お豆腐を買いに

連休中日。
ひさしぶりに早起きし、ご飯と味噌汁でちゃんとした朝食を…と思ったら、豆腐がない。
一度買ってみたかった豆腐屋が朝八時から開くはずなので、この際買いに行こうと愛車こなもん号(自転車)を引っ張り出す。

五月の朝にしてはちょっと冷たい空気。

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ツツジの咲いた歩道をゆっくりと登って。

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まだ動き出す前の商店街を横目に。

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朝日の差し込む竹林を早足ぐらいで漕いで。

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お目当ての豆腐屋到着。
大きなクーラーケースを提げた玄人さんに混じって、
出来たてアツアツを分けていただく。

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帰宅。
森嘉の白豆腐、厚揚げ、ひろうす。
袋から取り出してもまだ温かいのでびっくり。

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早速いただく。
土鍋ご飯と豆腐の味噌汁のはずが、土鍋で湯豆腐と酒になっている不思議。
…って、帰って支度してたら昼過ぎてたからだけど。
大阪京都往復100km、クロスバイクで豆腐買い出しの旅、やっと実現できて満足。

その後だらだらと飲んで、寝落ちして、夢の中で雨音を聞いて。
そんな感じの休日。
疲れたけど、骨休め、心休めになった。

校庭の桜

今年の桜はまだ心の準備ができる前に咲き始め、花見頃の週末をスルーして粘って満開になった挙げ句に、嵐で一日のうちに散るという大波乱。それでも、毎年必ずチェックしている某小学校の桜は、それは見事に咲いていました。

校庭の桜

だれもいない校庭の隅、逆上がりの補助台と桜のツーショット。
薄曇りの白い空に、枝の先から煙って溶けてしまいそう。

桜と時計

「君、今年も綺麗だけど、少しばかり早いねえ」
「ありがとうございます。でも、こればっかりは自分の思い通りになりませんし」
「ちょうど休みに重なってしまって、残念だね」
「ええ、新しい子たちにも見てもらいたいなあ…なんとかなりませんかね?」
「なんとかしてあげたいけれど、私は時を示すだけで、動かすことはできないからなあ」

薄日の桜

やがて薄日が射して、かすかに香りが立って。
そんな感じにはじまった春を、近況代わりに。

午後早く、書きものを終えて外出。
今の貸屋に引っ越してちょうど4周年になるので、ちょっとしたお祝いに酒の肴でも見繕おうと、竹見台へ向かう。
春みたいに暖かな陽気。途中通った公園では、子供も大人もダウンジャケットやコートを脱いで、フリスビーに興じたり、ジャングルジムによじ登ったりしている。
歩調を落とし、目に留まったものをぱちぱちデジカメに収めながら進む。

山茶花咲きすぎ
なにもそこまでというぐらいに咲いた山茶花や、

マンションに帰っていく猫
フツーにマンションのエントランスに入っていく猫、

いつもの肉屋さんで鶏のたたき、コンビニで缶ビールを買い、帰宅。
準備もそこそこに、早速飲み始める。

鶏のたたき、自作野菜チップス、ビール(サッポロ蔵出し生)、日本酒(喜久酔)
暖房いらずどころか、サッシを開け放したくなるような陽射し。
「こういうのも絵になるなあ」などと思いつつ、酒をビールから日本酒にスイッチ。
どういう思考の流れか、気がついたら『漫画の中の酒飲みシーン』というテーマで、書棚をひっくり返していた。

漫画も肴に
料理漫画や蘊蓄系漫画はそのまんまでつまらないので除外して、なるべくひねったところをと思えど、これがなかなか難しい。

まずは『陰陽師』岡野玲子(原作:夢枕貘)

平安時代を舞台にした全13巻の大作……だけど、最初の方はスルスル読める。漫画版は後ろに行けば行くほど厚く、難解になっていく。個人的には前半の原作に忠実な話が好き。基本的に『安倍晴明の屋敷に源博雅が訪ねてきて、まずは酒を酌み交わす』ところからはじまるので、当然酒飲みシーンが多い。さりとて相手が安倍晴明となったら、酔えるのか酔えないのか、源博雅ならずとも心許ない。楽しそうではあるけれど。

「今日は酒を飲みに来たのではないぞ」
「酒をこばみに来たわけでもあるまい」
「おぬしは口がうまいな」
「この酒はもっとうまい」

こんな洒脱な会話ができたらなあ。数ある酒盛りシーンの中でも、特に3巻『黒川主』が好き。名人鵜匠が捕った最高級天然鴨川鮎を肴に一杯ですもん。しかも1000年前の。

次に『阿房列車』一條裕子(原作:内田百閒)
最古の乗り鉄ことご存じ内田百閒の伝説的エッセイを、異才一條裕子が忠実に漫画化。百閒先生と旅の相棒ヒマラヤ山系氏の絶妙なそっくりっぷりと、基本小説のテキストのみから話を構築してあるのが特長。一條裕子先生は『わさび』連載のころから大ファンなれど、阿房列車はまさに白眉だと思う。
これもまた、基本『電車に乗って座席で持ち込みの弁当を肴に酒を飲み、行った先の旅館で酒盛りし、帰りの食堂車で駅に着くまで飲み倒す』ので、至るところ酒飲みシーンだらけ。でもそこは百閒先生、どんな珍味美酒に会っても、「美味かった」などと直球には言わないところが逆にツンデレで楽しい。
どの回のどの飲みも好きだけど、日本酒を魔法瓶で燗付けして車内に持ち込み、佃煮と握り飯で晩酌ってのはいつか自分でもやってみたいと思っている。あと、機会があれば八代には一度行ってみたい。百閒先生ご贔屓の松浜軒は、既に宿屋として営業はしていないそうだけど。

時代が昭和から明治に戻り、『坊ちゃんの時代』谷口ジロー/関川夏央
帝大講師から小説家として独り立ちせんと決意する頃の夏目漱石が主人公。緻密な考証と精密な描画に圧倒されつつも、エネルギッシュで人間味ある時代のうねり、遠ざかる『江戸』への郷愁……もちろん、あの猫も出てくるし。それはともかく、漱石先生は基本外では飲まない方が世のためだと思う。
第九章『春風一陣』内、漱石宅に彼を慕う書生たちが集い、勢い酒盛りとなる。『もしもこの場に居合わせ、べろんべろんになるまで麦酒を呷りつつ、時代の馬鹿話に興じることができたなら』そう思わずにはいられない。

…自分の嗜好もあって、どうしても昔の日本を題材にした作品に偏るなあと思い、毛色の違うのを探し当ててきた。
『リリックス』1巻 森雅之
大判フルカラー、ショートショートというか、詩画集という趣の作品集。内容はまさに『リリックの集まり』、ちょっとおセンチで、そのくせ切れ味が鋭く、読後に不思議な印象を残す。
森雅之先生は洋酒がお好きと見えて、この作品集以外でもちらほらと出てくる。
酒にまつわるのは第3話『エスキモーズ・キッス』
「冷たいマティニ(マティーニ)にクラリと酔って、でっちあげた話」そんな前置きから始まる。北極の海、水面を通して映える月。焦がれて見ている、水底の人魚……他愛のない、短い話。ちょっと不思議で、でもたしかに、マティーニみたいに洒落た物語。


興が乗ると、酒盛りや飲酒がワンシーンとして出てくる漫画なら、自分の棚だけでもそれなりにあると気づいてきた。

『あどりぶシネ倶楽部』細野不二彦 今ではほぼ絶滅している自主制作8ミリ映画大学サークルの話。クランクアップ後の居酒屋打ち上げ、アパートの自室、仲間でありライバルでもある奴と飲む安酒。若い頃に読んで、憧れたものだった。

『冒険エレキテ島』鶴田謙二 こちらも居酒屋での飲み、ひさしぶりに会った同級生たちと。地に根を張っているかつての友人たち、浮き草のまま夢を追う自分の対比に酒が染みる。

冒険ものでも上記とは随分カラーが違う『BLACK LAGOON』広江礼威 根っからの社畜ジャパニーズビジネスマン岡島緑郎VS海賊稼業の女ガンマン『トゥーハンド』ことレヴィ、雌雄をかけた無制限ラム一気飲み合戦@極悪酒場イエローフラッグ。

もうひとつ、新しめなところから飲み合戦、『靴ずれ戦線 魔女ワーシェンカの戦争』速水螺旋人 ロシアの見習い魔女ワーシェンカ(劇中ではなざか関西弁)VS鯨飲鯨食妖精ドモヴォーイ(の特別大きい奴)。

他にも『エマ』森薫もパーティーシーンが多いよなとか、『アップルシード』士郎正宗にもデュナンとブリアレオスが高級ワインを飲んでるところがあったっけとか、印象的な『飲み』はまだまだあるけど、切りがないのでこんなところ。

最後に個人的真打ちを。
『子午線を歩く人』須藤真澄 より『今宵楽しや』
須藤真澄先生は相当な酒飲み、それも日本酒&アテの渋い飲み方もお出来になると見えて、エッセイ漫画でもちょくちょく酒や飲みの話が出てくるんだけど、この『今宵楽しや』はそのものズバリ!角打ちを主題にしているシブさ炸裂の話。グルメ漫画ですら珍しいのに、ガチファンタジー作品でのこの暴挙…じゃなくて快挙。ちなみに、出てくる女の子の名前が『真澄』なのは、作者にカブっている以上の深い理由があったり……って、これだけでピンと来たらあなたもかなりの日本酒飲み。

酒と一緒にお気に入りの漫画類を大量摂取できて大満足。
これを燃やして明日も頑張ろう。アルコールと違って、完全なるエンプティーカロリーだし。
アルコールと違った意味で、一生心に残ることもあるけど。

2013年 明けましておめでとうございます

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取り急ぎ、デジカメで初撮りした星空画像を。(クリックで拡大します)
本年もよろしくお願い申し上げます。

夏から秋への散歩(生存報告)

 

午後の広縁と団扇

団扇の出番もめっきり減って
散歩に出ようと思い立つ

オシロイバナの路地

近所の路地 群生するオシロイバナ
子供の頃より やわらかくなった色合い

小学校のプール入り口

小学校のプール 夏へ続いていた階段
青を深めた空 光の裾に暗がりが覗く

晩夏の銀杏

みずみずしい銀杏の葉
夏から秋へ 受け渡す色

秋空とキョウチクトウ

まだまだ意気盛んな花もある
触るる秋に 刃立てるごとし 夾竹桃

 

廃団地の中庭

役目を終え 取り壊しを待つ集合住宅
閉ざされた中庭 ノウゼンカズラの人待ち顔

伊丹空港に向かう夕暮れの飛行機

橋を渡って家路を辿る
遠ざかる飛行機が 錆色の雲に影絵を落とす

 


とまあ、生存報告代わりに撮り貯めた写真から適当に並べてみました。
もうすうぐお隣の庭からキンモクセイが匂い出します。
季節の移ろいは、年食うごとに本当に速くなっていくなあと、実感しています。

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