台風と選挙

台風接近の日曜日。

インスタントカレー生玉子のせと蒸し野菜

インスタントカレーと蒸し野菜、簡単な昼食を済ませ、近所の小学校まで投票に出かけた。
もうかなり風が強く、時折傘があおられるほどだった。普通なら外出は控えたいぐらい。それでもちらほらと、同じ方向に歩いているご同輩を見かける。
10月の台風といえば、自分ぐらいの歳では昭和54年の『台風20号』になる。静岡はもちろん全国的にも大きな被害が出たはずだけど、自分の中では昭和49年の七夕豪雨と共に、「なんだかみんな大騒ぎだった」という記憶しかない。今回の21号『ラン』も気象史に残りそうなクラスだけど、さりとて被害が軽いよう祈るぐらいしかできない。

靴の中が微妙に濡れるぐらいで、会場の体育館に着いた。
この天気のせいもあるんだろう、手際がいいとは言えない……というか、有り体に言ってやる気に乏しい運営に、内心『コミケでこれなら暴動起こるぞ』と思いつつも、無事投票を済ませた。『ゴミの山からいちばんマシなゴミを選ぶのが選挙』ということは重々わかっているつもりだけど、本音はやっぱり「この人/党に任せてみたい! 任せられる!」って先があったらなあと思う。

小学校の敷地に入る機会はもはや選挙の時ぐらいしかなく、ついでにそれとなく観察する。雨で田んぼのようになったグランドや、一輪車ラックや、逆上がりの補助具や、今風のキャラクターが描かれた「手を洗いましょう」の看板や、自分たちの頃に比べて随分きれいな水飲み場、それに給水装置付きのモダンなアサガオ鉢。

給水装置付きアサガオ鉢

「自分が小学生の頃にこれがあったら、あのアサガオは枯らさなくて済んだかも」
ぼんやり考えつつ、雨風に震える空鉢の群れをしばし眺める。

台風が単なる楽しいイベントで、その裏で困る人がたくさんいたことまで見えていなかった頃。
あの頃に戻りたいとはさすがに思わないけれど。
台風がただの『迷惑な天気』になり下がってしまうほどに、ココロを磨り減らしたくもない。

雨はずっと激しくなって、ちょうどいい傘の案配を探りながら、結局ずぶ濡れになって帰る。
本音を言うと、今だって台風はちょっと楽しいなあ……

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このブログ記事について

このページは、涼元悠一が2017年10月22日 17:44に書いたブログ記事です。

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