ディスカバリーパーク焼津でプラネタリウムと天文台見学会

2019年の初プラネタリウム鑑賞は、ディスカバリーパーク焼津天文科学館へ。

静岡県では有数の天文施設だし、前々から行ってみたいとは思っていたけど、いろいろと敷居が高い。
まず行くまでが大変。涼元実家の清水からだと正味1時間40分。静鉄で新静岡駅、徒歩で静岡駅まで移動してJRに乗り継いで焼津駅、そこから1時間2本のバスに揺られること二十数分。

JR静岡駅ホームの立ち食いそば屋

 バスの車窓から焼津駅前を見る

フルサイズかつ若干レトロな路線バスが不釣り合いな路地を通ったり明らかに大回りしていくのを不安に思いつつも、無事到着。
他に誰も降りない。というか、そもそも辺りに人がいない。
観光地的なものはおろか、ちょっと暇を潰すようなお店もない。(一応温水プールがあるけど、天文好きとは食い合わせが悪すぎると思う)これが敷居の高さその2。
要はハナから天文目当ての人しか寄りつけない、孤高の施設※なのである、と。

※言いすぎ。広大な駐車場があるので、ドライブがてらのコースに組み込むのが普通だと思われます。

……とか何とか言ってると、行く手にあからさまに只者ではない建物が。

ディスカバリーパーク焼津天文科学館前景

パラボラアンテナ@ディスカバリーパーク焼津

芝生広場にカジュアルに立ってるパラボラアンテナも尋常ならざるオーラを漂わせている。うん、 こういうの前に野辺山で見た。

満を持して突入。受付にてプラネタリム鑑賞大人600円+展示・体験室代金300円を払う。
プラネタリウムはともかく展示が有料、しかも300円というのはなかなか強気。普通、科学館の展示と言えば動滑車定滑車とか凹面鏡凸面鏡とかお馴染みのアレだけど、こちらのはかなりガチな双六テイストチャレンジだった。ちびっこ超ハイテンション。
でも全クリには時間が足らず、投影の時間が近づいたので涙を飲んで中途退場。

 かめ子さん@ディスカバリーパーク焼津

かっちょいい宇宙ビークルに跨がり気さくにサムズアップをくれているマスコットのかめ子ちゃん(さそり座V861星出身)に見送られつつ、上階のプラネタリウムに急ぐ。

かめ吉くん@ディスカバリーパーク焼津

かっちょいい宇宙コンソールで何やら管制オペレーション中のかめ吉くんに挨拶。入場券にハサミを入れてもらい、投影室に。

GEMINISTARⅢYAIZU GEMINISTARⅢYAIZU

傾斜型の座席の真ん中に鎮座しているのは、GEMINISTARⅢYAIZU。光学式投影機(INFINIUMγⅡ)と 全天周プロジェクターSKYMAXDSⅡ-R2のコンビネーションが最新かつ精細な星空と頭上いっぱいの迫力映像を見せてくれる。いや、やっぱりミノルタ機は(本体の)色合いがいいなあ。(惚)

鑑賞上の注意や非常口の案内などを経て、ほどなく投影開始、まずは今日の星空解説。
こちらはスカイラインが実際の施設屋上からの映像を使っていてわかりやすい。
日が沈み、一番星が見え、夜の帳が降り、今宵の星座が輝く。せっかくだから街灯かりを消しちゃいましょう、10秒間だけ目をつぶってください……鉄板かつ安心の展開の後、INFINIUMの本領発揮。機材に比べると若干木訥とした、それだけに心地のいい解説に、ともすれば瞼がくっつきそうになるのを耐えつつ(注:これ正真正銘褒め言葉なので)、星座解説終了。

続いて企画番組、『めざせアンドロメダ!宇宙探検サイコロの旅』

超高性能宇宙船でディスカバリーパーク焼津上空を出発、日本列島、地球、そして太陽系をはるかに離れる。この辺りの演出は全天周投影の面目躍如、「もし酔いそうになったらしばらく目をつぶってください」の注意喚起も伊達じゃない。
そしてメインディッシュ、様々な天体、天文現象を迫力の全周映像で目の当たりにする……って、ここまではよくあるんだけど、面白いのは『サイコロの旅』のタイトルどおり、観客がサイコロを振って、六つある行き先の二つをその場でガチで決めるという趣向。
希望者は挙手を……との呼びかけにマゴマゴしてたらサクッと他の人に。その結果、決定した演し物は……

ひとつは月の裏側
もうひとつはTRAPPIST-1

両方とも旬の話題だったので興味深く鑑賞。したものの、正直言って進行をもうちょっと早くすると他の四つもフツーに流せたんじゃないかなあと貧乏臭く思ったのも事実。ちなみに投影内容はスタンプラリーになっていて、三種類以上集めると記念品と交換できる(4/14までが期限)とのことなんだけど、もう一度ここまで来るのが正直かーなりキツい。さらに次回来てもサイコロ的に内容モロカブリする可能性もあるというウルトラハードモード。焼津まで足繁く通える環境で我こそは!という方は、ぜひぜひチャレンジしていただきたい。

そして宇宙船ははるかアンドロメダ星雲を訪れ、フィナーレ。密度的には満足だったものの、最後は地球に帰ってきて、焼津の夜明けで終わったらもっとよかったのになあ…… (個人の感想)

投影後には天文台の見学会に参加。
静岡で天文を囓っていれば必ずお名前は聞く、望遠鏡製作の名手法月惣次郎先生(すんません、ディスカバリーパーク焼津近くにお住まいだったのは初耳だったです)が生涯の最後に手がけた80cm反射赤道儀……と、情報だけは知っていたものの。

実物を目の当たりにすると、これが本当にスゴかった。

80cm反射赤道儀@ディスカバリーパーク焼津 80cm反射赤道儀_鏡筒先端@ディスカバリーパーク焼津

どこかスペースシップワンを思わせる鏡筒先端の意匠。

 80cm反射赤道儀鏡筒底@ディスカバリーパーク焼津 80cm反射赤道儀_カセグレン焦点接眼部@ディスカバリーパーク焼津 80cm反射赤道儀_導入モニタ@ディスカバリーパーク焼津

副鏡を切り換えることで、カセグレン、ナスミス、ニュートンの三焦点に光を導けるという凝りまくりの鏡筒。

80cm反射赤道儀_主鏡カバー操作部@ディスカバリーパーク焼津

そして主鏡カバーを開閉するためのフツーの釣りのリール。
「めっちゃ焼津っぽいですね」と言ったら、解説のおねいさんに半笑いされたり。

見学会は夕方だったものの、大型望遠鏡にとってはそんなのカンケーない。
カセグレン焦点の視野に導入された昼間のベガ、真っ白い針先のような星像を見詰める。
高校生の頃、別館天文台のドームにあった26cm反射赤道儀を操っている自分が蘇り、ちょっと感無量になったりした。

80cm反射赤道儀_銘板@ディスカバリーパーク焼津

 

そんなこんなで大満足。
次はぜひぜひ夜の観測会に来なければ!と心に決めた。問題はその場合、完全に帰りのバスがないんだよなあ……駅まで歩いて帰ると1時間ではきかなそうだし、道中追いはぎに遭いそうだし。

ディスカバリーパーク焼津脇の浜から眺める富士山

最後に、ディスカバリーパーク焼津脇の浜から眺める富士山を。

本年もよろしくお願いします。

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このブログ記事について

このページは、涼元悠一が2019年1月14日 23:01に書いたブログ記事です。

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