涼元@実家で色々雑用&泥縄で仕事な日々であります。
なんだか冥王星界隈が大変なことになっている今日この頃ですが、その名付け親である野尻抱影先生絡みのイベントを図らずも観に行った話を。
東京出張二日目。
町田市立博物館にて、『星空にあこがれて プラネタリウムと天体望遠鏡展』を観ました。
メインはもちろん、プラネタリウム投影。
とはいえ、こちらの博物館にプラネタリウムが常設されているわけではないようで、待っていたのは直径4メートルほどのエアドーム、その中央に移動用小型プ ラネタリム。まさに星空出前状態というか、planetarian初回特典小説で書いた『星の人』の設定そのままです。
観客は身をかがめてドームに入ると、壁の縁にぐるっと体育座りをして並びます。当然壁にもたれかかるのは厳禁。最悪、宇宙が崩壊します。
解説員のお姉さんの声に導かれ、まったりと投影が始まりました。
まずは光量を絞って都会の星空を見せてから……という、お馴染みの導入です。
「十秒間目をつぶってください……はいっ! 目を開けてください」
わっという歓声と共に、ややこぢんまりとしているものの、満天の星が輝き出しました。
投影機はよくあるホームプラネタリウムではなく、まさに博物館用のミニチュア版で、南天も投影できるようです。ただ、当然スペック的に全機能搭載というわけにはいかず、星座のラインなどは、手持ちのポインター的な道具を使って別に投影していました。
解説はごくごくオーソドックスな夏の星座説明。
で、夏休み中の無料投影ですから、当然悪ガキがいます。
中でもちょっと仁義にもとってるだろキミという札付きがそろそろ手に負えなくなった頃。
恐らくは他の家族連れであろう、雷親父さまの一喝が響きました。
悪ガキは沈黙、それから後は投影もスムースにいきました。これもまた、手作り投影ならではのワンシーンです。
投影の最後、それまでは静止していた星像が日周運動を始めました。星座が夏から秋に移ろい、東の空に昴がかかり始めた頃、照明が戻され、投影は終了しました。
こういう手作り感覚の投影もいいものです。高校時代に学校祭で製作したプラネタリウムのことを懐かしく思い出しました。
五藤光学の協賛があったおかげかと思うのですが、展示物の方も素晴らしかったです。
特に目を惹いたのが、重錘式赤道儀。
モーター駆動の自動赤道儀以前、巻き上げた錘が下がっていく力で赤経ウォームギヤを微動して星を追尾するという方式。さすがに実物を見られるとは思ってもいませんでした。
そして、五藤光学製M-1式投影機の各部パーツ展示。
さらに同じく五藤光学製、マクストフ・カセグレン展示。昔の天文ガイドに製品の宣伝が載っていて、それは憧れたものでした。
さらには商売敵のセレストロン鏡筒+ビクセンGPD赤道儀展示。(架台は敢えてマークXにしてほしかった……)
そしてもうひとつの展示主役、野尻抱影先生の愛機、『ロングトム』。
残念ながら架台と鏡筒がばらばらのまま、ガラスケース内の展示でしたが、やはり実物を見られたのは感無量です。鏡筒は木製の格納箱に入ったままだったので すが、その箱が高校の地学部室に転がっていたNikon製8センチ屈折赤道儀の鏡筒運搬箱そっくりだったのが、とても感慨深かったです。
午後からは、池袋サンシャインシティーのプラネタリム満天へ。
番組は『銀河鉄道の夜』、 町田での投影と打って変わって、こちらは全周投影を駆使した完全オート番組。平日の昼間だったのにかなりの盛況ぶりで、上映開始20分前でかなりの人が並 んでいて びっくり。相変わらずお綺麗なコンパニオンのお姉さまに導かれて入ったドーム内では、普段は誰も座らないような投影機の東側横に腰を落ち着けま した。それもまた一興。
番組内容は、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』をそのままなぞるのではなく、天の川を辿っていく銀河鉄道の軌跡から、要所をピックアップしてナレーションと共に 美麗なグラフィックスで魅せるという感じ。あまり余計なことをせずに、ただ美しい映像を楽しんでくださいという趣向で、個人的には好印象でした。
まあとにかく、文字通り全天を使って映されるCGでの星や機関車の美しいこと!
また、全周投影と投影機との連携がよくできていて、継ぎ目なく星像に移り変わるのが見事でした。よほどきちんと作り込まないとできないことだと思います。
途中、お子さん突然号泣→親御さんとともに退場というお馴染みのイベントもありましたが、時間いっぱい充実して楽しめました。
でも、やはりプラネタリム好きの贔屓目で言ってしまうと。
絢爛豪華なフルCGの数々もよかったのですが、いちばん心に残ったのは、コニカミノルタ製インフィニウムγ投影機が全力で星空を投影する中、透き通るような『星めぐりの歌』が流れるEDスタッフクレジットのように思いました。
素朴で賑やかな町田での投影と壮麗で快適な池袋での投影、どちらがいいかと問われれば、甲乙付けがたいと答えるしかないところが、プラネタリウム鑑賞の面白いところだなあと。
町田市立博物館の投影の方は、今日明日の追加が決まったようです。恐らく混むだろうなあと思いますが、お薦めです。ちなみに町田市には、現役のデパート屋上プラネタリウム館も存在します。
池袋満天の『銀河鉄道の夜』の方は、盛況のため(拍手!)上映延長したようですので、こちらもぜひ。
なんだか冥王星界隈が大変なことになっている今日この頃ですが、その名付け親である野尻抱影先生絡みのイベントを図らずも観に行った話を。
東京出張二日目。
町田市立博物館にて、『星空にあこがれて プラネタリウムと天体望遠鏡展』を観ました。
メインはもちろん、プラネタリウム投影。
とはいえ、こちらの博物館にプラネタリウムが常設されているわけではないようで、待っていたのは直径4メートルほどのエアドーム、その中央に移動用小型プ ラネタリム。まさに星空出前状態というか、planetarian初回特典小説で書いた『星の人』の設定そのままです。
観客は身をかがめてドームに入ると、壁の縁にぐるっと体育座りをして並びます。当然壁にもたれかかるのは厳禁。最悪、宇宙が崩壊します。
解説員のお姉さんの声に導かれ、まったりと投影が始まりました。
まずは光量を絞って都会の星空を見せてから……という、お馴染みの導入です。
「十秒間目をつぶってください……はいっ! 目を開けてください」
わっという歓声と共に、ややこぢんまりとしているものの、満天の星が輝き出しました。
投影機はよくあるホームプラネタリウムではなく、まさに博物館用のミニチュア版で、南天も投影できるようです。ただ、当然スペック的に全機能搭載というわけにはいかず、星座のラインなどは、手持ちのポインター的な道具を使って別に投影していました。
解説はごくごくオーソドックスな夏の星座説明。
で、夏休み中の無料投影ですから、当然悪ガキがいます。
中でもちょっと仁義にもとってるだろキミという札付きがそろそろ手に負えなくなった頃。
恐らくは他の家族連れであろう、雷親父さまの一喝が響きました。
悪ガキは沈黙、それから後は投影もスムースにいきました。これもまた、手作り投影ならではのワンシーンです。
投影の最後、それまでは静止していた星像が日周運動を始めました。星座が夏から秋に移ろい、東の空に昴がかかり始めた頃、照明が戻され、投影は終了しました。
こういう手作り感覚の投影もいいものです。高校時代に学校祭で製作したプラネタリウムのことを懐かしく思い出しました。
五藤光学の協賛があったおかげかと思うのですが、展示物の方も素晴らしかったです。
特に目を惹いたのが、重錘式赤道儀。
モーター駆動の自動赤道儀以前、巻き上げた錘が下がっていく力で赤経ウォームギヤを微動して星を追尾するという方式。さすがに実物を見られるとは思ってもいませんでした。
そして、五藤光学製M-1式投影機の各部パーツ展示。
さらに同じく五藤光学製、マクストフ・カセグレン展示。昔の天文ガイドに製品の宣伝が載っていて、それは憧れたものでした。
さらには商売敵のセレストロン鏡筒+ビクセンGPD赤道儀展示。(架台は敢えてマークXにしてほしかった……)
そしてもうひとつの展示主役、野尻抱影先生の愛機、『ロングトム』。
残念ながら架台と鏡筒がばらばらのまま、ガラスケース内の展示でしたが、やはり実物を見られたのは感無量です。鏡筒は木製の格納箱に入ったままだったので すが、その箱が高校の地学部室に転がっていたNikon製8センチ屈折赤道儀の鏡筒運搬箱そっくりだったのが、とても感慨深かったです。
午後からは、池袋サンシャインシティーのプラネタリム満天へ。
番組は『銀河鉄道の夜』、 町田での投影と打って変わって、こちらは全周投影を駆使した完全オート番組。平日の昼間だったのにかなりの盛況ぶりで、上映開始20分前でかなりの人が並 んでいて びっくり。相変わらずお綺麗なコンパニオンのお姉さまに導かれて入ったドーム内では、普段は誰も座らないような投影機の東側横に腰を落ち着けま した。それもまた一興。
番組内容は、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』をそのままなぞるのではなく、天の川を辿っていく銀河鉄道の軌跡から、要所をピックアップしてナレーションと共に 美麗なグラフィックスで魅せるという感じ。あまり余計なことをせずに、ただ美しい映像を楽しんでくださいという趣向で、個人的には好印象でした。
まあとにかく、文字通り全天を使って映されるCGでの星や機関車の美しいこと!
また、全周投影と投影機との連携がよくできていて、継ぎ目なく星像に移り変わるのが見事でした。よほどきちんと作り込まないとできないことだと思います。
途中、お子さん突然号泣→親御さんとともに退場というお馴染みのイベントもありましたが、時間いっぱい充実して楽しめました。
でも、やはりプラネタリム好きの贔屓目で言ってしまうと。
絢爛豪華なフルCGの数々もよかったのですが、いちばん心に残ったのは、コニカミノルタ製インフィニウムγ投影機が全力で星空を投影する中、透き通るような『星めぐりの歌』が流れるEDスタッフクレジットのように思いました。
素朴で賑やかな町田での投影と壮麗で快適な池袋での投影、どちらがいいかと問われれば、甲乙付けがたいと答えるしかないところが、プラネタリウム鑑賞の面白いところだなあと。
町田市立博物館の投影の方は、今日明日の追加が決まったようです。恐らく混むだろうなあと思いますが、お薦めです。ちなみに町田市には、現役のデパート屋上プラネタリウム館も存在します。
池袋満天の『銀河鉄道の夜』の方は、盛況のため(拍手!)上映延長したようですので、こちらもぜひ。