃんとしたレストランメニューという感じ。特にピザが美味しかった。ワインがもうちょっといいやつだとさらに合うかなーと思ったけれど、フード込み700円なら高望みというもの。普段のグラスワインは同じなんだろうか? 店員さん曰く「生のお魚もおいしいですよ~」、でも日本酒は『ある時はある』という感じらしいから、やっぱり白ワイン頼みになりそう。
思わず会計をしそうになりつつ、照れ挨拶して店を辞す。エレベーターまできっちり見送ってもらったのも流石。酒メインより食事+お酒という使い方をしたいお店。女の子連れなら尚可。もしくはちょっと酒飲みモードから離れてのんびりしたい時に使えそう。

■スコッチ好きから見たバックバーメモ
鉄板銘柄が6種類程度。恐らくあまり頼む人はいなさそうな雰囲気。すみっこにスプリングバンクの旧壜があったけど、あれはオールドボトルじゃなくて、置いといたら古くなっちゃったのかなーと思った。

後日再訪したところ、バックバーのボトル配置が替わっていてモルトは鉄板8種類程度、アードベッグもフツーにあった。また、スタンドエビスと掛け持ち?(非常駐?)のお兄さんがバランタインFのハイボールをいい感じに作ってくれて、これならバー使いには全然問題なしと印象を新たにした。店員さんのホスピタリティーも変わらず良し。夜の部のまったりカウンター常連さん(焼酎で肴をつついているような)の雰囲気に合えばまさにいい隠れ家になりそう。お薦め。 


●3軒目 Bar GARUDA

グルメシティ南方店の地下、食堂街にあるダーツバー。
前から気になってはいたものの、ダーツをやらない身としては敷居が高く、今回初来店。
カウンターに陣取ると、酒を何にするかと訊かれたので逆にアテを聞く。バケットに玉子とブルーチーズのハチミツ和え。いい感じなれどスコッチ系は角縛りとのこと。結局白ワインに。
こちらも店内は外から想像するより広い。前出Ritz Barの店員さん情報によれば、2軒あった店をブチ抜いたとのことで、なるほどと思う。ただし店の半分はダーツスペース。マシンは2台。盾やトロフィーがそこら中にあって、本格的に競技志向な感じ。
ワインはチリ産で、フルーティーでなかなか美味しい。どこか他でも見たラベルだけど失念。もちろんアテにもバッチリ合う。量は少ないけれど、1、2軒目ががっつりおかずだったのでちょうどいい。お店は基本年中無休(ダーツの競技会時除く)で、午後6時から午前5時までやっているそうで、場所柄も込みで使い勝手はよさそう。
店を辞してちょうど午後5時。4軒目に行くはずの店が午後6時からなので、ちょっと反則技を使うことに決定。

■スコッチ好きから見たバックバーメモ
6~8種類程度。置いてあるものはほぼ鉄板なれど、アードベッグがあったし、モルト好きの常連さんに注文されている雰囲気はある。ダーツの賞金とおぼしきのし袋が飾ってあって、隅のボトルが見えない。バランタイン12年?


●4軒目 BAR PLUS

地下鉄御堂筋線新大阪駅の南口から少し歩いたところにある小さなバー。そもそもは喫茶店だったのを、1年ほど前から別スタッフで夜のバータイムを始めた。西中島バルの極北ナンバー2。

客のないこぢんまりしたカウンター、いつもと変わらぬマスターにいつもと変わらず迎えられる。失礼ながら6時までのツナギなのでチケットを使うかどうか迷ったものの、やっぱり使うことに。プロセスチーズと鴨の自家製スモーク+ギネス。不味いはずはないっていうか、何度食べてるかわからない。いつもならギネスをチェイサーにモルトを頼むところなれど自制、超頑張って自制。
昨日(土曜日)の様子を聞くと、バルのお客さんはもちろん、大人数のお客さんまで来ててんやわんやだったとのこと。善き哉。こちらも3軒目までをスパイよろしく暫定報告。西中島バル、お店にも客にもなかなかいい感じ。
だらだらしていたらカウンターも込み始め、気がつけば午後6時1分前。マスターに「お勤めにいってまいります」と言い残し店を出る。返った言葉は当然、「行ってらっしゃいませ」。

■スコッチ好きから見たバックバーメモ
変態的。そもそもバックバーじゃなくてフロントバー(カウンターの上にボトルが並んでいる)。キルホーマンとかイチローズモルトMWRとかボトラーズのボウモア樽違いとかの中に、ロイヤルハウスホールドとかバランタイン30年とかがしれっと混ざっている。何の罠だ。ジャパニーズを含めて全部で30本程度常備してるっぽいけど、鉄板から飛道具まで陣容がバラバラで飽きない。


●5軒目 イタリアン居酒屋 FREELY

実は今回いちばん行きたかった店。場所はBAR PLUSのさらに裏。知ってはいてもなかなか行けない店。そこらじゅうに置いてある(そしてよく風に飛ばされている)看板だけは見たことあるけど……という人多数(涼元調べ)。ある意味西中島ナンバー1の秘境店。
1番乗りで入店(PLUSから歩いて30秒なので当たり前)。シェフのイケメンお兄さんとハキハキした女性の二人体制。カウンターの奥目に案内される。
アテは3種のブルスケッタ。バケットにガーリックの利いたクリームチーズ、マッシュポテト、ラタトゥイユ(野菜煮込み)を乗せたもの。飲み物は白ワイン……と頼んでおいて、フェイントで赤に変更。さすがに飽きてきたので。ざっと見渡すと、カウンター上にマーカーで直接値が書いた(バールのお約束作法)ビール壜がずらり。これは楽しめそう。
お姐さんがいい感じに相手をしてくれる。PLUSから来た旨を話し、ひとしきり盛り上がる。料理は飾らないイタリア風で、まずかろうはずもない。ワインがワイングラスでなくDURALEXっぽいフツーのコップに入ってきたのも、雰囲気と取ればまあアリか
そろそろ酒も食べ物も尽きるという時、絶妙なタイミングで「なにかお飲み物は?」と聞いてもらえた。待ってましたとばかりにビール軍団の中からクロンバッハを召還、さらにヒスイナスのレモン風味を追加。これが洋梨のコンポートを食べているようで大変に美味だった。
…結局1時間ほど居着いてしまった。次はぜひ本式に居酒屋使いをしてみたい。

■スコッチ好きから見たバックバーメモ
スコッチとおぼしきもので視認できたのはジョニ黒のみ。(泣)
まあ、ここではビールかワインを飲めってこと。

後日再訪。グラスに関してはバルの時が特別だったようで、フツーにワイングラスで供され一安心。イケメンお兄さんがかなり饒舌で楽しかった。アボカドのホットサンドを頼んだところ、「今日のアボカドは今ひとつなのでお出しできない」と断られた。あからさまにダメダメなアボカドを平気で出してくるところもあるのに、その意気や大変良し。場所柄キツいお店なれど、微力ながら応援したいと思う。


●6軒目 BAR PLUS 
※註:ここからは通常飲み

マスターに「ただ今帰りました」と挨拶し、何事もなかったかのようにカウンターに収まる。仕上げにサッパリしたものが飲みたいので、「フレッシュライムにミスティアとトニックウォーター使ってさっぱりめのやつ」とオーダー。これだけ縛ったところにブルーキュラソーを加え、キレイに出してくるのが流石。アテにはいつものカシューナッツのスモーク(美味)。そして反省会モードに。
西中島バル自体はとてもいい感じだったし、お店も個性があってよかった。気にはなっているけどなかなか行けないお店に行くことができたし、何よりバルのこと自体を話題に、一見客でも店員さんと気軽に会話できるのが素晴らしいと思った。600円ポッキリで店の雰囲気や料理の方向性を気軽に探れる、これは本当にありがたい。
その反面、こんな短時間の滞在でさえ、自覚なく常連風を吹かせまくっている、気の利かない常連さんと同席しちゃうと、それだけで店の印象が悪くなっちゃうんだなあと思った。自分はそんな常連と見られてないだろうかと自省しつつ仕上げの2杯目、イチローズモルトMWRをロックで。モルトはストレート派なれど、この酒は氷と馴染ませる方が美味いと思うし、PLUSはそもそも氷自体が美味い。さらに洋梨に蔵王クリームチーズを乗せたものをいただく。
バルのお客さんと常連さんが入り乱れて、お店がいい感じに回り始めた。これから出かけるという常連さんたちの楽しそうな相談を傍で聞いたり、はじめてこの店に来た酒飲みさんと一時の四方山話を楽しみながら、ちょっと物足りないというところで上がり。
そのまま電車に乗るのがもったいなくて、酔い覚ましに江坂まで小一時間歩いた。
東三国で別の某BARに引き寄せられたものの、誘惑を振り切れたのはオトナの証拠。

……そんなこんなで西中島バル、大変楽しい催しだった。
そりゃもうぜひとも2回目希望。次は6丁目7丁目界隈のお店が増えたらいいなあ…



ひとつだけ蛇足気味苦言:公式サイトがいただけないと思った。どこに何が書いてあるかがわかりにくい、お店の一覧性が低い、メニューページ からは店名のコピペができない、MAPのページで地図が閲覧できないなど、???な仕様が。古い携帯電話のWebブラウザだと表示さえできなかったりするし、facebookよりフツーにサイトを組んだ方がよかったのでは?

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