スズモトジェイピー模様替えしました&なぜかテレビに出た件&そもそも涼元はなぜ『マイマイ新子』を観に行ったのか

えー涼元です。
まずは事務的なお知らせをひとつ。
ごらんの通り、本物のブログ化しました。激しく今さらですが。
とは言え、コメントやらトラックバックやらのハイテク装備は一切省いたライトアーマー仕様の上、2006年1月以降の日記は全て移植したので、更新が極端に少ない自称Web日記であることは今までと何ら変わりがありません。
ただ一点、ブログ化に伴いトップページ以下のディレクトリ構造が大幅に変わってます。
外部リンクから直接個々のページにお越しになる場合を考え、しばらくは旧ページも(トップページを除いて)そのままにしておきますが、従前のURLに直接リンクされている場合、予告なくリンク切れになることをご理解くださいませ。「あの記事ってどこだっけ?」ってなっちゃった場合は、右カラム上の検索機能をお使いください。


それでは本題を。

えーと。
先日、テレビに出ました。
マンガ、アニメ、ゲーム、ネットの四題伽を織りこんだサブカル系情報番組であるところのNHKはMAG・ネット、その第3回、『マイマイ新子と千年の魔法』特集です。

オタク界隈に造詣の深すぎな新世紀グラビアアヰドル喜屋武ちあきさま、眼光紙背舌鋒犀利かつちょっぴりアレな(福)こと読売新聞記者福田淳さま、そしてヌル目のオタ兼大酒飲み涼元という三名が、アニメ映画『マイマイ新子と千年の魔法』について、昭和っぽいお茶の間でちゃぶ台囲んで鼎談……というか、放談しております。自分でも何言ってるのかよくわからない、大変レアな絵面です。

どうしてこんなことになったかと申しますと。
『マイマイ新子と千年の魔法』鑑賞2回目、いたく感動した数日後、うんうん唸りながら自分なりの感想をどうにか書いて1年ぶりに当サイトにアップしたところ、これをご覧になった番組製作の方が涼元にコンタクト→おののきながらも会社にお伺いを立てる→いきなりOK→公共の電波にデビュー。
……となった次第であります。

ちなみに放送日はと言いますと。

4月18日(日)23:50~(BS2)
4月23日(金)24:20~(BShi)
4月28日(水)17:00~(BShi)

この3回。
これを書いている現在、4月27日の夜……あ、もう28日だ。
なんで最初の放送前じゃなくて今言うわけ? という疑問はごもっともです。

涼元第2放置場ことmixiと、ようやく雛毛が生えてきたのでわけもわからずさえずっているTwitterでは初回前にちゃんと発表してたんです。
でも、ここではまだ言ってなかったのにさっき気づきました。嘘です。言おう言おうとは思ってたんです。でも、色々と心の葛藤があり、逡巡するうちにこうして転校当日を迎えてしまったんです。好きです。転校はしちゃいますけど僕と交際してください。的な。


……はい、単に恥ずかしかっただけです。

そしてただでさえ恥ずかしかったのに、番組内ではダメすぎて使われなかった(被害妄想)お蔵出しトークが、まぐステプラスモアで公開されています。恐れていた通り、一部スーパー涼元タイムと化してます。さっきちらっと確認してのたうち回ってました。そして今は酒飲んでます。こうかはばつぐんだ。



さてさて。
この椿事のきっかけとなった『マイマイ新子と千年の魔法』ですが、聞いたことがない、もしくは知っていても興味が湧かないって人が多いんじゃないでしょうか。

涼元もその一人でした。
最初に目にしたのは、『昭和風の女の子二人が、自然の中で笑っている』という宣伝用ビジュアルイメージと、「文部科学省特選」のお墨付き。
職業柄、アニメーション作品については、全て観には行けないまでもなるべく情報収集しているんですが、『マイマイ新子』の場合はこの時点で「あーはいはい、子供らしい純粋さで友情を育んで社会悪を憎んで立派な大人になってついでに自然も大切にってアレですね」ってなもんで、完全にスルーが決定しました。
つまり、よくある「児童向け啓蒙啓発映画」だと思ったわけです。

子供の頃も今も、大人の都合からの『下心』が詰まったエセ児童文学は大嫌いですし、自分の父母からしてそういうものを子に与える気は全くありませんでした。
かくして、新子ちゃんと同じ小学生だった涼元少年は、実家の書棚から『月と6ペンス』とか『どくとるマンボウ青春記』とか『モオツァルト・無情という事』とかカッコよさげなタイトルの本を何の脈絡もなく引き出してはぱらぱらめくり、「……わかんないけどなんかカッコイイ気はする」と思いっきり背伸びした読書を強いられる羽目になりました。
今思えば、それがもの書きとしての下地になっているわけですが。

……話が逸れました。
次に『マイマイ新子』の話題に触れたのは、GIGAZINEの記事で、上映存続の署名運動がされていることを知った時だったと思います。
これも最初は「へーそうなんだ、よっぽど教育効果が高いのね」と失礼ながら眉唾で読んでいたのですが、ひっかかる記述がありました。

署名活動を始めたのはライターの廣田恵介氏。
涼元はライターというより、脚本家としてお名前を存じ上げていたのですが、名のある方がマイナーな作品への傾倒を隠さない……どころか、率先して署名活動まで繰り広げちゃうというのは、かなり度胸がいることです。下手をすれば、「見る目がない」と言わてその後の活動に影響を及ぼしかねないわけですから。

おやっと思い、周辺事象をさらっと調べてみたら、『マイマイ新子』に思い入れている人は他にもたくさんいることがわかりました。
曰く、何度も映画館に足を運ぶ人がいる、中年のオヤジが年甲斐もなく泣いている。ぜひ子供にも見せたいと言っているお母さん方……
「母親が子供に見せたくなる」なんて、これも下手をすれば胡散臭さに直結なのですが、そう言っておられるのがいわゆる教育熱心なママさんたちではなくむしろ逆、「子供に与えたい作品だから」というより「自分が観て感動したから」ときっぱり言っている。
不遇な作品への判官贔屓を差し引いても、これは尋常ならざる事態です。
ただ、マイマイ新子ファンのみなさんが何に感動し、思い入れているのか、この時点ではサッパリわからなかったのですが。

とにかく自分で確かめなければと思い、近隣の映画館を検索し、ワーナーマイカル茨木での上映最終週に何とか間に合うことが判明。
いそいそと赴き、あまり観客がいない中、半信半疑で鑑賞開始。
その結果……
ものの見事にコロっとやられちゃったわけです。
シネ・ヌーヴォで2度目の鑑賞、シネ・ピピアで3度目、挙げ句、会社有志を募ってマイマイ新子鑑賞ツアーを敢行。変な風に勢いがついてしまい、久しく遠ざかっていた美術館通いまで再燃しそうな気配。今は世の中にあるいいものが見たくて見たくて、ウズウズしています。



今回の件で強く感じ、また肝に銘じ直したことがあります。

興味がないジャンルだからと、最初から捨ててかかるもったいなさ。
少しの情報と先入観だけで、その作品を理解した気になる不遜。
「人気がないから価値もない」という御しがたい誤解。
価値は自分から見つけるもので、受け取ってみなければ絶対にわからない。

わかっているつもりだったし、実際、自著で偉そうに講釈垂れたりもしたのですが、『マイマイ新子と千年の魔法』のおかげで、知らず知らずについていた目垢を落とすことができました。
内容の素晴らしさと併せて、いくら感謝してもし足りないぐらいです。



褒めすぎると逆に引いちゃう方もいるでしょうから、このぐらいにしておきます。
って、もうやりすぎな気もしますが。
最後に駄目押しでもうひとつだけ。

この『マイマイ新子と千年の魔法』ですが、ロードショー当初、興行的に思わしくなく、メディア化さえ危ぶまれていたそうですが、このところの草の根的盛り上がりのおかげもあり、DVD発売が正式決定したそうです。プロデューサーさまの熱いお言葉が、公式ブログで語られています。
でもやっぱり映画は映画、大スクリーンと音響設備、そして観る前のワクワク感や観た後のふわふわした気持ちのまま家路を辿るあの時間を含めての作品ですから。
その辺を含め、最後に一言。

これから初めて映画館で観る人がうらやましくてしょうがない。

ではでは、今回はこのぐらいで。
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このブログ記事について

このページは、涼元悠一が2010年4月28日 00:49に書いたブログ記事です。

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