2006/01/01 モの付く自由業&泥縄お仕事募集&サンプル小説公開のお知らせ |
えー、涼元悠一@あけおめっていうかご無沙汰しすぎです。 昨年は公私共身辺にいろいろとありすぎまして、拙WebPageもほったらかしの体たらくだったわけですが。 ここらで心機一転、再スタートすることにしました。 そんなわけで、suzumoto.jp初お目見えであります。仕事情報やネタ的文章だけでなく、ご要望の多い文章や演出技術関係のこととか、その他日々の細かなこともつらつら書いていこうと思います。 まずはサクッと重大発表を。 会社クビになっちゃいましたー。てへっ。 ……いや、ホントですって。 現在もの書き涼元悠一は、名実共にフリーに舞い戻っております。朝寝する自由とか朝酒する自由とか風邪引く自由とか飢え死にする自由とか、色々あってもう毎日ウハウハです。 つっても実際問題、VAの鳥のさんやらいたるさんやらとフツーに飲んでいたりもするので、なんだかなあという感じではありますが。 そういうわけで、泥縄気味にこの場でお仕事を募集させていただきたく思います。 簡単ですが以下に釣書を。
こんなところであります。 とは言え、最後に長編小説を書いたのははるか昔ですし、社員でやっていた頃の経歴を並べ立てたところで、今現在の環境でどんなものをどんな質どんな速さで書くかわからないと意味ないよなあと思いましたので、評価用サンプル作品(小説)を用意してみました。 本来18禁ゲーム用の企画として考えていたものなのですが、小説にするにあたりその辺の制約はとっぱらいました。おかげで主人公は17歳、ヒロインは10歳と思いっきり年齢明記で書きまくっています。しかも主人公まで女の子だし。百合っぽいし。ロリっぽいし。 ちなみにプロットは何話分かありますので、本にできるぐらい貯まったらどこかに持ち込んでみようかなと思ってはいますが……どうなることやら。 とりあえず、1月いっぱいは晒しておこうと思います(2/6追記 終了しました)。下のファイル名もしくはこのページ最下部の宣伝テキストを右クリック→ダウンロードしてお読みください。再配布は自由ですが、配布に当たって配布者が対価を一切受け取らないこと(販売はもちろん、 手間賃とか通信費とかメディア代とかもダメ)と、ファイル名を含め、全内容を一切改竄しないこと(印刷して数ページだけ誰かに渡すとか、誤字があったから自分でテキストに起こして直しておきました、などというのもダメです)、涼元悠一の著作権をフツーに尊重することが条件です。 もちろん、業界関係以外の方のダウンロードも大歓迎なので、どうぞこの機会にひとつ。よろしけば感想などいただければ感謝感激であります。
というわけで、なにかお仕事ありましたら、どうぞ涼元までお知らせください。着手時期や仕事の規模等によってはお受けできないこともあるかと思いますが、とりあえずどうぞお気軽に。 (とりあえず、現時点では2006年4月末まで決まっています) ではでは、もの書き涼元悠一、今後ともより一層のご愛顧をお願いします>皆々様。 涼元へのメールはこちらまで、何なりとお気軽にどうぞ。mailto:zumo@myad.jp 申し訳ありませんが、私用のためお返事は1月9日以降になってしまうかと思います。仕事関連のことでお急ぎでしたら、その旨お書き添えください。 |
2006/01/12 新米外注、古巣に打ち合わせに行くのまき |
株式会社ビジュアルアーツ社長様から「ホントのことなら何書いてもええ」とお墨付きをもらいましたので、以下、濃いめの涼元フィルター装備でお送りします。 馬場社長(以下VA)「とにかく、例のアレや」 涼元外注(以下涼)「例のアレですか。なんだか景気のいい話をメールでもらいましたが」 VA「アレなあ、実を言うと△△△が○○○○で××××することになりそうなんや。そないなわけやから必然的に□□□が☆☆☆☆☆☆でないとならんちゅーわけや。どないや?」 涼「……どないも何も、俺が最初聞いてた時から話がやたら大きく、かつ締め切りがメッチャ前倒しになってるんですが」 VA「そないなわけでなあ、キミにはバリバリやってもらわんとならん」 涼「いやそう言われましても、今月来月と他の仕事が……」 VA「四の五の言わんと、やることやらんかいっっ!」 涼「えええええっ!?」 VA「あんさん、クビになったぐらいで、ビジュアルアーツとの付き合い終わった思たらあきまへんで〜? ソフ倫が許しても、この馬場隆博、地獄の底まで追いかけるっちゅーこっちゃあ!」 涼「……あっ、あんた鬼や、悪魔やあああっ!!」 ……というわけで、今日からここはあからさまにオーバーワークの外注涼元悠一が日に日に弱まっていくのを生温かく観察する日記になりました。 涼「らめっ、死んじゃうっ! この仕事量だとマジでしんじゃうぅっぅぅうっ!」(殴) |
2006/01/13 ねこ&メールな一日(&結局飲む) |
本日の予定、ご挨拶と打ち合わせが一件。 少し早めに自宅を出て、川沿いを散歩がてら猫ハント。ていうか撮影。 ![]() ![]() ![]() 大漁だったので調子に乗ってシャッター押しまくっていたら、危うく打ち合わせに遅れそうになったのはナイショな方向で。 会見終了後、元来た道をそのまま歩いて引き返す。時間に余裕があると猫いない。涼元悲しい。 色々あってトラブってしまった新名刺作成を近所のハンコ屋さんに依頼。その後コンビニで適当に食糧を買って帰宅。 ツナサンドイッチとなにやらイタリアンなカップヌードルと……うあっ、なぜかハートランドが!? しかたがないので飲む。 その後午後一杯、各所にメールお返事を出しまくり。 一体ここ十日ぐらいで俺は何通メールしているのだろうと確認してみたところ、一瞬気が遠くなりそうに。 夕食は自作の豚冷しゃぶサラダに温泉玉子を乗せて。レタスがありえない値段だったのでサニーレタスで代用したら、やっぱり物足りない。ていうか、サニーレタスすら高いし。 その後も続行してメール処理をしつつ、昨日特急で入ってきた件のアイディアクラスタを頭の中でころころ転がしてみる。うまくまとめられそうな気もするけど、いかんせん期間がなあ……まあやるしかないと覚悟する。 一段落してスケジュール確認。今週末はどうにか余裕ができそうな気配。あんまり詰めてもあとで辛くなるのは見えているので、適度に息抜きしつつ楽しくデスマーチしようっと。 ……と、ここまで書いたところでVA東京のシナリオライター丘野氏から電話。 今日新年会で来阪していることは知っていたので、「いつまでいるん? なんなら飲まない?」と言うと、今まさに二次会の真っ最中とのこと。 「わかった。じゃあ俺も行くわ」 即断で答えている自分。 40分後。VA有志に混じって生ビールをぐびぐび飲んでいる自分を発見する。 さらに河岸を変え三次会に流れる。 生ビール3杯、マッカランストレート、レッドアイ、シャンディーガフ イカ煮付け、のれそれ、ガーリックトースト、チーズ盛り合わせ、ナッツ、豚トロ焼き 5時50分帰宅。 「今週末の余裕」とやらをたった今使い果たしてきた自分を発見する。 _| ̄|○ |
2006/01/15 ちょっとだけ連絡をば&レプトケパルス萌え〜 |
涼元@ぼつぼつ執筆モード移行です。 今日はいくつかお知らせのみで。 ●お仕事の件なのですが、同人誌へのお誘いは現状では原則お受けできません。すみませんです。 ●拙作ナハトイェーガー、おかげさまで当初予想を大幅に超えたダウンロードをいただいております。「続編を!」というお声にお応えできるかどうかはアレなのですが、可能ならちょっとしたお礼企画をできればと考えておりますので。 ●メールのお返事やや滞っています。もうしばらくお待ちいただけますと幸いです。 これだけだと味気ないので、今日の晩酌写真でも貼ってみます。 ![]() てっさ、のれそれ、そして賀茂鶴純米冷酒。 河豚が安いのも、のれそれがスーパーでフツーに手に入るのも、関西にいる幸せだなあと。 |
2006/01/21 あの頃の君はピカピカに光っていたなあ……&Uがふたつになった理由 |
涼元@世間を賑わすあのニュースに釘付けモードっす。まさに青天の霹靂。涼元も多々お世話になってきた企業の話ですので、他人事には思えません。 コニカミノルタカメラ事業撤退! ……読まれてましたか。すみません。 現在の涼元主力猫撮り機はPanasonicのFX7なのですが、実を言うとDiMAGE X1も所有しています。でも……正直、ちょっとアレな使い心地であります>X1。お世辞にも使い良いとは言えない無意味につるっとしたデザインのためのデザインとか、せっかく手振れ補正を搭載して低光量撮影に強そうなのになぜか最高感度が200とか、今まで使ってきたデジカメの中で最悪に印象の悪い液晶とか。とても他人様にお勧めできるものではないなあというのが、使ってみての率直な感想であります。 コニミノ撤退の原因は色々あるんでしょうけど……ミノルタ系のコンパクトデジカメに限って言うなら、せっかくの屈曲光学系が売りとしてきちんと生かせなかったことはもちろん、「素人に使わせるならこのぐらいでええやろ」という感じの、ユーザーを軽んじる姿勢が見え隠れしていたことが大きいように思います。手振れ補正機構なんかより手振れ防止によっぽど効果的なシャッタースピード表示が結局搭載されず終い、Xt→Xgでの不可解なスペックダウン、Xnn系のあまりにもアレなデザイン……枚挙にいとまがありません。痒いところに手が届くベストセラー機FX7に比べてしまうと、「痒くても我慢しろ」と高飛車に言われてるようで、昔からのファンでさえ気持ちが萎えてしまいます。 もしもifがあるなら、Xgに屈曲光学系デジカメ最強のスペック&イケてるUIを詰め込み、さらに宣伝にうんと金をかけていれば違っていたんではないかなあと。あの時がおそらく、『ミノルタ』という老舗のネームバリューが通用した最後のタイミングだったように思えてなりません。まあ、涼元がミノルタを見限ったタイミングなわけですが。 ともあれ、高一の時SRTスーパーから始まった涼元のカメラ遍歴の中に、ミノルタのカメラが登場することはもうないのかと思うと、ちょっとしんみりとしちゃったりしております。「AマウントのSONY機を買えよ」というツッコミは無しの方向で。 閑話休題。 お問い合わせと言いますか、ご確認のメールをいただきましたので補足をば。 涼元悠一のローマ字読みなのですが、現在はYUUICHI SUZUMOTOとUを二つ繋げて表記しております。これはなぜかと申しますと、最近色々あって外国の方からメールをいただく機会が増えまして、みなさま日本語でメールを書いてくださって感謝感激なのですが、それによるとどうやら非日本語圏では、『涼元悠一』の読みは『すずもとゆいち』と認知されていることが判明しまして……あわてて訂正&再認知に走っているという次第であります。 ×YUICHI SUZUMOTO ○YUUICHI SUZUMOTO なのでひとつよろしくお願いします、はい>諸外国の方々。 それは兎も角、中国の方からメールをいただいたのにはかーなりびっくりしました。危うくSPAMとして読まずに捨てそうになりましたが、どうにか気づきました。謝謝! |
2006/01/26 まだ見ぬ新型くろねこ&あげたかったのはマサニコレ〜 |
涼元@プチ修羅場なので近況短信モードでひとつ。 某日、実家に電話。フランス帰りの涼元姉が出る。開口一番、 姉「くろねこがいるのー」 涼「そりゃ、いるでしょ。くろきちが」 姉「あんなグータラねこじゃなくて、うちの近所のねこスポットあるでしょ、あの廃屋の」 涼「あーあー、あそこね」 姉「あそこにねー、すっごいちっちゃいくろねこがいるのよー最近。近づいても逃げないし、よっぽど持って来ちゃおうと思ったんだけど」 涼「……それってめっちゃ猫さらいな気もしますけど」 姉「そうなのよー、親猫がちゃんといて見張ってるから、なかなかチャンスがなくてー」 涼「………」 姉「それでねー、この際だからうちのくろきちと交換して来ちゃおうかと思ってるんだけど」 涼「やーめーてー」 とりあえず、乳離れしたらきちんと親猫にも話をつけてから来てもらうようにと進言する。新型機に下取り交換される危機も知らず、テレビの上で寝ているくろきちのことを思い、ちょっぴり憐れを催す涼元。ていうか、くろきちのよだれのおかげで調子が悪いテレビをまずなんとかしましょう>実家。 某日、かねてより考えていたプランを実行に移す。 ブツは巷で話題のアレである。一目見た時から欲しくてたまらなかった。いや自分用にじゃなく、小洒落たプレゼント用に。 残念ながらトラウマを植え付けたくなるようなこまっしゃくれたお子様は知り合いにいないので、手近なガンダムの偉い人の誕生日に宅急便でサクッと送り付けてみた。 某日、電話での打ち合わせがてら、それとなく訊いてみる。 「どうでしたか、アレ?」 「あーあーアレですね。えーと……正直微妙でした」 「とりあえず品名欄には思いっきりガンダムと書いておきましたが」 「やっぱりそこはガンガルと書くべきかと」 「あっ、そっか! そっちの方が二段オチでいい感じっすよねー」 「どっちにしても微妙ですが」 「そうですねー」 (脱力系笑い×2) 所期の目的を達し涼元大満足。 しかし後から考えると、自分で自分の首を絞めただけなんじゃないかという気がしてならない。ホントすみませんです>駒都先生。 |
2006/02/01 ナハトイェーガー好評感謝企画のお知らせ |
涼元@そろそろ尻に火がつき中ですー。 拙作ナハトイェーガー、おかげさまで好評をいただいております。 当初は『1ヶ月で1000ぐらい行けば御の字かなあ』と思っていたのですが、現状で10000を大幅に超えるという、個人サイトが配布する小説としては望外どころではない数のファイルビジットをいただき、目を疑うやら嬉しいやらで書いた本人舞い上がっております。また、「続きはいつ&どこで公開なのですか?」というお声も多々頂いているので…… ご愛顧に感謝し、2大(自称)企画をブチあげてみることにしました。 ●公開期間5日延長!(終了しました) 当初は1月末まで公開の予定でしたが、ご好評にお答えし2月5日(日曜日)の24時まで、ナハトイェーガー 〜菩提樹荘の闇狩姫〜 の公開期間を延長することにしました。まだお読みになっていない方、ぜひこの機会にどうぞ。 このページ右or下のDie Nachtjägerなる文字列上で右クリック→保存でお持ち帰りできます。 ●5日間限定! 特別短編公開!(終了しました) ナハトイェーガー本編に続く短編、『幕間U』を5日間だけ公開します。ただしこれは順序的には2話目の後に挿入される幕間劇なので、まだ本編に登場していない謎のドジっ娘メイドキャラがちょこっとだけ出てきたりもしますが、敢えてそのままお目にかけます。今後の改稿状況によっては存在ごとなかったことになる可能性がある(殴)、はっきり言って超レアなストーリーです! 下のファイル名を右クリック→保存でお持ち帰りください。
ではでは、 取り急ぎ御礼&お知らせでした。 |
2006/02/09 ナハトDL終了御礼&美術展、引っ越し、一太郎、疾走するかなしさ |
涼元@最近買い物と晩酌以外で外出してないなあです。 ●まずは御礼を。 1月1日から2月5日までの間公開しました拙作ナハトイェーガーですが、おかげさまで合計14771のファイルアクセス、純転送量で9797ものダウンロードをいただきました。本当にありがとうございました。 ご意見ご感想も多々いただいたのですが、「続きを!」というお声にいつかどこかで応えられるようにしたいなあと思っています。だいたい、まだメインキャラが出揃ってないわ、話が全く進んでないわという体たらくですし。 っていうかお茶目なドジっ娘メイドとか18世紀後期のケ・ド・ ロルロージュ界隈とか弓道部一同で温泉合宿でドッキリとかナチスドイツの戦闘機械な女の子を早く書きたい〜。 ナハトに関しましてはもともとサンプル作品として書いたものですので、お仕事依頼の評価用のテキストが必要であるとか、どうしてもお読みになりたいという場合は涼元にサクッとメールいただければアレしますので。 あと、前のサイトで掲載していたものもおいおい復活させていく予定です。しばしお待ちを。 ●結局ミュシャ展行けなかったっす。かなしい。 デルヴォーとマグリット展は万難を排してでも行きたいところですが…… ●引っ越しをしたいと目論み中。 最近拘置所暮らしの堀江容疑者がいかに惨めかを微に入り細に穿ち報道することにより市井の小市民たちの溜飲を下げるのが流行っているようですが、涼元が今住んでる部屋はガチであのぐらいの広さです。テレビもネットも自由に見られる独房。VA折戸氏と会うたびに「涼元さん、引っ越ししましょう!」と力強く言われます。 ●新型一太郎はどうしようかなあと。 基本的には執筆にはWZEditor5を用いているんですが、最近は紙媒体前提の場合は、WZで章ごとに下書きしてから一太郎2005上で仕上げるようになりました。 涼元の書き方が当て字的なルビを多用する手法であるってのがいちばんの理由なんですが、最終的に縦書きで世に出るものなら、もともとそのフォーマット(43×17とか)で書いた方がページを一見した時の印象まで意識して書けるので。まあ、実際には無茶なルビ振りをするとその行だけ文字数が変わってしまうので、完璧に最終紙面の通りというわけにはいかないのですが。 今までもジャストシステム様にはさんざん貢いでいるので、ヴァージョンアップはやぶさかではないものの、2005→2006にはこれといった機能アップがないように思えるので迷ってます。 実際問題、買ったはいいけど結局ほとんど使わなかったものもあるし。一太郎ダッシュとかドクターマウスとか、ご祝儀で買った一太郎文藝(笑)とか。 敢えて言ったら文章比較の強化とモノルビだけど……どうなのかなあ? jtdファイルで入稿できる場合、もの書き側でモノルビにしといた方がやっぱりベターなんでしょうか?>編集様各位。いや、ここで訊いても>自分。 ●ここに飲みに行きたい、強烈に行きたい〜。 ……と書いて思ったけど、自分は『酒を呑む』という表現に違和感を覚えてしまいがちです。『呑む』というのは酒ごときじゃなく、もっとものすごいものを丸ごと飲み込むような時に使う言葉なような気がして。蛙をひと呑みとか、雲を呑むとか。そりゃワンタンだって。 以前の開発中に、各シナリオライター間で表記揺れを統一するというフェイズがあったのですが、涼元だけが無駄に書き分けていた『寂しい』、『淋しい』、『さびしい』を一括して『寂しい』に統一することになってしまい、それこそ寂しい思いをしたことがあります。この辺りの言語感覚というのはかなり個人差があるので、当然ある基準を決めたらそれに統一するべきで、そこに関して文句はないのですが。 例えば、小林秀雄の書いたところのモオツァルトの『かなしさ』は、『悲しさ』でも『哀しさ』でもないというのも、譲りようがない真実なわけで……そんなことを考えたりしながら、ひとり言葉と取っ組み合いしている今日この頃であります。 モオツァルトは、目的地なぞ定めない。歩き方が目的地を作り出した。彼はいつも意外な処に連れて行かれたが、それがまさしく目的を貫いたという事であった。 |
2006/02/11 いくら丼が食べたかったな〜 |
午後1時起床、コーヒーで目覚まし後、ネットで資料を漁りつつ3時間ばかり執筆。 午後4時、今書いているものの後半部分の流れを固着するべく散歩。 歩道に出るなり、なぜかいくら丼のビジュアルが頭に浮かぶ。それもただのいくら丼ではない。グルメ番組でよくあるような、調子に乗った店主が「うちはいつもこのぐらいですよー」と口から出任せを言いながら腕も折れよとイクラをかけまくって、オーバーオールを着た巨漢タレントが「おいおいそんなに盛ったらシャケ絶滅しちゃうよー」と愉快にコメントするあれである。 こうなっては仕方ない。ちょっと早いけど夕食はいくら丼に決定。 進行方向を京橋に変更し、いくら丼を食べさせてくれそうな店を探す。だが見あたらない。というか、そもそも海鮮丼を扱ってるような店自体がほとんどない。居酒屋なら駅前に巨大隕石が落っこちても2、3軒ぐらい平気で営業してそうなぐらいあるのに。ダメだぞ京橋。 そうこうしているうちに、もはや頭の中はいくら丼でいっぱいに。(参考ビジュアルイメージ) 魔界都市をさまよい歩くこと1時間、行く手になにやらおどろおどろしい塔を発見、さっそく探索を開始。 建物内部がびっくりするほど無駄に吹き抜けになっているダンジョンを右にうろうろ左にうろうろした挙げ句、3階の奥地でついにあの伝説の海鮮丼専門店、ザ・どんを発見! 本誌独占公開、これが魔界の塔(参考ビジュアルイメージ)を影で牛耳るラスボス、魔王いくら丼だ! ![]() ……いえ、正確には生うにいくら丼なんすけどね。 他にもシャケいくら丼とかあまえびいくら丼とか、色々あるにはあったんですが、メニューの中でこれがいちばんいくらの含有率が多そうだったんですよ。 でもですね、なんと申しますか、俺が望んでいたものとビジュアル的にかなり隔たりがあると申しますか、下地のご飯が見えちゃってるのを海苔で誤魔化してるよねと申しますか、世間一般に「ウニいくら丼」と認知されている料理と比しても、不遜ながら言わせていただければちょっぴりしょぼいと申しますか…… ![]() っていうか、伝票に思いっきりうにって書いてあるし。 でもうにだって少なかったし。 ものの5分で成敗っていうか完食。 支払いを済ませて店を出ても、満たされない思いは膨らむばかり、右耳では黒パパイヤ鈴木が、左耳では黒石塚英彦が、「こんな店ビルごと○れちゃえ」と放送不穏当発言をリフレインしている。俺の貴重な時間を返せ、780円を返せ、あの胸のときめきを返せ、にんげんをかえせ。 きっと今のは雑魚モンスターなんだ、本物のもっとどんぶり鉢が巨大で赤いのがつやつやたっぷりかかってるやつは上の方の階で手ぐすね引いて待ってるんだと無理矢理思いこみ、とりあえず手近な酒場に入って情報収集をする。 ![]() 生中が一杯680円だったのは、やっぱり59階にいる魔王いくら丼の仕業と見て間違いないでしょう。 |
2006/02/22 いくら丼等情報御礼&planetarianパケ版出ます&最近聴いた音楽 |
涼元@もう楽しみは近所の焼鳥屋での晩酌だけです。忙しすぎて遊びに行けない〜しくしく。 それはそれとしまして。 ●まずはいくら丼絡み&酒絡みの情報ありがとうございます。ご紹介いただいたお店には、仕事の隙を見つけつつサクっと行ってこようと思います、はい。 ●planetarian 〜ちいさなほしのゆめ〜 パッケージ版、おかげさまで発売決定しております。ちまちまっと出す感じになると思いますので、確実に入手されたい向きは、お手数ですがショップ等で予約なさると吉かと。っていうか、俺も予約しとかないと。それ以前におまけ小説脱稿しないと(<おい)。っていうか、おまけとか言っといて書いても書いても終わらない〜。 ●最近なぜか、「涼元さんって普段どんな音楽聴いてるんですか?」と質問されることが多いのですが。 普段聴いているものは雑多としかいいようがない感じです。「このアーティストが好きだから全部聴く!」というのではなく、あるジャンルに凝ると何ヶ月かはそればっかり聴きます。 スタンダードジャズだったこともあるし、印象派のピアノだったこともあるし、プログレだったこともあるし、英語圏の女性ボーカルだったこともあるし、スラッシュメタルだったこともあります。その中で印象に残ったものを手元に残して常時聴きにするという感じです。 で、気に入った曲は折に触れて何年でも、何百回でも聴きます。 これは読書も同じなんですが、広く浅くではなく、ピンポイントにうんと深くというのが性に合っているみたいです。それこそ、中学生の時にエアチェック(死後だなあ)したテープを擦り切れるまで聴いて、最近CDで買い直したものまであります。そこまで聴き込むと、この季節にはこの曲、この気分にはこの曲という定番が出来上がってしまい、よくも悪くも本当に音楽が自分の一部になったような気がします。 小説とかのアイディアを得た時は、手持ちの曲ストックの中からできるだけ雰囲気の合ったものを探します。作品世界を膨らませるとっかかりに音楽は最適なので。歌詞の内容がしっくり来る場合も、曲調が合っている場合もありますが、どちらかというと詩からインスピレーションを得ることが多いです。 近作で言うと、ナハトイェーガーの時は、大貫妙子のComin' Soonを引っ張り出していました。これがまた、最初に聴いたのはまさにアルバム発表当時の1986年、つまり涼元が高校生の頃という、えらく古いものなわけです。 アルバム全体は、キャッチーで子供向けな、いかにもNHKみんなのうたで流れていそうなカラーで統一されているのですが、その中にMOMOという曲が収録されています。静かで地味な印象なので、有名どころではないのですが、とても気に入っている曲です。 海辺の小さな町の情景が、素朴で飾り気のない言葉遣いで、愁いを帯びた曲調に乗せて、しっとりと語られていきます。 どうしてか気になってる特に最後のくだりが好きです。 さよなら言わない また会えるから本当に無垢な言葉の連なりにこそ、小さな針のように痛みが埋もれている、とでも言うのでしょうか。作詞は葉山陽子とクレジットされているのですが、この曲以外で名前を見かけたことはない気がします。(変名とかなのかなあ) ともあれ、こういう女の子のことを書けないかなあ……と思いながら、初期アイディアを頭の中で転がしていました。 さて、いざ書く段になると、基本的にインスト曲をBGMにしています。日本語で歌詞が印象に残る曲を聴いてしまうと、思考をそっちに持っていかれて書いているものに影響が出る場合があるので。 ナハトイェーガーを書いている時は、F.S.Blummを流していたことが多かったです。ジャンルは……iTunesでリッピングするとElectronica/Danceとなるのですが、普通に(笑)ミニマルミュージック、もしくは環境音楽でいいんじゃないかなーと思います。ある意味でエリック・サティと同根、懐かしのPenguin Cafe Orchestraをよく言えば洗練、悪く言えばスカした感じにしたと申しましょうか。子供部屋の雰囲気、それも、『ちょっと居心地が悪いまでに調度が整っている、広くて明るい子供部屋の真ん中で、頭のよさそうな女の子がぽつんと椅子に座って、何か言いたそうにこちらを見ている』という感じが心に浮かびます。涼元的には、ですが。 Zweite MeerとSesamsamenを交互に聴いていましたが、特にSesamsamenの10曲目、leben läuft (textversion)がお気に入りです。要は、ミニマルをバックにオッサンがずーっとドイツ語喋っているというだけの曲……っていうか、曲と言っていいのかどうかもアレな代物ですが。これのおかげで頭をかなりドイツ語モードにできました。 なんだかとりとめがなくなってしまいましたが、本日はこの辺でひとつ。 ちなみに今は、かのJerusalemをヘビーローテーションしています(音はこちらで)。どうしてかはそのうちわかるかもということで。 |
2006/03/19 いくら丼リベンジ&川沿いを散歩&お仕事風景 |
アメリカの空港で「サイトシーイング?」と訊かれたら「ノー、コンバット」と答えるイカした罰ゲームを思いつきました。こんばんは、涼元悠一です。 それはそれとして。 なんだかもーむやみやたらに忙しいので、短信モードでひとつ。 ●情報をいただいたペリーのいくら丼、先日仕事の合間を縫って行ってきました。 ![]() 噂に違わぬ見事なイクラっぷり、存分に堪能できました。量はもちろん、イクラ自体の質と醤油漬けの具合が絶妙で、あっという間に完食してしまいました。お店はわかりにくい上に狭いですが、日本橋に出た時にはまた寄ってしまうと思います。イクラ萌え〜。 ●最近は外に出る機会もなく、勢いブクブクと太っていってます。まずいなあ。 そんな中でもなんとか散歩に出かけた時の一枚。 ![]() 日没直後、淀川にかかる菅原城北大橋を望む。 川沿いは涼元定番散歩コースのひとつです。冬場はさすがに寒いですが、執筆中はだだっ広くて何もない風景を精神が欲することが多いように思います。 春もだんだんと深まり、路地に花の匂いが流れていたりすると、やっぱり散歩はいいなあとつくづく実感します。 ●執筆は主に近所のファミレスでしているのですが、音声がらみというとさすがにそうもいきません。声録り前日、自宅にて奮闘中の様子。 ![]() 台詞音声を聴きつつ、気になった箇所を台本にチェックしていきます。 ヘッドフォンはKey時代からの相棒、MDR-CD900ST。折り畳みのちゃぶ台でやるか、机でやるかはその場のノリで決めていますが、最近はちゃぶ台の方が多いかも。腰にはラクなので。 planetarianの音声に関しては、実はダウンロード版完成時点で全て収録が終了していたのですが、販売形式が特殊なためとか大人のアレな事情によってお蔵入りになっていました。それがパッケージ版製作にあたり、一部を再収録してさらにブラッシュアップをかけるという、とても贅沢な仕事をさせてもらえました。ボイス担当すずきけいこ様の熱意はもちろん、本当にたくさんの方に支えられているなあと思った次第。 |
2006/04/01 planetarianパケ版について&いろいろお詫びを |
「……えっ、ピカチュウって卵生なの? マジでっ!?」 こんにちは。涼元悠一です。 多忙やら体調不良やらでちょっとテンパってたんですが、なんとか日が射してきた感じなのでちょっとしたご報告を。 ●planetarian 〜ちいさなほしのゆめ〜 パッケージ版なのですが、amazonのソフトウェアランキングでフツーに5位とかに入っていて、びっくりするやら嬉しいやらであります。ですが、初版の数は本当にアレですので、いつものKey作品のつもりで『お店に平積みになるからいいや』とか思っておられますと、悲しい思いをしがちですのでどうかご注意ください。というか、そもそも平積みできるパッケージ形態になっているのか不安だったりするのですが。 特典の小説は、自分としてはおまけではなく、planetarianという世界を形作る一部という位置づけで書きました。本編の方も、ヒロイン総ボイス化を含めてブラッシュアップを図ってますので、どうぞご期待ください&よろしくお願いします。 ●3月中はこれの余波もあり、方々に迷惑をおかけして申し訳ありません。 4月からはどうにか建て直していく所存であります、はい。 |
2006/04/12 発掘デモムービー&パケ写真&企業のシナリオ募集に応募する時の注意事項 |
今日の発見:「アスパルテ〜ム」って発音するとフランス語っぽい。 2006年版涼元アイディアファイルより(本当) どうも。いろいろ苦悩するもの書きです。 ●先日VA社長様に『planetarianパケ版なんですが、お世話になった人に配りたいのでまとまった数そちらから購入したいんすけど』と相談したところ、『とにかく数がないんやからちょっとだけならナントカしたるけど作った本人はガマンするべきやろホンマに〜』(意訳)とお言葉をいただきました。仕方がないので、足りない分はどこかでコッソリ&ちょびっと予約注文しようと思います。つっても公式通販の一次締め切りもう終わってるし。とほほ〜。 ●アールエスケイ様に、planetarianのデモムービーがアップされてるのを見つけてびっくり。そんなのすっかり忘れてましたわ。あと、BLOGにはパッケージ版の写真もちらりと。 ●この時期の風物詩としまして、ここのところ「シナリオライターになるには?」的なご質問をたくさんいただいております。個別にお答えするのもアレですので、この場で『企業のシナリオ募集に応募する時の注意事項』をサクッと書いてみようと思います。なお、キミが言って説得力あるんかい? というツッコミは貴方の胸の奥底にそっとしまっておくと吉です。 ・常時募集には注意 ソフトハウスの公式サイトにはよく求人ページがあります。シナリオの求人もちらほらと見かけますが、募集形態によって意味合いが違ってきます。 いちばん見かけるのは、応募期間を区切らずに受け付けている『常時募集』ですが……一見手軽なものの、これに受かるのは逆に難しいです。どんなにいい応募作品を提出したとしても、シナリオライターの数が足りていればまず受かりません。「このソフトハウスで仕事をしたいんだ!」と何度も何度も挑戦される方がいますが、よほどすごい実力を提示するか、ソフトハウス内で開発ラインを増やす(でもこれなら通常急募するはず)か、既存のシナリオライターが辞めでもしないかぎり、まず望みはないと思った方がいいです。 では、狙い目はと言いますと…… 1 それまで外注シナリオを使っていたブランドが、正社員としてシナリオを募集している。 2 応募期間を区切って募集している。(いわゆる急募。期間内に来なかったら外注を使う公算大) 3 最初から外注シナリオとして募集している。 なかなかあることではないのですが、このような求人なら常時募集よりもずっと有望だと思われます。3は本末転倒ですけど、状況が許すなら正社員にはこだわらないというのもアリということで。 ・募集要項をきちんと守る そもそも募集要項に合致してない応募も本当に多かったです。選考担当としては、「こいつ人の話を聞いちゃいねーな」とガッカリしながら読むことになりますし、得てしてそれらは内容もダメな場合がほとんどだったように思います。 特に、美少女ゲームのソフトハウスの場合、参考作品にはたいてい以下の2点を義務づけているはずです。 1 Hシーンを必ず含むこと 2 完成されたシナリオであること これはすなわち、『起承転結がきちんとあってHシーンも含まれた、たとえ短編でも完成したシナリオ』でなければ、そもそも審査されるに値しない、という意味です。特に、完成シナリオを提示できないのなら、応募する実力自体がないと考えるべきです。 他にもテキスト量の指定があったらもちろん厳守するべきですし、その他の条件も同様です。募集要項を勝手に無視したりゆるく解釈すれば、よくて大減点、審査の対象外になっても文句は言えません。 ・必ずちゃんとした履歴書をつける 「俺は自分の作品だけで勝負するんだ!」とばかりに、履歴書を送ってこない人も希にいます。これは問題としないところもありますが、個人的には審査の対象外とします。募集要項に合致云々より、履歴書を送ってこない人間の深層心理を考えた時、 受かった→「履歴書同封しなかったのに受かったんだから、俺はスゴい実力ってことだ」 落ちた →「履歴書送らなかったんだから門前払いされただけで、実力がなかったわけじゃない」 一見豪傑っぽく見える『履歴書なし』ですが、どっちに転んでも自尊心が傷つかないという意味で、真逆の人間性を疑ってしまうからです。 履歴書の書式に指定がある場合は、もちろんそれも遵守する必要があります。(写真添付とあるのに写真を貼っていないパターンが多いです。厳密に取ればこれも審査対象外)さらに言うなら、たとえ募集要項に履歴書のことが書いてなかったとしても、同封するのが常識だから敢えて書いていないのだ、と取るべきでしょう。(作品のみでの一次選考の後に履歴を求める形式を除く) ・二次創作物はマイナス評価になりがち 有名ゲームのパロディー同人誌や同人ゲームを送ってくる方もいましたが、これも個人的にはあまり感心できませんでした。新人に求められるのは一にも二にもオリジナリティーであって、他作に合わせて書くような小器用さではないからです。ただ、未完成のオリジナル作品と完成した二次創作なら、後者の方が価値があると取ります。その場合でも、短くていいから完全オリジナル作品も添えるのが望ましいですが。 ただ、本当に即戦力のアシスタントを求めているところに綺麗に作った二次同人誌を送ったら、サクっと採用される可能性もありますが。背に腹は代えられませんので。 ・年増は絶対に不利 履歴書内の項目で参考にするのはズバリ、年齢と職歴です。 まず年齢ですが、若い方が絶対に有利です。 ぶっちゃけて言いますと、上司となる人間より年上な新人は通常厳しいです。業界そのものが若いので、携わる人材も若い方が多いです。主戦力は20台後半から30前、上限でも30代半ばというところだと思います。職場によって若干の違いはありますが、年齢制限で30歳ぐらいと書いてあっても、実際は20代後半なら、それだけで事実上選考外になってしまう場合もあるかもしれません。リーダー格の人間(小さなところでは社長の場合も多いです)が若い場合は特にそうなるでしょう。 ・前職は問われず、業界人は一長一短 職歴に関してですが……まず、専門学校出のアドバンテージはありません。卒業直後なら通常の新卒者と全く同じ扱いになりますし、昔に卒業または中退していても全く関係ありません。むしろ、専門学校出身者=使えないと最初から決めつけている風潮さえ一部にあります。(厳しくてすみませんが、本当のことなので。この辺りの事情については『鈴木みそ ゲーム 専門学校』で検索すると出てくるかと) 同人誌活動歴を書き連ねる方もいますが、これもほとんど意味がありません。 同業からの転職の場合は、一長一短でしょう。即戦力を期待される一方で、『前の会社で何かあったの?』と思われるでしょうし。 個人的には、ゲームと全然関係ないジャンル(いわゆるフツーの会社)で数年の勤続歴がある20代前半の人というのが、いちばん有利かなと思います。ただ、これとは全く逆の考え方で、むしろ新人&同人活動経験者大歓迎!ってところもあるので、一概には言えませんが。 ただし、履歴書の内容は応募作品そのものに比べればほんの参考程度です。同じぐらいの実力の人間が応募してきたら若い方が有利、ぐらいだと思ってください。 ……こんな感じでしょうか。 総じて、同じシナリオ募集でもふたつのパターンがあるように思います。 1ソフトハウスの中核になるシナリオライターを育てたい。 2メインシナリオの手伝いをするアシスタントが欲しい。 前者の場合は、若くてオリジナリティーのある人材が求められ、後者の場合は器用に書ける経験者が求められます。自分が応募しようとするソフトハウスが、どちらを必要としているのか見極めるのが重要です。公式サイトの開発日誌を読んでスタッフ構成や開発体制を類推したり、Webで情報を集めるのも大切でしょう。 そしてもちろん、応募作品がいいものでなければ話にならないわけですが。 その辺りに関しては、また近いうちに別のところで述べたいと思います。 最後にもうひとつ。 企業に所属し、企画者として作品を製作するなら、それは創作活動である以前に営利活動です。『どこかのソフトハウスに潜り込んだらなんとかなる』ではなく、『売れない物を作ったら切腹』ぐらいの覚悟で臨むべきだと、個人的には思います。 |
2006/04/29 planetarian発売御礼その1(凸っぱりの件) |
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涼元@性懲りもなく病み上がりです。なんだかもうだんだん体がよわよわに。 本日……じゃなくて、昨日はplanetarian 〜ちいさなほしのゆめ〜 初回限定版の発売日でした。おかげさまで出足もいいようで、amazonソフトウェアランキングにおけるこのところの仮想敵、『ファイナルファンタジーXI アトルガンの秘宝』 拡張データディスク (Windows版)も見事打ち負かして1位を獲得!(06/04/29午前4時現在) ソードフィッシュ雷撃機で戦艦ビスマルクに魚雷を当てたかのような、まことに清々しい気分であります。この場合は史実と違い、相手は雷撃されたことすら気づいてない気もしますが。 ●『凸っぱり』こと初回特典小説本について。 デザイン担当SaQ:Ra氏と社長の間でこんなやりとりがあったと想像します。 「本をつける件なんですが、こんな感じで外枠をつけて、ゲームの箱と同じ面積にして……」 「そんなもん要るか、アホ!」 「……はい?」 「これをこうパパっと重ねてな、ガーっとシュリンクかませばええやんか」 「……えーとあの、ですがそれだと店頭で平積みしにくいですし、シュリンクかけた時に密着しないと思うんですが」 「わからんやっちゃなあキミは。深夜の通販観てみ? 洗剤10キロにもう5キロやで? ハナから15キロの箱で売ったらそんなもんだーれもありがたがらんやろ? オマケっちゅーのはなあ、いかにも取って付けたようやってとこがミソなんや。ようはデッパリや。不自然にばいーんぼいーんと出っ張ってこそ、お客の股間にガツンとアピールするっちゅーもんや!」 「……………」 ……… …… …
というわけで、planetarian初回限定版パッケージングの見所は、無理矢理なシュリンクパックはもちろん、積めば積むほどピサの斜塔のように傾いていく今流行りの耐震偽装仕様、あるいは賽の河原仕様ということでひとつよろしくお願いします>関係各位。 ……つーか、ホントにすみません、はい。 積むほど店頭に並ばないという説もありますが。 重ね重ね申し訳ありません。いやシャレじゃなく。 それはともかく。 小説本の方は、SaQ:Ra氏のデザインワークに涼元が細かく口を出しつつ、さらに実際の編集作業担当のパラダイム様にご尽力いただきました。長くもの書きをしていても、本の細部にまで著者の意向を反映できるなんて機会は普通ありませんので、本当に希有な体験をさせていただきました。 涼元自身が実物を見たのはサンプルを拝領してからなのですが、目次や奥付から遊び紙、栞の紙質まで、丁寧な仕事をいただいて感無量であります。特に個人的には、ルビの拗促音がちゃんと小書きになっているところが非常にポイント高いです。技術的には可能でも慣習的に拗促音を大文字とする出版社がまだまだ多いんですが、涼元のように当て字ルビを多用する書き手にとって、これは死活問題ですので。 そしてもちろん、駒都えーじ先生書き下ろしの章扉絵も見所です。これも(小説本編を読んでいただければわかるのですが)絵描きさまにとっては困った難題が混じっていたのに、絶妙な感じに仕上げていただきました。 関わってくださった方々の仕事ぶりの賜物である特典小説なのですが、すでに初回限定版はロットアップ(生産終了)している上、店頭在庫もかなり厳しいということです。ですが、通販ならまだあるところにはあると思いますので、この機会にぜひご購入を検討……っていうか、検討する間もあまりないので勢いでポチっといっちゃってくださいませ。ぜひぜひよろしくお願いします。 しばらくはplanetarianパケ版発売浮かれ記念ということで、後書き代わりにこの手のことを書こうと思います。次回はプラネタリウムについてでも。 それでは。 |
2006/05/05 OTSUとは『折戸伸治は歌わない』の略です。嘘ですが。(OTSU#01涼元視点なレポート) |
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第一回OTSUビンカン選手権
5月3日午後、まだ体調が恢復していないものの、Key Sounds Label&ゲームミュージック系クラブイベントOTSUをご訪問。 入場前の会場に足を踏み入れると、既に爆音でChicaneが流されていて、大層カッコイイ雰囲気。それはいいのだけど、正直な第一印象は…… 「……これ、300人も入るの?」 そうこうしているうちに、いかにもな白スーツで社長が到着。いきなりお褒めの言葉をいただく。しばしplanetarian小説の細部解説をした後、小説本に関しては初回だけでは惜しいので何とかしたいですよね、などと話す。とは言え、パッケージあっての補完という線で内容整えちゃったからなあ。どうしたものか…… やがて入場がはじまり、サイリウムを配るのをちょっぴり手伝ったりした後、折を見て楽屋を訪問し、MELL様にご挨拶。 紹介が済むなりいきなり両手をぎゅーっと握っていただき、なんというか役得という言葉を実感する。第一線で活躍する方はオーラを発しているものだけど、今まで会ったどの人ともちがう存在感……無理に喩えるなら、野生の猫のようなお方という印象。可愛いらしいのにどこかワイルドで、談笑している時でさえ感性が油断なくどこかを狙っているような……ああ、これが『歌姫』ということなんだなあと納得する。 その後も入場が続く。ていうか、やっぱり観客数と会場のキャパが合ってない気が。サイリウムを配る場所さえなくなり、歯磨きチューブの後ろから歯磨き粉が漏れちゃうみたいな感じで受け付けに移動。人出が必要になった場合に備えて待機する。 定刻に開演。モニターを見ながら、居合わせたシナリオライターの面々やCGさんたちとああだこうだと雑談。途中、具合が悪くなった方に声をおかけしたり、すし詰めの会場から逃れ「トイレはどこですか?」と訊いてきた方に、「すみません、中なんです」と無情に宣言して絶望させるなど、成り行きでお客さま対応担当に。 やがてMELL様登場。会場大ヒートアップ。 どうしても聴きたい歌があったので、無理を言って料理カウンターの中に入れていただく。 曲がはじまり、歌声が流れ出す。足がどこにもついていないような、自分がどこにもいないかのような、陶然とした感覚を味わう。 やがて終わった時、後ろにいた社長が手を高く掲げてくれた。すかさずハイタッチ。緊張と高揚が去り、とりあえず一仕事終えたなあという満足感に包まれる。 その後もしばし鑑賞させてもらう。 折戸氏と高瀬氏のゆかいな小芝居から、堂々のDJプレイ。 時折デジタル一眼レフ二挺を提げた目つきの鋭いメイドさんがやってきては、調理場のカウンターにひらりと飛び乗って望遠レンズで折戸&高瀬をスナイプ、颯爽と去っていく。ここはどこのブラックラグーンですか? そして再びMELL様登場。 聞き惚れていると、そっと呼ばれてまたお客さま対応にしゃしゃり出ることに。 全てのお客さまが退けた後、受け付けで撤収準備。 社長に声をかけていただいたので、そのまま打ち上げに参加。全てを出し切って抜け殻状態の折戸氏や、荷運び要員として車で来たため酒が飲めず、でくのぼうと化している鳥の氏を尻目に美味しいビールをいただきつつ、余韻のお裾分けに預かる。あと、ご挨拶もいくつか。 一次会が終わり、当然のようにそのまま二次会へ同行。結局始発まで飲む。 その後帰宅&爆睡。 ……というわけで、旧知の顔や音楽屋さんたちのバイタリティーに触れ、実に実に充実した晩でした。それにやっぱり例の曲を生で聴けたのが感動だったです。完全版はOTSUが初お目見えだったので、聴けた方は本当に貴重ですよ。 最後に、僭越ながらOTSUについて。 クラブイベントというと敷居が高そうだなあと思われるかもしれませんが、みなさんいい意味で飾り気なく、自然体で楽しんでおられたと思います。この辺りがOTSUの懐の深さかと。折戸氏も常々、「気軽に来て楽しんでもらえば」と言っていたので。はじめてクラブに来てみたはいいけど何をするのか皆目見当もつかず、とりあえずもらったサイリウムをぽきっと折ってマッチ売りの少女のように隅っこでしんみりする……のような悲しいことにはならないでしょう。 ただ……今回に関してはちょっと会場が狭すぎただろうと。 乗る人踊る人は前に出て好きなだけ、そうでもない人は後ろで酒を飲りながらだらだらと楽しむってのが、本来のクラブの姿だと認識しています。次はぜひその辺りを考慮していただければと。あと当然、もうちょっとチケットを手に入りやすくしないとならないでしょうけど。 次がどうなるかはわかりませんが、涼元の目から見たOTSU攻略法を。だいたいはFAQとカブってるのですが。 ・リュックサックとかバッグを持ってこない 最重要。持ってくると確実に困ります。足元に置いても踏まれちゃいますし。事前に駅のコインロッカー等に預け、会場には手ぶらで来るのが鉄則。 ・物販をガンガン買おう たぶんチケット代でトントン、儲けは物販で出すって感じだと思います。たくさん売れれば次につながります。ここぞと物欲開放しちゃってください。ただ、その場で買って会場に持ち込むのは困難ですので、早めに来て買いたい物をゲット→街中に戻ってコインロッカーに預ける→手ぶらで会場に引き返す、がベストかと。 ・薄着推奨 会場は蒸し暑く、Tシャツでも充分なぐらいでした。TシャツorロンT+帰り道が寒そうなら腰に巻き付けられるような薄手のアウターがいいかも。まあ季節にも寄りますが。 ・音に身を任せよう 知っている歌にみんなで間の手ってのももちろん楽しいですが、むしろインスト曲や知らない曲こそがキモかもしれません。普通の生活ではあり得ない爆音に、なにもせずに身を委ねてしまうってのはホントに気持ちいいです。お試しあれ。 ・できるだけ飲もう そうでなくても喉が乾くし、ドリンク売り上げは会場様の収入源ですので、ケチらずに。アルコールが苦手ならソフトドリンクもありますし。 今回はあまりに混雑していて、バーカウンターまで近づくのも大変でしたが。 ・お洒落はお好きに 「せっかくだから着るものもクラブっぽく凝ろう」「飾らないいつもの格好で楽しもう」どっちもアリだと思います。実際どちらのスタイルも見受けられ、どちらも楽しそうでした。 ではでは、こんなところで。 次こそプラネタリウム関係を。あかーいめーだまーのさーそりー♪ |
2006/05/25 完売お詫び&例のアレ再び配布&プラネタリウムと鰻と地ビール(突発性浜松アレ観光ガイド) |
涼元@やっぱり初回版少なくてすみませんです。 Amazonでは発売開始24時間保たずに品切れ、その後はキャンセル分と思われるものが2回ほど発売に回るものの、1時間保たずにやっぱり品切れ、へなへなと現在に至る、と聞いております。小説なしの通常版も出回ってはいるんですが…… お詫びをしようにも、涼元の力では当座どうにもなりませんので、代わりにご要望の多い例のアレ、5月いっぱいって感じで再掲します。「それ読みたいんとちゃうわ!」というツッコミはごもっともですが、まあひとつだまされたと思って。未読の方はぜひこの機会にどうぞ。なんだかそんなことばかり言ってますが。
それではでは。 後書きに代えて、planetarianの話をば。 なにせミニマムな物語なので、舞台も登場人物もストーリーを展開する必要最低限しか用意されていません。 主人公である屑屋、ヒロインであるロボット、ほしのゆめみ。 あえて脇役を挙げるなら、物語後半に出てくるもうひとつの自律機械と……あとは『イエナさん』でしょう。 プラネタリウムの投影機、特にイエナさんのような、二球式や鉄亜鈴型と呼ばれた古いタイプのそれは、本体からレンズ、歯車に至るまで全てが職人の手作りでした。 なにせとても高価で貴重なものですから、納入される場に合わせてきちんとフルオーダーされ、実際に稼働した後も改良や改修を受け続けるので、たとえ同じ型番を持っていても、ひとつとして全く同じものはないのだそうです。艦船好きな方なら、○○級の○番艦というのを想像すると近いかもしれません。 プラネタリウム投影機は、そのひとつひとつに『人格』と歴史があります。 何回か通うと、その雰囲気から個性や性格や……性別すらあるように思えてきたりします。 例えば、かつて渋谷の五島プラネタリウムで働いていたイエナさんのいとこ、カールツァイスIVは、雰囲気や物腰からして繊細で無口な女性だったように思います。 全く同じ機械でも、名古屋市科学館にあるツァイスIVはなぜかもっとボーイッシュに見えるから不思議です。投影機そのもののたたずまいだけではなく、ドームや座席、観客や解説のスタイルなどが総合的に影響しているのだと思うのですが……って、この辺りは完全に涼元の思い込みというか、妄想なのですが。 ともあれ、プラネタリウムを訪ねた時は、星を見る前に投影機の姿を愛でるというのがお薦めのスタイルです。特にメカ好きならハマること請け合いですので。 さてさて、planetarianの物語自体は近未来の話ですが、イエナさんのモデルとなった投影機は実在し、今も元気に星空を投影し続けています。 それは……と、いきなりバラしちゃうのもアレなので、 カールツァイス・イエナ社製 2006年現在も日本の某所で稼働中 この二つの情報から調べれば、自ずとわかるかと思います。ぜひ挑戦を。 どうしてもわからないという方は、以下をマウスでなぞって反転してみると吉。 (答) 明石市立天文科学館 ちなみに初回特典小説では、思いっきり投影機の形式名を書いてしまっているのでバレバレです。 「簡単すぎる」というプラネタリウム通のために、調子に乗ってさらにもう一問。 イエナさんを擁するプラネタリウム館全体のディティール、こちらは三つの実在するプラネタリウムを混ぜ合わせてモデルにしています。全ての名前を挙げられますでしょうか? (答) 1 明石市立天文科学館 2 名古屋市科学館 3 サンシャインプラネタリウム(現プラネタリウム満天) それぞれの設備のどの部分を参考にしたかまで正確にわかったら、お見それしましたと頭を下げるより他ありません。 では最後に、プラネタリウム館があるという設定の『花菱デパート本店』はどこがモデルかと言いますと…… 近隣に住んでる方にはバレバレですが、静岡県浜松市にかつてあった老舗百貨店、松菱であります。このデパートは2001年末に潰れてしまいまして、今も駅前繁華街に閉店したままの姿を晒しています。 残念ながら、実際には屋上にプラネタリウムはありません。 また、『花菱』という名前のデパートは、涼元の実家がある静岡県清水市(今は合併で静岡市になっちゃいましたが)にかつて実在しました。その後同じ建物でヤオハン→セイフー(ダイエー系)とテナントが代わり、こちらも2001年ついに閉店、現在取り壊し中です。 サッカーや清水次郎長で有名な港町清水ですが、今は駅前から丸井も長崎屋デパートもなくなり、残っているのは西友だけ、それさえ前途は厳しそうという惨状です。 故郷の町がさびれていくのは、本当に辛いものです。 清水の場合、時代の流れというより、行政の明らかな失政という面があると思うので、なおさらやるせなさが残ります。 閑話休題。 松菱とは反対側のJR浜松駅南口に降りて東に歩けば、ほどなく浜松科学館があります。新幹線で通りかかると、フランスのパリはポンピドーセンターのごとくパイプがうねうねしちゃってる建物、アレです。 ここにちゃんとプラネタリウムが存在します。マニア的にはドームが露出してないのがちょっと物足りないのですが。 こちらのプラネタリウム、最近新型に機種更新され、リニューアルオープンしました。 流行りの全天投影ができるので、とても派手な番組を投影できるようになったのですが、その分どうしても趣は乏しくなったように思います。 実はリニューアル前のこちらの投影が、涼元的にはいちばんのお気に入りでした。 客席が同心円型でなく傾斜型のため、いちばん低いところに簡単な舞台があるのですが、薄桃色の制服を着た女性解説員の方が、投影開始時にとことこっとここに現れ、例の『投影中のご飲食云々』という前説をしてくれたものです。(今はもうやっていないようです) そりゃもうそりゃもう、萌え萌えでした。 文言の違いはあれど、ゆめみの前説の元ネタであることは言うまでもありません。 さらに、こちらの館にはちょっと舌っ足らずで大層可愛らしいお声の解説員の方がいらっしゃいまして。 運良くこの方の投影に当たると、まさに至福の時を味わえるのでした。もうオート番組なんてどうでもいいから、このおねいさんに時間いっぱいまで喋り倒してもらって! っていうかむしろ耳元で俺だけに囁いて!(<駄目なプラネタリウム鑑賞の例) あああああ、また行きたいなあ浜松…… というわけで、突発的に考えてみました。 涼元的浜松街中お薦めツアーコースガイド 午前11時を目処にJR浜松駅着 遠方より新幹線で来た場合は、駅構内になぜか置いてあるピアノを試し弾きするのが礼儀。 運がよければ、ちっちゃな女の子がぽろぽろ鍵盤にたわむれていて心が和んだり、コンサートに来たとおぼしき謎の外人がチャイコフスキーをガンガン弾いていて度肝を抜かれたりするミラクルゾーンです。(涼元実体験) 徒歩5分弱、あつみにて、鰻重で昼食 浜松に来たら、なにはなくとも鰻鰻。 ここは駅から近い上にかなりの人気店なので、開店時間の11時半に店の前にいないと食べられないかも。 また、注文してから活鰻をさばくので、出てくるまでかなり待たされます。 味の説明は敢えてしません。いいからとにかく食ってみろと。これこそが鰻重だと。 腹ごしらえしたら、松菱の北西あたりの繁華街を小一時間散策。 見たような景色に出会えるかも。 疲れたら喫茶店で一服も可。 涼元がいつも使うのは……ちょっとレトロで居心地がいい地下の喫茶店、太陽。 メニューは大変豊富。正統派のコーヒーを頼むもよし、妙なのにチャレンジするもよし。 喫茶店を出たら、アクトシティを目標に15分ほど歩く。 JRのガードをくぐって左折すれば、すぐに浜松科学館が。 (時間に余裕があれば、アクトタワーに上るのもあり。有料だけど) メインイベント、プラネタリウム鑑賞。ゆるりと堪能しましょう。 ちなみに上映開始は13、14、15時。平日は14時がないのに注意。 臨時変更にも注意。事前にきちんと確かめること。 せっかく科学館に来たのだから、その他の展示を楽しまない手はありません。涼元的お薦めは……
科学より芸術だ!という向きは、時間に余裕があれば浜松楽器博物館を覗くのも面白いです。地下展示では、進化から取り残された有象無象の面白楽器がわらわらと。 その後は、俺の城ことはままつ地ビールレストランマインシュロスへ直行。 ドイツ風のだだっぴろいスペースでゆったりと地ビールを飲む、浴びるほど飲む。 最初の一杯はここのクーポンを使うと幸せ。 店内ではフレッツスポット(無線LAN)も使えるので、PCを持ち込めば涼元、ここで仕事できます。屋根裏風の装飾スペースにちょっとした寝床をしつらえていただけたなら、一生をこちらで飲んで終わるもやぶさかではありません。我が生涯に一片の悔いなし! そんなにヘビーに飲み食いは……という場合は街中に戻り、むつぎくで話題の浜松餃子を試してみるもよし。どちらにせよビールは必須ですが。 満足したら新幹線にて帰路に。 おみやげにはもちろん、真夜中のお菓子ことうなぎパイVSOP。(ブランデー入り最強スペック) さらに通っぽく攻めるなら、春華堂本店でしか手に入らないらしい割れうなぎパイを。 まだ飲み足りなかったら、車中にアサヒ生ビール富士山を持ち込んでどうぞ。あまり見ない銘柄ですが、駅内売店でフツーに売ってると思います。 こだまで東京方面に戻るなら、静岡駅でいったん降りて、一部で噂の静岡おでん缶購入にチャレンジする手も。(ホームの売店にあります。ないこともあります) この他にも、飛行機好きなら浜松基地広報館までバスで足をのばし、世にも珍しい日の丸バンパイアを見て半笑いするとか、スタミナ一番と大奮発して晩はすっぽんコースを食するとか、まさに楽しさ無限大であります、浜松。 ……って、なんで広報活動しているか、俺。 作中、細菌兵器でアレしちゃったことのお詫びということで、ひとつ>浜松市民の方々。 追記 浜松まつり開催中は、素人は近づかないのが無難です。祭中のあの都市は大変デンジャー。あと、ホントに行く場合は、休業日とか事前に調べてくださいねっと。 |
2006/06/19 清掃車に跳ねられましたー(本当)&PS2版planetarianにもアレ |
久しぶりの日記がこんなんでアレなんですが。 早朝、バーミヤンからの仕事帰りに横断歩道 を歩いてたらサクっと当てられました、はい。 おかげさまで、骨やら脳波やらには異常なく、 あちこち打撲しただけですみました。どうかご心配なきよう。 診断書までFAXしたのに、某社編集氏に全く信じてもらえてないっぽいのがいちばんショックでした。「交通事故? はあそうですか。もちろん 〆切は延びませんよ?」的対応。 _| ̄|○ ![]() というわけで、写真は診断書の抜粋。 実物見たの生まれて初めてですわ。実際はまだ ○○打撲が並んでいて壮観です。 背負ってたThinkPadごと路面でごーろごろ 転がったので、身体のあちこちが痛いっす…… でもなにより最寄りのバックアップが9日前なのが 痛いんすけど。HDD復活できるかなあ…… 救急車やら移動交番やらに乗れたのが不幸中の 幸いだったかも。まあ、救急車の方は意識がモーローとしてたのでよく覚えてないんですが。 とりあえず寝ます。調書取りやら保険のアレやら で結局一睡もしてないので。 以上、mixiに書いた日記そのままなんですが。 そんなわけでして、しばらくメール対応など引き続き遅れるかもしれませんが、よろしくお願いします>各位。 あ、ひとつだけ。 PS2版planetarianにも書き下ろし小説(初回特典なのか予約特典なのかが涼元にも把握できてないのですが、すみません)が付くことになりました。内容的にはPC版のものと同じですが、恐らく帯とかが替わるものと思われます。 PS2版独自の仕様がどうなるかも含めて、涼元的にも楽しみであります。 ではでは。 うう、イタタタタ……眠れるかなあ…… |
2006/07/20 お見舞い多謝&梅雨末期な涼元仕事情報もろもろ |
涼元@部屋が暑くて寝られないです。じめじめ。 まずはお見舞いや励ましのメールなど、本当にありがとうございました。事故後十日ほどは、手足を動かすたびにイタタタタと効果音が鳴る愉快なおもちゃと化していましたが、おかげさまで今はほぼ完治しております。あと、見舞いに各種アルコールの類を送ってくださった方々、わかってらっしゃるというか、「これでも飲んでラクになれ」的な逆療法が心に染みるというか……ともあれ、大事に飲ませていただきます。もう飲んじゃったのもありますが。 さてさて。 なんだか仕事情報が溜まってきましたので、現時点で確定しているものをつらつらとお伝えします。 まずは小説やらの書きもの関係の話を。 ●新進のライトノベルレーベル、ソフトバンクGA文庫様で小説を書かせていただくことが決定しております。実際の刊行はまだちょっと先になるかと思うのですが、近日中にGA GRAPHICにて、壁紙が先行公開されますので、ぜひぜひgetしてくださいませ。 この件に関しましては、すでにコミックマーケット70カタログの宣伝で情報が出てるのですが、涼元悠一フィーチャーされすぎで、正直ちょっとビビっております。 ●同じくZIGZAG NOVELS様の公式サイトにて、コラムを書かせていただきました。7月20日から掲載予定です。コラム執筆の方々のお名前を見渡せば、まさに錚々たるという顔ぶれでありまして、やっぱりちょっとビビっております。 こちらではネットで作品を公募し、読者による公開投票で好評なものを出版するという、大変興味深い形態も取られています。興味がおありの方はぜひランキングページにアクセスを! 続きまして、ゲームというかキネティックノベル関連。 ●planetarian 〜ちいさなほしのゆめ〜 のPS2版がプロトタイプ様から8月24日に発売予定です。初回生産分特典として、書き下ろし小説が附属します。内容的にはPC版の初回特典と同じですが、帯などが新しいものになるようです。PC版ほど入手困難にはならない……とは思うのですが、生産数が読みにくいのは違いないので、確実な入手のためには予約をお薦めします。作品そのものも、全キャラフルボイス化などスペックアップされます。涼元の声録りに関するディレクティングは多部田氏直伝を自負していますので、屑屋をはじめとしたplanetarianのキャラたちに、師匠がいかなる声を与えてくれているのか、興味津々であります。 また、7月30日に秋葉原にてプロトタイプ・デビューしました!感謝祭が開催され、PS2版planetarianがいち早くテストプレイできたり、予約した方にはプレゼントもあるようです。詳しくはこちらのページでご確認を。当日アキバ方面にご用の向きはお立ち寄りいただければと。 ●ご要望の多かったplanetarian 〜ちいさなほしのゆめ〜 オリジナルサウンドトラックですが、コミックマーケット70会場にて先行販売されます。こちらも先行販売限定特典として、B5版のフルカラーイラストブックが附属します。総勢16人ものイラストレータの皆様方が、様々なゆめみ(やらシオマネキやら)をそれぞれに描いてくださっています。こちらも数に限りがあるかとは思いますが、この機会にぜひお求めを。 詳しくはKeyオフィシャルホームページで。 最後に、ちょっと毛色の変わった仕事なのですが。 ●editionsLEPというスイスの出版社様から、「ツェルマット 谷間、山塊、人間との関わり、風土とその活用」というタイトルの本が出版されている……はずです。はずですというのは、実際に売られているところが日本国内では見られない上に、どういう売られ方をする本なのかさえよくわからないので。恐らくはツェルマット現地の土産物屋などに観光客用として並べられているのではないかと思うのですが。 80頁ほどの薄い本ですが、中身はツェルマット地方の歴史や観光、地理学的位置づけなどを学術的に解説した、かなりカタいものです。実はこの本、涼元の姉が翻訳を担当しておりまして、なんだかんだで涼元も手伝っております。写真のキャプションを正確に訳すためにさんざん調べた挙げ句、編集レベルでサクっと写真だけが差し替えられていたりしてガッカリしたりもしましたが、ともあれカラー写真がふんだんに掲載されているので、見ているだけでも楽しいです。 ちなみにフランス語版はこんな表紙です。もしもスイスアルプス方面に旅行されて、実物を目撃されましたら、ぜひぜひ涼元に教えてくださいませ……って、まんま珍しい高山植物みたいですが。 ちなみに涼元姉のフランスネイティブ度はと申しますと、時々仏語で寝言を言ってるレベルです。悪魔に取り憑かれているようで、遭遇すると大変恐いです。仏語翻訳のお仕事がありましたら、涼元に連絡いただければ取り次ぎいたしますので、ひとつよろしくお願いします。 というわけで、今回はこの辺で。おるぼわーる。 |
2006/07/22 「わたしを愛でてくださるかしら?」(GA文庫壁紙第1回公開のお知らせ) |
涼元@いろいろなもののペースが上がってきてもう大変です。 ソフトバンクGA文庫様で書かせていただく小説の壁紙先行公開の件なのですが。 近日中とか言ってたら、昨夜サクッとアップされました。はやっ。 百聞は一見にしかずということで、どうぞご覧ください。 出し物はと申しますと……ここで期間限定公開していたあの! 『ナハトイェーガー』であります。 予想&期待してくださった方も、そうでもない方も、どうぞお見知り置きを。 イラストを担当していただく一美先生のサイトはこちら↓。 ![]() ファンタジックだけでは言いあらわせない独特の雰囲気と色合いのCG、そして瞳が印象的な女の子たちに会えます。耳しっぽつきの含有率が高いのもステキです。 GA GRAPHICでの壁紙先行公開は、一週間ごとで全三回の予定です。どうかこの機会をお見逃しなく。ていうか、次の壁紙や他のキャラたちがいちばん見たいのは、他ならぬ涼元だったりするわけですが。 ともあれ、テキスト担当もきりきり頑張らせていただきます、はい。 |
2006/07/29 刑務所の帆船&ナハトな質問に回答少々&壁紙第二弾 |
涼元@ひさしぶりに飲んだことのない酒を買いました。 ![]() CUTTY BLACK 100PROOF。 前から知ってはいたのですが、近所の酒屋で偶然見かけたので、気になって翌日にもう一度行って買ってしまったり。 味は……飲み慣れたエメラルドとかインペリアルキングダムとかの、いわゆるライトスコッチとしてのカティサーク系とは根本的に異なっていて、ラム酒にプラモデル用接着剤とシロップをぶち込んだような摩訶不思議な印象。そりゃまあ、フレバードウィスキーというゲテモノですから当然ですが、ラベルに帆船を戴いた酒としては、ある意味これもアリかもしれません。無駄にアルコール強いし。 グラスは以前にお土産物としてもらった、かのアルカトラズ刑務所のもの。内側に鉄格子と囚人の姿が描かれているのがステキです。CUTTY BLACKのことを知った時、どこかで見たことがあるラベルだなあと思ったらこれでした。 しばらくはこのコンビで楽しめそうです。とは言え、最近は忙しいやら歳食ったやらで、昔に比べれば酒量が落ちているのですが。 それはそれとして、いくつか質問をいただきましたので、取り急ぎお答えします。 ●ナハトイェーガーを読みたいのですが、配布はもうしないのですか? ●ナハトイェーガーのファイルを持っているのですが、友人に渡しちゃっても大丈夫なんでしょうか? えー、拙作『ナハトイェーガー』なのですが、先日も書きましたとおり、おかげさまでソフトバンクGA文庫さまから刊行されることが決まっております。さすがにこうなると、書いてる奴本人がタダで大々的に配るというのはアレですので、その辺りどうか賢察いただけますと幸いです。 ただ、配布ファイルに書きました『中身を変えず、お金を取らない限りは再配布自由』という規程は今も生きておりますので、お持ちの方は当然(ファイルをそっくりそのままなら)だれかにコピーして渡すことができますし、どうしても欲しいという方は、だれかからもらったり、検索などを駆使してサーチ&ゲットすることもできる……かもしれません。 ……という感じでひとつ。 さらにこの『ナハトイェーガー』ですが、GA GRAPHICで一美先生の手による壁紙第二弾が公開されています。いよいよ第一話における主要キャラたちの顔見せです……って、名前がどこにも書いてないっすね。左から主人公であるフツーの高校生少女、白河恵那、『菩提樹荘』の有能なメイド、ヒルデガルト・フォン・ファーバー、そしてちっちゃいのがヒロイン、フレイヤ嬢であります。ひとつよろしくお願いします。 ではでは。 |
2006/08/09 口内炎&そして新展開&敢えて名は伏せときます |
えー涼元です。 ほとんど机の前で書いてばかりなので、いい感じで肥え太っている今日この頃です。栄養バランスが悪いのか、かなりひどい口内炎までできてしまいました。仕方なく、一週間ほどゼリーとスープだけで過ごしてみたのですが、体重は全く減りません。いやあん。 ちょっとだけお仕事情報を。 ●まず、ソフトバンクGA文庫さまから刊行予定の『ナハトイェーガー』ですが、GA GRAPHICにて壁紙第三弾が公開されております。見出しにそして新展開と書いてあったので、「えええっ、聞いてないけどどんな新展開がっ!?」と慌ててクリックしたのはここだけのヒミツです。 壁紙先行配布はこの三枚で一区切りなのですが、絵描きさま側と細かく連携を取ることができ、かーなり面白い仕事でした。毎週完成の後に涼元がテキストをつけるという流れだったのですが、文章を考えるのがとても楽しかったです。三枚すべてご覧の方は、一美先生の手による服飾やディティール描写の細やかさはもちろん、左上の時計にも注目していただければと。時刻や月齢表示が、きちんと場面に連動しているという凝りようです。時計のモデルもマニアックなことになっています。 『ナハトイェーガー』に関しましては、この先もちょくちょく情報をお伝えできればと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。 ●華麗にスルーしようと思ってたら、問い合わせをいただいてしまったので…… 実はすでに一冊、とある本が刊行されているのですが……書いた本人かーなり恥ずかしいので、興味がおありの方はAmazonあたりで検索していただければと。ちなみに、シナリオライター志望の方向けの(つもりの)本であります。 ではでは。そして新展開〜。(マイブームな挨拶) |
2006/08/10 この夏東京近辺で観たいものリスト涼元版 |
えー涼元です。 仕事関連上京スケジューリング作業をしていたら、この夏観たいものリストができている罠。 以下、やっつけ調べのため、微妙に不正確かもしれませんが。 銀座INAXギャラリー 小さな骨の動物園 展 8月19日まで ※日祝及び8月12日〜17日は休み 骨だらけ〜。 前回の上京で時間がなくて行けなかったので、リベンジしたいところ。 目黒雅叙園 百段階段×黒澤明展 8月13日まで 正直、黒澤明の絵コンテ云々はまあどちらでもいいんですが、百段階段は見たい…… でももう間に合わないなあ。 東京都庭園美術館 旧朝香宮邸のアール・デコ 10月1日まで 第二第四水曜休館 庭園美術館は建物が素晴らしすぎて、よほどの展示物じゃないと負けるという諸刃の剣。 『会期中は特別企画として、限定エリアでの館内撮影が可能です』というのがミソ。基本撮影禁止なので、この機会を待ち望んでいた人も多いかと。 町田市立博物館 星空にあこがれて −プラネタリウムと天体望遠鏡− 8月31日まで 月曜休館 その筋の天文ファンの間では有名なロング・トムの展示が素晴らしい。 あと、プラネタリウム解体SHOWがとってもとっても観たいんですが、日程的に無理っぽい……ちなみに、8月19日と27日です。 山梨県立科学館 プラネタリウム 戦場に輝くベガ - 約束の星を見上げて 9月3日まで 月曜休館 土日祝日10:00〜 ちょっと内容聞いただけで泣いちゃいそうになるような、大変よさげな番組。 『銀河』が夜空のあれじゃなくて、P1Y1(誉)かP1Y2(火星)のことなんですぜ、お客さん。 でも、いくらなんでも山梨は遠すぎる…… サンシャインスターライトドーム満天(池袋) 銀河鉄道の夜 11月12日まで 以前の投影時に予告編は見たんですが、映像的にかなり期待できそうな感じ。 オススメ対象で、カップル★★★なのが大変気になりますが…… あからさまに上京とは関係ないものも混じってますが、まあこんな感じです。プラネタリウム絡みの情報は某SNS某所で仕入れさせてもらいました。この手のことが鮮度よく上がっているので大変ありがたいっす。 プラネタリウムは子供向けと思われがちですが、最近では大人が見ても充分に鑑賞に耐えうる番組も増えてきているようです。科学啓蒙や星座占いの延長ではなく、人間と星との関わり合いそのものが主題になるような物語がもっと増えたらなあと思います。 『銀河鉄道の夜』も、山梨県立科学館の番組もそうですが、生死の狭間にある者にとって、星は文字通り標(しるべ)であるわけですから。 この瞬間だった、彼の頭上に当って、暴風雨の切れ目に、魚梁の中の命取りの餌のように、二、三の星が輝いた。 |
2006/08/22 サントラ御礼&あの凸っぱり再び&PS2版後書きにかえて1&声優さんという人種 |
涼元@明日から東京行きです。 また性懲りもなく病み上がりなので、ちょーっと不安ではあるのですが。 さて、今回はplanetarianがらみのことなどを、つらつらと。 ●まずはplanetarianオリジナルサウンドトラック、おかげさまで上々の販売数のようで、夏コミ会場でお買い上げくださった方、まことにありがとうございます。また、イラストブックに参加していただいた絵師の方々、お忙しいところ作品を寄せていただきありがとうございました。不肖涼元からもお礼申しあげます、はい。 このサントラはおいおいビジュアルアーツの公式通販でも発売されるかと思いますが、限定的ながら恐らくイラストブックも附けられるのではなかろうかと思われます。涼元の希望的観測でアレなのですが、こちらにもお問い合わせをいただいているので、ご参考になればと。 ●planetarian 〜ちいさなほしのゆめ〜 PS2版、いよいよ8月24日から発売開始であります。PC版の時同様、初回生産分には涼元悠一書き下ろし小説がついているのですが……先日、これが涼元宛に100冊どーんと送られてきてビックリ。PC版の時に自分の分がない〜とか愚痴をこぼしたせいで、プロトタイプの多部田氏が気を回してくれたのではないかと思われますが。段ボール箱4個口で、戸口まで台車に乗ってきましたぜ。まさに売るほどある状態。一瞬社長をイジリすぎた廉で、VAのギャラが現物払いになったのかと思いました。 ●PS2版後書きにかえて1 ボイスとテキストについて 普通、ボイス付きのノベルゲームを作成する場合、シナリオがある程度出来上がってから声優の選択をするものなのですが……planetarianの場合、ちょっと違っていました。 まずオープニングだけのパイロット版が作成され、この時点で『プラネタリウムはいかがでしょう?』という、物語の中核となるべき一連の台詞は既に収録されていました。 もちろん、ヒロインほしのゆめみの声は、この時からすずきけいこさまです。 ただ、ダウンロード版時点ではボイス付きは難しいというのは開発当初からわかっていましたから、シナリオとしては最低限のボイスでも、最大限演出として活用する方向で執筆したつもりではあります。 最初にいただいた声の欠片があり、そこからキャラが膨らみ、シナリオが起こされ、全ての声が当て嵌められ、さらにそこから磨きをかけるという、希有な製作形態によりもたらされたのが、planetarianという作品です。 これは、プラネタリウム番組そのものが、投影機が映し出す星空と解説員さまの声により成り立っているという事実からすれば、まことに理にかなったことだったなあと、手前味噌ながら思っています。 ボイス付きのplanetarianでは、ボイスなしのヴァージョンに比べて、テキスト自体にも多少手を加えています。基本的に涼元は、たとえ画面上での状況や立ち絵の演技と重複しても、地書きは積極的に書いていくべきだという考え方なのですが、planetarianではじめて、その原則を積極的に抑えることになりました。 ボイスが付いたことにより、声による演技そのものが文字通り全てを『言い表している』ように感じたので、地書きによる説明をカットしたところがあります。 また、ボイスが付いたことによって、台詞の意図するところが過度に『饒舌』になり、熟慮の結果、台詞自体をボイスと共にカットした箇所もあります。 自分としては、まさに『得難い経験』でした。 もの書きのはしくれとして、自分が一度完成させたテキストをそういう理由で直すことがあるなんて、正直思ってもいませんでしたから。 これはもちろん、すずきけいこさまの演技の正確さと素晴らしさから産み出された、ある意味『嬉しい誤算』なのですが……ノベルゲームという複合表現形式が持つポテンシャルの高さと可能性そのものを目の当たりにした思いでした。同時に、まだまだ自分は、このメディアの神髄までは達していないんだなあと、ちょっぴり落ち込んだりもしましたが。 ともあれ、大年増状態からゲーム業界に潜り込ませていただいた自分の一成果のまとめとして、planetarianは自分にとっても忘れられない作品であり、製作に参加してくれたビジュアルアーツスタッフ、素晴らしいキャラデザ/メカデザと共に、凝りすぎな立ち絵差分をうんとこさと描いていただいた原画担当の駒都えーじ先生、そしてボイス担当のすずきけいこさまには、本当に幾重にも感謝しております。 またいつか、どこかで一緒にお仕事できる日を楽しみにしております、はい。 ●ボイスがらみの話が続いたので、おまけにもう少し。 シナリオライターの立場から言うと、声優さんのお仕事というのはかーなり憧れるところがあります。なんというか、こっちが草食動物ならあっちは肉食動物、こっちが農耕民族ならあっちは狩猟民族、という感じで。やり直しがきかない一発勝負の世界に生きておられる方々は、その才気や技術と共に、強烈な個性をお持ちの場合が多いように思います。 以下、当たり障りのないところから少しだけ。 AIRの声録りをしていた頃、いつも通り開発室でキーボードを打っていて、ふと後ろを振り返ると、かわいい女の子がいました。ひ〜らひらのワンピースに浮世離れしたツインテール、入り口のテーブルに積んであるAIRグッズを、なぜか熱心に漁っています。 どう見ても危ない系の方です。開発室に入り込んじゃっています。 『目を合わせちゃダメだ、気づかない振りをするんだっ』と自分に言い聞かせ、脂汗を垂らしながらキーボードに戻ろうとすると、その女の子はにっこり笑って一言、 「田村ゆかりですー」 そんなこんなの愉快なご登場でしたが、演技の的確さ、お声の素晴らしさと言ったらそりゃもう筆舌に尽くしがたいものがありました。声録り休憩中のエピソードもあるんですが、面白すぎて色々支障があるので自粛しておきます。 東京のとあるスタジオでは、永井一郎先生にお声をいただきました。平安時代に実在した人物がモデルの高僧という設定なのですが、ブースに座って台本を開くなり、全てのセリフをまったく淀みなく一発で喋り切った後、そのキャラの声音のままで一言、 「さあ、始めましょうか」 ……いえもう、今のでお腹いっぱいです、至福の時でした、お疲れさまでした〜という感じでした。(もちろんその後にちゃんと収録しましたが) この時は、丘野塔也氏が途中からヘルプに来てくれたのですが、「どうして録音スタジオでNHKのラジオドラマ流してるのかと思いました」と言ってました。それほどのクオリティー。 そして前出すずきけいこさま。 planetarian声録り時、「えーと、プラネタリウムの解説員って設定なんですけど」と説明するが早いか、 「本日は当館にお越しいただき、まことにありがとうございます……」 間も抑揚も完璧な、マジプラネタリウム解説員喋り。 他にも、ちょっぴりやっていただいたデパートアナウンスが本物もびっくり……というかむしろまんま本物で、その辺りはゆめみのボイスの喋り分けにも見事反映されています。 でも、なにより度肝を抜かれたのは…… 「これ、フルボイスにしましょうよ〜。絶対いいですよーほらこんな感じで。『だって…おいていけないよ、ゆめみちゃんをおいてくなんてっ………』(以下略)」 ……台本を見もせずに、端役キャラまで感情移入全開で披露してくれました。 ……どうしてそんなことができますかあなたがた? という感じです。 基本農耕民族で基本小度胸で小さなことからコツコツとが信条なもの書き族としては、もう『人種が違う』としか言いようがありませんです、はい。 ではでは、今回はこの辺で。 |
2006/08/24 時をかける少女 |
涼元@東京某所のホテルのロビーからです。(ロビーにしかネット接続環境がない……) 打ち合わせの合間を見計らい、時をかける少女を観ました。 感想としては、大変よかったです。上質の青春もの、そして最上級のデートムービーという感じでありました。アニメ映画、オタク映画、SF映画というイメージだけで敬遠している向きは、首根っこひっつかんででも映画館に放り込んで2時間監禁してやりたいぐらいです、はい。 それはそれとして。 本編上映開始20分後ぐらいから、叫びたくて叫びたくてしょうがないことがありまして、もうホントに辛抱たまらないので、この場を借りて吐露させていただきたく思います。極度のネタバレなので、以下既に映画を観たという方だけCtrl+Aで反転してください。 呑気にプリン食ってないでとっとと自転車のブレーキ直せっ! それ絶対伏線だからっ! 今のうちに潰しとかないと後々大変なことになるからっ!!! (土蔵から絶叫するノスタル爺のテンションで)
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2006/08/30 ふたつのプラネタリウム |
涼元@実家で色々雑用&泥縄で仕事な日々であります。 なんだか冥王星界隈が大変なことになっている今日この頃ですが、その名付け親である野尻抱影先生絡みのイベントを図らずも観に行った話を。 東京出張二日目。 町田市立博物館にて、『星空にあこがれて プラネタリウムと天体望遠鏡展』を観ました。 メインはもちろん、プラネタリウム投影。 とはいえ、こちらの博物館にプラネタリウムが常設されているわけではないようで、待っていたのは直径4メートルほどのエアドーム、その中央に移動用小型プラネタリム。まさに星空出前状態というか、planetarian初回特典小説で書いた『星の人』の設定そのままです。 観客は身をかがめてドームに入ると、壁の縁にぐるっと体育座りをして並びます。当然壁にもたれかかるのは厳禁。最悪、宇宙が崩壊します。 解説員のお姉さんの声に導かれ、まったりと投影が始まりました。 まずは光量を絞って都会の星空を見せてから……という、お馴染みの導入です。 「十秒間目をつぶってください……はいっ! 目を開けてください」 わっという歓声と共に、ややこぢんまりとしているものの、満天の星が輝き出しました。 投影機はよくあるホームプラネタリウムではなく、まさに博物館用のミニチュア版で、南天も投影できるようです。ただ、当然スペック的に全機能搭載というわけにはいかず、星座のラインなどは、手持ちのポインター的な道具を使って別に投影していました。 解説はごくごくオーソドックスな夏の星座説明。 で、夏休み中の無料投影ですから、当然悪ガキがいます。 中でもちょっと仁義にもとってるだろキミという札付きがそろそろ手に負えなくなった頃。 恐らくは他の家族連れであろう、雷親父さまの一喝が響きました。 悪ガキは沈黙、それから後は投影もスムースにいきました。これもまた、手作り投影ならではのワンシーンです。 投影の最後、それまでは静止していた星像が日周運動を始めました。星座が夏から秋に移ろい、東の空に昴がかかり始めた頃、照明が戻され、投影は終了しました。 こういう手作り感覚の投影もいいものです。高校時代に学校祭で製作したプラネタリウムのことを懐かしく思い出しました。 五藤光学の協賛があったおかげかと思うのですが、展示物の方も素晴らしかったです。 特に目を惹いたのが、重錘式赤道儀。 モーター駆動の自動赤道儀以前、巻き上げた錘が下がっていく力で赤経ウォームギヤを微動して星を追尾するという方式。さすがに実物を見られるとは思ってもいませんでした。 そして、五藤光学製M-1式投影機の各部パーツ展示。 さらに同じく五藤光学製、マクストフ・カセグレン展示。昔の天文ガイドに製品の宣伝が載っていて、それは憧れたものでした。 さらには商売敵のセレストロン鏡筒+ビクセンGPD赤道儀展示。(架台は敢えてマークXにしてほしかった……) そしてもうひとつの展示主役、野尻抱影先生の愛機、『ロングトム』。 残念ながら架台と鏡筒がばらばらのまま、ガラスケース内の展示でしたが、やはり実物を見られたのは感無量です。鏡筒は木製の格納箱に入ったままだったのですが、その箱が高校の地学部室に転がっていたNikon製8センチ屈折赤道儀の鏡筒運搬箱そっくりだったのが、とても感慨深かったです。 午後からは、池袋サンシャインシティーのプラネタリム満天へ。 番組は『銀河鉄道の夜』、町田での投影と打って変わって、こちらは全周投影を駆使した完全オート番組。平日の昼間だったのにかなりの盛況ぶりで、上映開始20分前でかなりの人が並んでいて びっくり。相変わらずお綺麗なコンパニオンのお姉さまに導かれて入ったドーム内では、普段は誰も座らないような投影機の東側横に腰を落ち着けました。それもまた一興。 番組内容は、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』をそのままなぞるのではなく、天の川を辿っていく銀河鉄道の軌跡から、要所をピックアップしてナレーションと共に美麗なグラフィックスで魅せるという感じ。あまり余計なことをせずに、ただ美しい映像を楽しんでくださいという趣向で、個人的には好印象でした。 まあとにかく、文字通り全天を使って映されるCGでの星や機関車の美しいこと! また、全周投影と投影機との連携がよくできていて、継ぎ目なく星像に移り変わるのが見事でした。よほどきちんと作り込まないとできないことだと思います。 途中、お子さん突然号泣→親御さんとともに退場というお馴染みのイベントもありましたが、時間いっぱい充実して楽しめました。 でも、やはりプラネタリム好きの贔屓目で言ってしまうと。 絢爛豪華なフルCGの数々もよかったのですが、いちばん心に残ったのは、コニカミノルタ製インフィニウムγ投影機が全力で星空を投影する中、透き通るような『星めぐりの歌』が流れるEDスタッフクレジットのように思いました。 素朴で賑やかな町田での投影と壮麗で快適な池袋での投影、どちらがいいかと問われれば、甲乙付けがたいと答えるしかないところが、プラネタリウム鑑賞の面白いところだなあと。 町田市立博物館の投影の方は、今日明日の追加が決まったようです。恐らく混むだろうなあと思いますが、お薦めです。ちなみに町田市には、現役のデパート屋上プラネタリウム館も存在します。 池袋満天の『銀河鉄道の夜』の方は、盛況のため(拍手!)上映延長したようですので、こちらもぜひ。 |
2006/09/08 再就職のお知らせ |
涼元です。 とりあえず、手短にお知らせを。 再就職することになりました。 フリーになった当初は、フツーに小説方面に転身を計るというか、舞い戻るつもりだったのですが、色々と思うところがあったり、やり残したことがあったりで……就職活動の結果、この度株式会社アクアプラス様に社員としてお世話になることになりました。 遅蒔きの捲土重来と申しますか、新天地でもう一花咲かせるつもりであります……などと勇ましく言い切れればいいのですが、自分でもまだ半信半疑だったりするので、実際に出社してみてホントに席があったらまたご報告したいと思います。 また、涼元のことを買っていただいた方々におかれましては、最初のご報告とご挨拶が拙サイトでのこの文面となってしまい、まことに申し訳ありません。友人や片思いの相手に「転校する」って言い出せないままに最終日を迎えたヘタレ主人公みたいと申しますか、まったくもってご迷惑と不義理を重ねるばかりであります。いずれきちんとご挨拶させていただければと存じます。 そして、涼元のゲームをお待ちいただいている方々、応援と励ましのお言葉、本当にありがとうございました。恥ずかしながら、またしばらくはそこに戻ることになりそうであります、はい。 それでは、今後とも涼元悠一をよろしくお願い申し上げます。 あと、ナハトイェーガーは当初予定通りに発行されるはずですので、どうぞご安心を。現在まさに死ぬほど書きためておりますので。 |
2006/09/09 猫集会の夜 |
深夜2時。 どうしても書き直したいと焦れば焦るほど煮詰まっていたアイディアに、ようやく突破口が見つかる。 思考を膨らめて定着させるため、久しぶりに夜の散歩と洒落込む。 アパートを出るなり、夜気がむっと蒸し暑く、風はほとんどない。それでいて汗が噴き出すわけでもない。 肌と服と空気の継ぎ目がちょうどよくウヤムヤになっている、そんな感じ。 自分以外に人影はない。 歩道橋を渡り、最初の角でいきなり猫と出くわす。黒っぽい首輪つき、すらっとした胴体の白猫。 こちらをに気づいてもなにやら知らん顔で、低いコンクリート塀にぴったり沿ってどこかに向かおうとしている。 なんとなく、これは猫集会をやっていそうだと直感する。 15分ほど歩くと、ファミマを過ぎたいつもの駐車場で第1猫集会発見。参加4猫。 こちらの心構えがまだできていず、いきなり近くに寄ってしまったせいで、2匹車の下に潜ってしまう。でも、幹事猫らしい牛模様のしろくろと、道を隔てたところで香箱座りしている太ったふてぶてしい茶トラはまったく動じない。 せっかくなので、しばらく参加させてもらう。 ★猫集会に参加するには?(自分用メモ) ・会場の隅、近すぎないところに控えめに立ち、一同にそれとなく参加の意思を伝える。 いちばん近くの猫から最低でも1.5メートルは離れること。 ・カメラを出したり、話しかけたりは絶対にしない。 人語はもちろん猫語もだめ。猫集会は全員無言無為が決まりなので。 ・最初はとにかく、猫の方を見ない。 あさっての方をぼーっと眺めたり、物音がしたらそちらに視線をやったりする。 新参者の猫っぽく振る舞うのがコツ。 ・そのうち参加猫一同が気にしなくなるので、そうなったら猫を見てよい。 ただし、絶対に凝視しないこと。 視線が合いそうになったら目を細くするか、こちらから目を逸らすのが礼儀。 ・参加が許されたと思ったら、ごくゆっくりとその場にしゃがむ。安全な場所なら座り込んでも可。その方が地面の感触が気持ちいいのでお薦め。 ・あとは好きなだけ、猫たちとのまったりした時間を楽しむ。 車や自転車が来たらちゃんと退くこと。 しろくろに微妙に睨まれつつも、5分ほど参加し、満足したので、軽く挨拶してその場を辞去する。 闇に目が慣れてきたせいもあり、ようやく自分を猫っぽくできてきた気がする。 猫集会というのは不思議なもので、ひとつ見つけるとその近くで幾会場も見つかる。 200メートルほど先、民家を取り壊して更地にしたばかりらしい空き地の際で、同じような模様、同じような大きさのキジトラ二匹が、魚座を思わせる配置でのんびりしているのを発見。 今度は慎重に参加をお願いし、すんなり参加できた。 また5分、何をするでもなく、行きずりの猫たちと一緒に晩夏の闇を眺める。 そしてすぐ50メートル脇、2階建てアパートの駐輪場脇にある水色ポリバケツ前が第3会場。 ここは白猫と、さっきとはちがうキジトラの二匹が、微妙に離れてくつろいでいる。 半野良で人懐っこいのか、白猫の方が一瞬こちらに寄ってこようとしたが、猫集会中にそれは御法度と思ったのか、すぐにまた座り直した。さすがにちゃんとしている。 当然、参加させてもらう。 ここでは10分弱。アパートの蛍光灯のおかげで猫たちがよく見える。と言っても、かわいい仕草など披露してくれるはずもない。ただ、猫という概念を注いだ容器としての猫が、そこにぽつんと置いてある感じ。でも、これはこれで心地よい。子供の頃、父の仕事場に入ってはじめて怒られなかった時のような、世界の秘密を特別に見せてもらっているような、どこか誇らしく、懐かしい気持ち。 名残は惜しいが、バーと一緒で長居はしないのが粋であり、新参者の仁義。 また、歩き出す。 城北公園に近いところで、路地の真ん中に自転車を停めたカップルがキャハキャハと笑いながらふざけあっていた。かまわず横を通り過ぎる。 嗚呼、人間のオスメスのなんと無粋なことか。 ……と、猫っぽさ半分、やっかみ半分の心で憂いてみる。歩いていると、すぐにどうでもよくなる。だんだん猫に近づいていく。 すると不思議と、懸案だったアイディアもそれなりに外郭が見えるようになってくる。すぐにでもパソコンに向かいたい気持ちになる。 まだまだ猫の境地には至らないのだなあと笑う。 明るい表通りに出て、最短距離で帰路につく。 ところが、普段なら猫などいないような、太い車道に面した道にさえ、ぽつりぽつりとソロの猫がいる。ひとりで佇み、ぼーっとしている猫もいれば、どこかにあるだろう会場に移動中のものもいる。 近づいてもみんな逃げもしないし、足を早めるわけでもない。 一年に一度ぐらい、こういうヘンな夜がある。 たいていは夜中の3時ぐらいから、早朝の5時ぐらいまでのわずかな間。あっちに数匹、こっちには一匹と間隔を開け、やわらかな道標みたいに佇んでいる。鳴き合うわけでも、じゃれ合うわけでもない。ただただその場に座り、互いに互いを気に留めることなく、大きな瞳であさっての方向を見ている。 それぞれの集会につながりがあるはずはないけれど、あるいは猫テレパシー的なもので交信しているのでは? とも思えたりもする。それほどに無防備で、目の前のものに無頓着な猫たち。 温度や湿度のせいなのか、他になにか原因があるのかはまったくわからない。 そしてもちろん、猫たちが何を考えているのかはそれ以上にわからない。 こちら側の心当たりを言えば、いい本を読み終わったばかりでふわふわした気持ちになっているとか、思いついたアイディアを頭の中であれこれ転がしている時には、猫も寛大というか、こちらのことを『シガラミだらけのヒトじゃないもの』と認識してくれるような気がする。 1時間ほどの散歩で、この日に会った猫たちは以下の通り。 ひとり集会 4匹(しろねこ首輪、さばっぽい2、アメリカンショートヘア首輪) 会場移動中 5匹(さばとら×2、しろねこ、きじとら、しろねこ首輪) ペア集会 2×2匹(きじとら×2 しろねこ、きじとら) 四匹集会 1×4匹(しろくろ、ちゃとら、柄不明2) 合計 17匹(黒猫が一匹もいなかったのはちょっと不思議) 半分夢のような心持ちのまま、いつものセブンイレブンで最近お気に入りのビール、プライムタイムと玉子サンドを買って帰宅。 ちびちびと飲みつつこれを書く。 結局、猫集会ってなんなんだろう? と、今さらながらに思いながら。 |
2006/09/26 短信通勤報告&返信不達のお知らせ |
涼元@いろいろごたごたしてます。 おかげさまで無事に勤めはじめています。実は電車通勤がはじめての経験だったりするので、梅田から乗ったら中津で降ろされる凶悪な地下鉄や、回数カード裏の印字がいっぱいになると通せんぼする凶悪な改札など、主に大阪市交通局方面から来た刺客と戦っています。 それはそれとして、たくさんのメールありがとうございました。本当に大変励みになりますと同時に、ご期待に添うべく日々身を引き締めております。鋭意お返事差し上げているところなのですが、一件User unknownで返信が戻ってきてしまいました。 ぷららのアドレスからお送りの方で、まだ涼元からお返事が届いていないという方、メールソフトの自己アドレス指定をお確かめの上、もしよろしければもう一度メールいただけますと幸いです。 えらく手短ですが、とりあえずこの辺で。 あ。あと、「『PS2版後書きにかえて1』ということは、2もあるんですよね?」というご指摘を複数いただきましたが……正直に申しまして、言われてはじめて1とかついてることに気づきました。(駄目駄目) せっかくだからそのうちなにか書かせていただきますので、今しばらくお待ちを。 |
2006/10/31 なついあきでんなあ(近況短信) |
えー涼元です。 なんだか気がついたらもう10月も終わりかけているのに部屋が暑いというものすごい状況なのですが。 生存報告がてらちょっとだけ更新をば。 おかげさまで新しい職場でもなんとかやっております。恒例の季節の変わり目風邪ひきをやらかしたりはしていますが、まあどうにかという感じで。 まだ成果物をご披露できるところにはありませんが……ひとつだけ。 Leaf Side-Bにて、リレー職場エッセイ的なものを書かせていただきました。 こちらからスタッフ雑記でどうぞ。入れるのは18歳以上の人だけですのでご注意を。 ちなみに、文中での中ボスこと中津止まりの御堂筋線は、最近こちらがレベルアップしたために連戦連勝なんですが、新たな強敵の出現に苦戦しております。 それは……遠足に向かうとおぼしき幼稚園児の大集団です。 遭遇してしまったが最後、車中はあれよあれよと言う間に紅白の帽子をかぶったポケットモンスターたちでぎゅうぎゅうになり、駅に着いているというのにどいつもこいつもコロイド運動で忙しく、1オングストロームたりとも避けてはくれません。ていうかお前らスペース的に無駄がありすぎるんだよ! 最低縦に三段は重ねろトーテムポールのようにっ! あるいはサーティーワンアイスクリームのようにっっ!! でもホントに口に出したらその瞬間から社会的に抹殺されがちですので、言いたいことも言えずにただただ軍隊蟻たちの理不尽な侵攻を耐え忍ぶ毎日です。ていうか、ホントに遭遇率が多いんですよ。今日なんか改札に続く階段が見渡す限り幼稚園児でぎゅうぎゅうで、俺もう職場にたどり着けないかも〜と最悪の事態を覚悟しましたし。 そんなこんなで、ではではまた。 |
2006/11/24 ナハトイェーガーが本になります&新型デジカメで夜中の猫を撮らんと欲す |
ぼーじょれー(時候の挨拶)。涼元です。 既にご存じの方もいらっしゃると思いますが、ご報告をば。 来たる12月15日、涼元悠一作 『ナハトイェーガー 〜菩提樹荘の闇狩姫〜』ソフトバンクGA文庫さまより発売であります。どうもお待たせしましたです。 で、せっかくだからちょびっとだけ表紙をご披露したり。 ![]() イラストを担当していただいた一美先生のサイトPLASTIC MOONはこちらであります。 ……なんだかもう、激しく絵負けしている気がしますが。ゴスロリで耽美で百合なんだ〜と思った方は、まちょっと覚悟はしといてください。いろいろな意味で。 ともあれ乞うご期待〜。 ところで、デジカメ新調しました〜。 愛用していたPanasonic DMC-FX7が、電源を入れてないのに勝手にレンズを出し入れするため尻ポケットに入れておくと大変危険というか、通行人に目撃されると『こいつのチ○チ○どこについとんねん』と思われるというとっても凝った恥辱プレイ事態に。さすがにこのままでは使えないけど、直すのも億劫だしということで、えいやっと買っちゃいました。RICOH DC-3Zから数えてこれで8台目、既に涼元人生の風物詩と化しているイベントです。 今まで富士フイルム機(とオリンパス機)とSONY機は、メディアがへんてこりんな自社規格という時点でアウトオブ眼中だったわけですが、昨今の大容量メディア爆安化のおかげであんまり気にしなくてよくなりました。そうなると、知り合いの間でもでいい噂しか聞かないあいつがやっぱり無視できず…… というわけで、FinePix F30であります。 某通販でかなり安く買えたとホクホクしていたところ、二週間後に新製品が発表されてやり場のない怒りに駆られたりもしましたが、人間の顔なんか検出してもらったところで、1ミリたりとも嬉しくありません。検出するべきは猫です。猫なんです。みんな猫のヤバさをもっと知るべきだと思います。超がんばれ。 そんなわけで、早速夜間徘徊&試し撮り。 ![]() ちびっ子だけの猫集会っていうかじゃれ合い会に遭遇。総勢五匹。 3メートルほど離れてさっそく撮影……したものの、慣れずにストロボを焚いてしまいご覧の通り。 ![]() で、五匹中二匹が車の下に逃走。全く動じず香箱座りなくろねこと、どうしようか迷ってうろうろしてるしまねこ&はいいろねこ。もたもたとストロボをオフにして二枚目。カメラ目線もへったくれもなし。 ![]() 後日、同じ場所でちびくろコンビと遭遇。 道の反対側から撮ったので、かろうじて猫型が判別できる程度しか写らず。でも胡散臭そうにしているのはわかるという。 F30の高感度高性能をもってしても、夜中の猫はこんなもんっす。……_| ̄|○ 一応フツーの夜景も撮ってます。 ![]() 川の土手に建ってる学校。高感度撮影の粒状感が、曖昧な夢のような効果を出していて、これはこれで面白いかも。 まだあんまり使ってませんが、これまでのインプレッションは。 ○な点 ・さすがの高画質。簡単な三脚+長時間露出で星すら写せるほど。前に使ってたのが画質的にはアレなミノルタとかパナだったせいもあって、最早別物の性能。みんなこれにイチコロなんだなあと激しく理解した次第。 ・アホのように電池が保つ。未だに使い切っていない。 ・ピントがよく合う。高感度でもピンぼけは救えないので、大変に頼もしい。 ・マニュアルモード(実際にはプログラムモードだけど)では撮影情報がきちんと液晶に表示されるので撮りやすい。グリッドが常時出しておけるのも嬉しい。 ・半押しから全押しへのシャッターの感触がよくて、ほとんど手ぶれする感じがしない。この辺り、FX7はダメダメだったのが今になってわかった。 ・ストロボのチューニングがすごーくいい。高感度を利用して光量を落とし気味にしているのか、ほとんど影が出ない。室内撮影でストロボ使って違和感が出ないコンパクトデジカメなんてはじめてですわ。さすがにカタログで謳われてるだけのことはあると敬服。 ・ストロボがいいので、高感度二枚撮りモードがかなり使える。 ×な点 ・コンパクトカメラとしては厚すぎて、尻ポケットに入れておくのが厳しい。ラフな普段使いカメラとしてはある意味致命的。 ・主電源が押しにくい。これも撮影する気を削ぐ要因に。 ・持ちにくい。表面の仕上げがつるつるしている上に、カメラ前面の指かけが意味をなしていない。この点だけは後継機のF31が羨ましかったり。 ・操作性に癖がある。モードが細かく別れているけど、それぞれで覚える感度が違うからわかりにくいとか、露出補正専用ボタンがあるのに、モードによっては露出補正自体ができないとか、よく使う設定が別ボタンに割り当てられているけれど、その内容さえモードによって違うのでまごつくとか……個人的には納得できない仕様。 ・やっぱりxDピクチャカードは……だってまったくメリットないもん。あと、一回カードがメモリエラーを出して、本体ではフォーマットもできなくなってしまって焦った。いじっていたら直ったけど、信頼度ガタ落ち。 ・電池がカメラ内でしか充電できない。別売りで単体充電器があるけど、最初からそっちを附属してくれという感じ。 ・常軌を逸した大光量のAF補助光。サーチライトか。猫が逃げるからやめれ〜。 ・デザイン的には\12800-ぐらい。 ……なんか×の方が多いですが。 実際問題、涼元のように、ケースはおろかストラップさえつけず、尻ポケットにねじ込んでいつでも持ち歩くというスタイルだと、F30は厚すぎて持て余します。かといってケースに入れたら使わないのは見えてるし。で、今も時々DiMAGE X1を持ち歩いていたり。画質はダメダメなれど、薄型&屈曲光学系の気安さは再評価しなければならないっすわ。 F30の方は、実家でくろねこを撮るのに使ってみようと思います。これは気軽に撮るカメラでなく、本気撮りに使ってこそ真価を発揮する気がするので。 とまあ、今回はこんなところでひとつ。 猫写真より本の表紙の方がちっちゃい点はスルーの方向で。 |
2006/12/19 ナハト好評発売御礼&後書きの後書きみたいな。 |
涼元です。 去る12月14日、おかげさまを持ちまして拙著『ナハトイェーガー 〜菩提樹荘の闇狩り姫〜』無事上梓しました。感想のメール、涙しながら拝読しております。お返事はしばしお待ちいただけますと幸いであります。 また、発売に併せてGA Graphicで表紙絵+タイトルロゴのかっちょいい壁紙がダウンロードできたり、それ以前に発表されていたイラスト担当一美さま入魂の美麗壁紙三枚組もあったりします。ぜひぜひご覧くださいませ。 で、ちょっとこぼれ話というか、後書きの後書きを二つばかり。 ●ネタ本として、新田真子(しんだまね)先生の短編漫画、THE RIDDLEに触れています。これは傑作であると涼元は信じて疑わないのですが、表紙からして大変にロリっぽく、中身は大変にエロっぽいので、本屋でフツーに注文するとそのまま羞恥プレイになりがちです。くれぐれもご注意ください。職業柄と元々の性癖柄、エロっぽいものとかロリっぽいものとかに対する認識が普通とかーなり違うので、全く気にせずにどかーんと紹介してしまいました。お手数おかけします。 なお、THE RIDDLEは1985年発表の古い作品ですので、一部古書店ではプレミアがついていたりもするようですが、たぶん今でもフツーに手に入ります。Amazonでは中古で1円からありますし(送料は別に取られますが)、ビーケーワンや版元の久保書店のオフィシャル通販で新品が買える可能性があります。本そのものは18禁ではない(少なくとも、涼元が持っている版に18禁マークはないです)……と思うのですが、何度も言うとおり中身は本当にロリでエロで、もうひとつ言うならグロでもあります。久保書店のサイト(未成年閲覧禁止です)からメニューページ→久保書店→新田真子→THE RIDDLEの書影をクリックすれば内容も少し見られますが、その手のものが苦手な方は回避された方がよろしいかと思います。 ……なんだか新田真子作品がらみのことを書くたびに同じ補足している気がしますが。 ●そして、以下微妙にネタバレなんで、もう読まれた方だけCtrl+Aで反転してください。 前々からやってみたかった試みとして、後書き後に予告編的な掌編をくっつけるというのが今回実現しました。映画のスタッフロール後にちょろっとオマケがある、みたいなイメージです。 でも後から考えてみたら、涼元は小説読む時、本編で満足したら後書きは敢えて読まない人間なので、この構成だとたぶん気づきもしません(爆)。もしも、後書きを読んでいない、もしくは読まないポリシーだという方は、よろしければさらにその後ろ、巻末の方にまで目を通していただけますと幸いであります。まあ、読まないなら読まないで特に問題はないはずではあるんですが。 ともあれ、お買い上げいただいた方、お読みいただいた方、本当にありがとうございます。よろしければ感想などお聞かせください。そしてこれから読まんとされている方、今なら店頭でもネットでもまだまだ在庫は潤沢のはずですので、どうぞ心おきなくポチっとしたりレジに持っていっちゃってくださいませ〜。 |
2007/01/07 ナハトの壁紙たくさん&PS2版planetarianゲーマガ満足度1位御礼&後書きにかえて2としてSS特別公開 |
一度でいいから見てみたい、小林製薬の新製品ネーミング会議。涼元です。 無駄に笑点っぽく始めてみました。まだ松の内だし。 ともあれ、ましてでとうございますしもしくおねがいします〜。(わかりにくい) ●ソフトバンクGA文庫から好評発売中の拙著、ナハトイェーガー 〜菩提樹荘の闇狩姫〜ですが、GA Grapicにてまた壁紙が増殖しております。今度は各主要キャラヴァージョンであります。よろしければご覧&DLくださいませ。ちなみに、作者的にお気に入りのキャラは三朝木奏であります。彼女のように涼しい顔で周りを引っかき回すタイプは書いてて楽しいんですが、ともすれば作者の思惑以上に狡猾だったりするので、暴走させると大変です。 あと、賑やかしに右ペインに書影貼っときます〜。よろしければお買い上げくださいませ。例によって非アフィリエイトですが。 ●えー、古巣のことで恐縮なのですが。 メールをいただいて初めて知ったのですが、ゲーマガ誌上のゲームソフト満足度ランキングにおいて、PS2版planetarianが一位なったとのこと。何と申しますか、寝耳に液体窒素を注ぎ込まれたぐらいにビックリしております。 今まで応援して下さった方々、ランキングに応募して下さった方々、本当にありがとうございます。フルボイスのFOMA版も好評いただいているようで、掌編なれど手塩にかけた作品が、ここに来てようやく実を結んだのかなあと感激もひとしおであります。 ●で、御礼の意味も籠めまして、ちょっとした企画をば。 もの書き仕事では、初稿で書いてはみたものの、最終的には削った部分というのが相当量出てきます。涼元も御多分に洩れず、多めに書いておいて後でザクザク削って形を整えることが多いです。言わば吟醸造りです。効率的にはこんなことではダメなんですが。 PS2版初回生産分特典の小説(PC初回限定版も同じですが)の第3話に、『星の人』という短編があります。 ある意味、planetarian本編直系のストーリーとも言えるのですが、これを完成させるにあたり、本一冊でのバランスを優先して推敲時にカットした、幻のパートがあります。 これをショートストーリーに仕立て直してみました。 ダウンロードは以下のファイル名のリンクからどうぞ。pdf形式で11ページほどです。もちろんこれはKeyオフィシャルではなく、涼元悠一個人の二次創作物ですので、そこのところよろしくお願いします。 星の人/系譜 planetarian 〜ちいさなほしのゆめ〜 より pltss1_suzumoto_070106.pdf ちなみに当初構想では、小説の206ページ1行目と2行目の間に入るはずでした。 単体のキネティックノベル形式での発表ならフツーに入れたと思うのですが……どうして小説では削ったのかは、読んでいただくとわかる、かも。 あ、でも、製品プレイ及び小説を通読してないと、そもそもわけがわからないと思います。念のため。 とまあ、2007年一発目はこんなところでひとつ。 みなさんよいお年を〜。(違) |
2007/04/23 春から初夏にかけての涼元的風物詩 |
えー不肖涼元です。 長らくご無沙汰しておりましたが、この辺りで生存報告&サクッと近況を。 まず、『またかよっ!』とツッコまれそうなのであんまり言いたくないんですが、やっぱり一応言っとかないと色々アレなことから。 ![]() …すみません、実は足骨折してます。 怪我そのものはそんなに大したことないので、生温かくスルーの方向でひとつ。会社にも松葉杖でどうにか出勤しております。問題は固定のためか足が浮腫んで痛いのと、壊滅的に家事ができないことぐらいです。洗濯物とゴミを片付けるだけで疲労困憊、買い出しはまさに決死の覚悟という。こんなに切実にメイドロボが欲しいと思ったことはありません。会社の倉庫に一台ないか訊いてみます。 で、仕事関連なのですが。 まず、本業の方は着々と進行しております……としか今は言えません。ああでも言いたいっ! でも言えない〜。本人的にはいいものができそうなので、めっちゃテンション上がってます。早く発表できるといいなあ。 で、他にアクアプラス所属の涼元としていただいた仕事が。 4月23日(月)発売の須田さぎり先生のコミックス『ハニーコスモス』の帯コピーと解説文を書かせていただきました。帯に何の脈絡もなく涼元の名前が書いてあってかーなり照れくさいんですが、そういうわけであります。内容的には、そりゃもう須田先生お得意のギャグ&ちょっぴりおセンチ系SFなテイストが炸裂してます。元天文部及び現天文好き必読!ですので、ぜひとも書店でお手に取ったりアマゾンでぽちっといっちゃったりしてくださいませ。 あともうひとつある……はずなんですが、それについては追々。アンテナが敏感な人はもう勘付いちゃってるかもしれませんが。 とりあえずそんな感じでひとつ。 |
2007/05/13 骨折の日々&すぐに使える些末なテキスト書きTips |
涼元@絶賛骨折中です〜。(ヤケ) あいかわらず基本は松葉杖、室内では這いずったり膝立ちしたりで、およそ二足歩行とは縁遠い生活をしております。おかげで会社前に時々いる猫に『わっ、なんかめっちゃ珍しい動物おるっ!』と凝視されたり、部屋の奥から財布片手に珍妙な片足跳びで近づいていって(BGM:もってけ! セーラーふく)、ピザーラのお兄さんを無駄に気持ち悪がらせたり。ぼつぼつリハビリをはじめているので、復帰できる日も近い……と思うのですが。早くおんもを歩きたいよお。 ちなみに、現在の状況はこんな感じ。 ![]() 左のみ人類の足じゃないです。見事なむくれっぷり。 これだけだと単なる経過報告なので、mixiの方で書いた自己満足Tipsでも転載します。 ●すぐに使える些末なテキスト書きTips 第1回:Ctrlキーと日本語入力オンオフ 涼元的執筆時の小技を、気まぐれでサクッと紹介してみます。 ちなみに涼元の現有環境はWindowsXPpro、XPhome、2000SP4の三種であり、もの書きはATOKを入れているという強固な思い込みに基づいて、特に断りない場合はFEPはATOKのどれかのヴァージョンであります。 Windowsのキーボードのあからさまに使いにくいところを挙げろと言われれば、「Ctrlキーの位置」と答えます。特にもの書きの場合、一文書いたらCtrl+Sを押して上書き保存するのが基本中の基本なので、Ctrlキーが左手小指で押せないとやりにくいったらありゃしないです。 そういうわけで、フリーソフトを導入してCapsLockと入れ替えちゃいます。 同機能のものはいくつかありますが、涼元はAltIMEを愛用しています。 http://www.chombo.com/download.html オプション設定画面で『CtrlとCaps Lockを入替』『常駐する』にチェックを入れればそれだけでOK。(あと、不要な設定のチェックを外すこと。有用なものもあるので、一通り試すと楽しいかも) キーボード主体の操作は、これだけで劇的に操作性がアップする…はずです。ていうか、もうやってる人も多いと思いますが。 さらにもう一点、Windowsの……というか、標準日本語入力環境の不可解な点として、「デフォルト日本語入力のオンオフが半角/全角キーのトグル(押すたびにオンオフが切り替わる)」というのがあります。この仕様のおかげで、『日本語入力にしたと思ったら実は英文モードで、だだだだっとローマ字を入力しちゃってからバックスペース連打→打ち直し』もしくは『英文を入力しようとしたら「えんgぃsh」みたいになっちゃって、ままよと変換したら文節区切りがバラバラで収拾つかず』を強いられる回数はたぶん千回や1万回じゃきかないでしょう。まさに無駄の極致。 これもAltIMEの設定であっけなく改良できます。 キースキャンコードの直接記述なのでちょっと難しいのですが、例えば… 『高度な設定』の IME起動キー 2079 4059 キー入れ替え /7059 のようにすると、変換キーを押すと日本語入力オン、ひらがな/カタカナキーでオフ(英数直接入力)となります。文字入力を始める前にキーを押し分ける癖をつければ、モード間違いは根絶できるわけです。ていうか、最初からこうなってれば苦労はないのに。 ちなみに、変換キーでオン、無変換キーでオフに設定するには、オプション設定→IMEのON/OFFの『変換-無変換』にチェックを入れればいいはず…です。 無変換キーに別機能を割り当てていない、もしくはそもそも無変換なんて触ったこともないなら、こっちの方が操作しやすいかも。ちなみにフリー/シェアウエアの『紙』にも、なぜか『変換キーでオン、無変換キーでオフ』というおまけ設定があったりします。 ATOK自体のキー設定を変えれば同じことができますし、『ひらがなキーに未入力状態では日本語入力オフ、変換動作中は半角無変換(後)変換をアサイン(涼元の現環境)』とかさらに高度なこともできます。が、AltIMEでやっておくと、他人にパソコンを使わせる時に簡単にデフォルト環境に戻せる(AltIMEを一時的に使用停止する)ので楽だし、設定も手軽です。 どちらで設定するかはお好みで。 なお、この手のカスタマイズをせずに敢えて吊しのまま使っている書き手もたくさんいます。『会社と自宅のマシンを行き来して、しかも会社マシンはカスタマイズ禁止』とか、『作業ごとに部屋やマシンが変わる』、『他人のPCを使う/他人にPCを使わせることが多い』なんて作業環境もあるし、単純に再インストールの時に一から設定し直すのがバカらしいからだったりします。 PCの環境カスタマイズは冥府魔道、一度入り込んだら二度とは戻れない孤高の一本道なので、敢えてシンプルに吊しのまま使うのもひとつの勇気かも。 …と、自分の書いたことを根本から否定しつつ、あるかどうかわからない次回に続く。 ※環境デフォルト派の人に追伸 IME2002のデフォルト設定ならひらがなキーで日本語入力オンはできる…はず。試してないんでわかりませんが。とりあえず日本語打つ前にはひらがなキーを押す癖を付ければ、それだけでも作業効率が上がるかと。説明↓ http://www.724685.com/weekly/qa070214.htm 果たして第2回があるのか、あったとしてスズモトジェイピーに転載するか、自分でもよくわかりませんが、今日はこんな感じでひとつ。 |
2007/08/06 せな★せな連載開始&うな重ちゃんとの日々ほか |
えーどうも、涼元です。 サクッと足を折ったせいで日々の活動自体が低調なせいもあり、ご無沙汰しておりましたです。でも、そろそろほっぽらかしもアレなので、近況報告をば。 まずは大阪在住でこのサイトを見るような方ならおそらく九割方ご存じであろう超有名そっち系情報ブログ、せなか:オタロードBlogさまにおいて、Web連載企画『せな★せな』がスタートしました! これに関しては涼元はアクアプラス名義で参加させてもらってるのですが、とにかくまあメンバーが豪華なこと! 詳しくはリンク先をご覧いただくとして、第1話イラスト担当がいとうのいぢさまというのは、今見ても何かの間違いもしくはドッキリなんじゃないかと思うぐらいであります。 ともあれ、本業とのバランスを取りつつも、ちゃきちゃきがんばらせていただきますので、ぜひぜひよろしくお願いします。 えーこれだけだといかにも宣伝って感じなので、ちょっとだけ近況を。 最近、涼元には気になる女の子がいました。 ただ彼女に会いたいがために、毎朝通勤途中にコンビニに通い詰めたぐらいです。 彼女は、名前をうな重ちゃんと言います。 ちなみにこれで『うなえちゃん』と読みます。女の子と言い切ってますが、ホントのところ彼女が女の子っていうか♀であるかは、涼元の希望的観測にすぎません。なぜなら彼女は、会社近所のコンビニで飼われていたペットのウナギだからです。いえいえ、最近の暑さで涼元の頭がアレになったわけではありません。要はそのコンビニでは、土用の丑の日のキャンペーン一環として、鰻重の予約が始まった頃からレジ前に水槽を置いて、期間限定でウナギを飼っていたわけです。はい、ここまでおわかりいただけたでしょうか? たしかに、客に丑の日を印象づけるという意味ではいいアイディアだと思うんです。 でも、同時にこれ、企画の着地地点が大変に難しいと思うわけです。 だってぶっちゃけ、店内で永遠に彼女を飼うわけにはいかないわけで、土用の丑の日が過ぎれば、当然なにかしらの別れが待っていることは想像に難くありません。 これがギャルゲーのヒロインレベルなら、転校とか卒業とか、まあ頑張っても不治の病とかそんなところですが、ことウナギとなるとその運命はさらに酷薄です。包丁で×かれたり串を△たれたりせいろで○されたり秘伝のタレに※け込まれりした挙げ句に最後は炭火で◎かれちゃったり、そりゃもう大変なことになるわけです。まあ、ウナギに限らず、可食動物+感動といった取り合わせでは、ラストは似たり寄ったりかもしれませんが。(注1) この街の嫌エアポケットとも呼ぶべき突発性感動系な状況を、一介のライターとして無視するわけにもいきません。恐いもの見たさとも言いますが。 しかしながらウナギの場合、通常萌えの対象にはなりえないというハンデがあるのもまた事実(注2)。でもそこは人類の英知、想像力でカバーです。 無駄に長くてうねうねしてて致命的に表情に乏しくても、それ以前に住処から1ミリたりとも出てきてくれず、ただ水底の塩ビパイプだけを空しく眺める日々が続いても、店員さんに気味悪がられても、毎日見てればだんだん情も湧くし、萌えもするってものです。シーズン最後の方なんてものすごい感情移入度です。たとえるなら実証試験で学校にやって来た試作メイドロボ並。そりゃあちょっぴり生臭くて表面がぬるぬるはしてるけど、こんなに素直で頑張り屋のうな重が、土用の丑の日が来たら来栖川養鰻研究所に戻って国産ウナギのデータ取りのために蒲焼きにされちゃうっていうんですよ? 「板場では、みなさんが、わたしの帰りを待ってくれてるんです…」過酷な運命を知りながら、笑顔を絶やさず、一日一日を精いっぱいにくねくね生きるうな重。やるせない思い、刹那の幸せとぎこちない愛情、そして避けられない別れ…… プロローグ、失意から立ち直れない悠一(注3)の元に、研究所の長瀬主任から届けられた一杯の肝吸い。添えられていた手紙には…… 『 これがうな重のもっとも大切な部品です。キモだけに。 』 切なさ炸裂。 などと、一般社会人としては元より職業シナリオライターとしてもどうかと思う妄想を日々脳内からだだ漏らしにしながら、Xデーまでのうな重ちゃんの生き様を水槽越しに生温かく見守っていたわけです。伊藤園のジャスミン茶とかカジュアルに買いながら。 そしてついに、運命の土用丑の日(の翌日)。 『うな重ちゃんです、可愛がってね』の手書きPOPはそのままに、水槽の中に特製うな重弁当が置いてあるという、コードギアスも裸足で逃げ出す鬼展開に……はならずに、フツーに水槽ごと撤去、鰻商戦終了と共になかったことにされていました。拍子抜けはしましたが妥当な落し所。店員さんに「……あの、うな重ちゃんは?」と訊いてみようかとも思いましたが、さすがにアレなので自粛しておきました。 まあ、「うな重ちゃん? ああ、蒲焼きにしてバイトのみんなで食べました」とか答えが返って来たら来たで、「うな重を殺したのはおまえかああっ!」とその場でぷちーんとキレた挙げ句マントをひるがえして店前の歩道に飛び出し、「ファ○マの店員を皆○しにしろおおおおおおおおっ!」と大絶叫、不自然に赤っぽい左目から涙をだーらだら流しながら、黒くておっきな試作ナイトメアフレームで大暴れ、西中島南方ゲットー一帯を火の海にするのもやぶさかではないですが。って会社もなくなっちゃいますけど。 そういうわけでうな重ちゃんフォーエバー。 この他にも、はじめての健康診断で重金属を体内摂取した後絶叫マシンに搭乗した件(注4)や、会社でトイレの個室に入っていたらサクッと電気を消されちゃった件(注5)、ひさしぶりに実家に帰ったらベランダに鳩が巣を作っていて、くろねこは来るわ蛇は来るわで大騒ぎな件とか、いろいろあるんですが、とりあえずこのぐらいにしておきます。 ではではまた〜。 注釈 1 ひょんなことから体が小さくなっちゃう魔法をかけられてしまい、家禽のガチョウと一緒に空飛ぶ大冒険を繰り広げた挙げ句、家に帰って魔法が解けたらうっかり明日は聖マルタン祭、的な。 2 ウナギの場合、萌え擬人化しても役割的に普通はオスだし。どんな役割かは詳しく言いませんが。 3 実名プレイ敢行中。 4 要はバリウムコントです。 5 トイレに人がいる時は開発室のドアの上にランプが点く仕組みにすると便利だと思います。新幹線みたいに。 |
2007/10/11 魅惑のナハト台湾版&すまーとふぉん始めました |
どもども、涼元@ご無沙汰です。 メインで使ってるThinkPadT43pのファンががらがら異音を発しはじめたので、旧マシンにデータを臨時避難するだけで大騒ぎな今日この頃です。つーか環境カスタマイズしすぎるのも考えものですわ、マジで。 ●ひさしぶりのナハト関連 拙著『ナハトイェーガー 〜菩提樹荘の闇狩姫〜』、なんと台湾版が発売されております。 先日見本誌を送ってもらったのですが…… ![]() 日本のより大きいし。当然挿絵も大きい! ![]() 作者的にお気に入りの這子姫×恵那@保健室のシーンもこの通り。美麗な一美さまのイラストが迫力1.4倍増しで楽しめます。って、比較対象がないからよくわからないですね、すみません。あんまりバシバシ中身の写真上げるわけにもいかないので自粛しておきますが、よく見れば体操着の手書きゼッケンまでちゃんと変えてあったりするし(ふれいや→芙蕾亞)、本文についても、オリジナルにはない注釈が豊富についていたり、それどころか後書きの『清水』(地名)とかまで注釈が入ってたり、恥ずかしいやら嬉しいやら。むしろ日本の文庫版よりいいんじゃない? とか思っちゃったりしました。 色々無駄に凝ってる上にドイツ語だフランス語だ日本の古典だと、何かにつけて小難しい文章を訳していただき、ありがとうございました>翻訳者の方。こうなると、涼元自身に台湾語を楽しむ語学力がないのが大変残念なところなのですが。 ●携帯電話新調しました X02HTです。 今使ってます。 キーボードちっちゃ。 おかげで無駄に無駄のない文章に。 というわけで、スマートフォンユーザーであります。 キーボードそのものは1時間ほど打ちまくったらそれなりに慣れてきました。というか、押し間違えやすいキーが把握できたので訂正が早くできる分効率が上がってきたという感じ。鬼門はIとO、OとP、AとSです。要はキーボードの端っこの母音絡み。あと、FEPそのものはがアホなのはいかんともしがたいです。ここまで打つのに『鬼門』と『絡み(がらみ)』が変換できませんでした。 あと、変換候補表示時に触れもしないスクロールバーのおかげで表示された文字候補の位置が変わってしまってまごつくか、英数カナ変換の候補に先頭大文字が表示されないとか(suzumoto、SUZUMOTOはあってもSuzumotoがない)、ビミョーにストレスが。 ともあれ、取り出して0秒で打てるのは素晴らしい。 ちっちゃいことはいいことだ。 ……とまあ、ここまでX02HTで打ってみた文章です。 恐らくは日本ではじめて、一般人がフツーに買えてかつ定額で使えるストレートタイプのスマートフォン。御多分に洩れず涼元もかーなり前から注目していたのですが、7月下旬発売のはずがいつまで経っても出てきません。おかげでソフトバンクの出す出す詐欺とかそのてっぺんにちょこんとついたUSB端子は何を表現しようとしているの?怒り?悲しみ?とか、日立製ですか?とか、全力でオレンジとか全国津々浦々でモバイルガジェットオタクたちの怨嗟の声があがっていたわけですが、9月22日にようやく発売。涼元も当日朝に近所のSBMショップまでダッシュ! おかげでフツーに買えました。なにせ一番乗りだったので、店員さんも勝手がわからず右往左往してました。ちなみに色は黒。こんな感じのやつです。嘘です。ほんとはこっち。↓ ![]() 七曲署に配属されたらあだ名は電卓で決まりでしょう。 で、初スマートフォンがどんなにイケてて快適かをぺーらぺら自慢したいところですが、そうは問屋が卸しません。 ・はじめてのすまーとふぉん X02HT@涼元編 購入時に古い携帯から電話帳データを移してもらったら、携帯電話2がFAXにとか、項目がファンキーな感じでバラバラに。 ↓ コピペして移そうと思ったらコピペ機能自体がない。うそーん。 ↓ 1回Outlookと同期して、PC上で修正してX02HTに書き戻そう。頭いいぞ、俺。 ↓ 生まれてこの方一度も使ったことがないOutlookを母艦にインストールしてレッツシンクロっ! ↓ X02HT側の電話帳、綺麗さっぱり消滅。 ↓ えぐえぐ泣きながらショップへ。 いやまあ、もう一度古い電話からデータ移したからいいんですけどね。今では素晴らしいコピペツールも登場してますし。それでも『どうせ素人さんが使うもんやからコピペなんて要らんやろ』とか言ってサクッと削った関係各社の中の人は社会的に抹殺されるべきだとは思いますが。(求むキラーソフト) その後もそれはそれは色々なことがあったのですが、どうにか使える目処が立ってきました。いつでもどこでもテキスト入力できないと不安で不安でしょうがないもの書きにはなかなかに素晴らしいデバイスであります。 まだ使いはじめて2週間強ですが、おおよその印象をば。 ●X02HTの○な点 ・ちっちゃくて薄〜い。 シャツの胸ポケットに入れてもゴロゴロせず、文句なしに始終持ち運べるし、電話として使ってもそれほど目立たない。黒だと電卓でケータイごっこしてる貧乏な子供みたいではありますが。 ・一通りのことはデフォルトでできる。 SMS、MMS、インターネットメール、インターネット閲覧、ファイル閲覧と簡単な編集、メモ書き、ボイスレコーダー、画像ビューワ、動画ビューワ、ミュージックプレイヤー、カメラ、動画撮影、エトセトラ。ほとんど十徳ナイフのノリ。もちろん別途ソフトを入れればさらに便利になるけれど、おそらくは吊しのままでもけっこう使えるのではないかと。(注:涼元にはスケジュール管理をPIMでする習慣がありませんので、その辺の使い勝手は知りません) ・動作がキビキビ。 ActiveSync中とか文章挿入時の文字変換中とかもっさりな場面もあるけど、全体的には許せる範囲。また、システム自体が安定している感じがひしひしと伝わってきます。システム自体が安定してない感じがひしひしと伝わってきて泣かされたsigmarionIIIとは大違い。この辺りは、タッチパネルレス&QVGAの割り切り仕様がピタリとはまってるなと。あと、ほっそい穴に爪楊枝を突っ込んでリセットするんじゃなくて、電源ボタンで電源が切れるのがいいです。当たり前ですが。 ・思ったよりきちんと打てるキーボード。 なによりまずプチプチ感が心地よし。これのおかげで入力が指先にきちんと伝わるので、ミスタイプはどうしてもするものの、「ちゃんと打ったはずなのに」という理不尽な食い違いはほとんど起こらず、結果入力速度が遅くてもストレスが少ないです。SA1Fに爪の垢を煎じて飲ませたいです、ホントに。 両手親指で打つのがデフォルトかつ早いものの、片手でもどうにかイケるサイズは、よく言えば絶妙、悪く言えば中途半端。なので店頭での取っつきは悪いのではなかろうかと。モックの出来はありえないぐらいひどいし。でも、ひるまずに無理しても使うとわりと早く慣れます。歩き打ちも気合いを入れれば、短文なら何とか。ボイスメモを使う方が早くて安全ですが。 ・難はあれど頑張っているFEP。 語彙が少ないのは仕方がないとして、推測変換が意外と使えるのにいい意味でびっくり。あとは前述の、suzumoto→SUZUMOTO→Suzumotoの変換だけでもサポートしてくれればかーなりいい感じなんですが。あと、断じて単語登録はさせまいという強固な意志さえ感じざるを得ない操作手順の改良というか、正常化を強く希望。 ・ものすごい速さで環境が整っていく。 「吊しでもイケる」とか書いといてアレですが、やっぱり便利な小物や欠点(というか欠陥)をカバーするソリューションが、有志の皆々様によってガンガン整えられていくのはホントにスゴいですわ。お祭り的なグルーヴもあいまって、多少の難点はあっても試行錯誤すること自体が楽しいです。ぶっちゃけこういうのを味わいたくてモバイルデバイス使ってるってのもあるし。 ●X02HTの×な点(気になる順) ・ぶっちゃけ電波のツカミが悪い。今までの携帯ではまったく問題なかった居酒屋のカウンターでさえ、電波が切れたりつながったりするので切実に困ってます。 ・日本語→英語切り替えキーに、使いもしない半角カナモードとか、紛らわしいだけの全角英数モードとかが混入していて、単に操作をややこしくしている。全角ひらがな←→半角英数がボタンを押すたびトグルするべきでは?その他の変換はFEPでやればいい話だし。 ・コピペがOS標準機能として搭載されてない。正気ですか?(ケンコバ風に) ・いつか絶対落とす。電池も飛ぶ飛ぶ蓋も飛ぶ。幅広かつ薄いので収まりが悪く、片手持ちで端のキーを打つ時に「おわっ」と思ったことが既に何度か。基本的に電話だろうとデジカメだろうと、ケースもストラップもつけずにハダカでポケットに放り込んでおく派なのですが、今回ばかりはなにか対策考えないと。 ・USBがてっぺんについてるのはちょっと……。クレードルに乗せることは考えなかったのかと。あと、イヤフォン端子はできれば分離して、ステミニにしてほしかった。サードパーティー製の変換アダプターもありますが、つけると変なでっぱりができて、得体の知れない機械でなんか計測してる怪しい人に早変わり。 ・電池の保ちが悪い。動画観たりして遊んでると一日保たなそう。とりあえず大容量バッテリーを買いましたが、それだとケースに入らないし、クレードルにも乗らないし。 ・ボリューム調整がない。いえホントはJOGGERというスライドパッド的機能に割り当て可能なんですが、ちょっと触るだけでいちいち珍妙な動作をするので正味使い物になりません。ジョグダイヤルなんて贅沢は言わないので、せめてフツーのボタンにしてください〜。 ・今どこ経由で通信してるのかわかりにくいのが精神衛生上よろしくない。無線LAN接続の時には携帯の電波強度表示っぽいのは出さずに独自のメーターにするなど、インジケータの仕様を練り直すべきではなかろうかと。もしくは早く純正接続ユーティリティーをプリーズ。 ・液晶の輝度調整がない。個人的にはあんまり困りませんが、やっぱりできない方がおかしいとは思われ。むしろキーロック画面の輝度が暗くなるため、昼間の街角でちょっと時計を確認したい時に液晶が見にくいのが困りもの。節電対策ってのもわかるのですが、レジストリでなんとかならないかなあ。 ・AcitveSyncがすっごいおばかさん。とにかく二言目には競合してるって言うくせに、どっちのファイルが新しいか自動判別はおろか、表示すらしてくれないし。いじっていない……っていうか、いじりようがないjpgファイルが競合してるとか無茶な主張をするし。 ・LAN接続時にはMMSのサーバーに接続できないのはこういうものなんでしょうか? ・意味不明な緑色点滅ランプ。素人がフツーに考えると、こういうものは未読メールがある時とか不在着信があった時にちかちか光ると素敵だと思うんですが。 ・個人的にはカメラは不要。ついてないヴァージョンがあったらそっちを買いました。 ……書いてたら×の方がどんどん増えてくし。それだけ期待の裏返しということでひとつ。 総じて、大変魅力的な情報端末ではあるものの、基本設計に癖あり、機械としての基礎体力に難あり。ソフトの不備は頑張ればなんとか。という感じであります。実際、上記の問題点のうち、コピペやボリューム調整、バックライトの輝度調整に関しては、フリーソフトによって一応の解決を見てますし。涼元的にあと欲しいのは、文書頭/末に簡単にジャンプできるエディターぐらいです。探したんですが見つからなくて…… もの書きのテキスト執筆って、通常『いちばん後ろに書き足す→真ん中へんを直す→またいちばん後ろに戻る』って推移しますし、アイディアファイルはどんどん下に付け足していく習慣なので、特に文書末ジャンプがないのはすっごい辛いっす。 X02HTのおかげで、通勤時間が変わりました。 ちょっとした思いつきやToDoを、電車の中で直接テキストに落とすことができるのが、これほど快適とは! 30秒あれば箇条書き程度の一文は入力できます。満員電車の中はもちろん、ホームでの待ち時間や路地裏でちょっといいことを思いついた時……今まで行動の合間で細切れになっていて浪費するしかなかった時間が、いきなり執筆タイムになった感じ。おかげで、気がついたらもう駅に着いてるし。気をつけないとそろそろ乗り過ごしそうです。 他にも、止まってメモを取る暇がなかったらボイスレコーダーでとりあえず録音とか、知らない町にロケハンに行った時はモバイルGoogleマップですかさず確認とか、さらには合間合間にメールチェックとか、いろいろ重宝しそうです。それに、サブノートなんて出したら速攻で親方に叩き出されそうな酒場でも、こいつさえあればケータイいじってる振りをしてテキストが打てるんです。涼元的には超重要です、これ。 でも、なにより素晴らしいのは…… X02HTを使った後にフツーのPCのキーボードに触ると、それはもう夢のように入力しやすいことだったり<をい。 ともあれ、テキスト入力中毒な職業もの書きはもとより、ちっちゃいデバイス萌えな方にもかーなりお薦めであります。孫さんがびっくり仰天するぐらいみんなでこぞって買いまくって、ストレート型スマートフォンが日本で根付く先駈けにしちゃう方向でひとつ。そうなればきっと料金体系とかも変わってくるだろうし。 オマケ:ミニマムなリンク ●オフィシャル/アンオフィシャル SoftBank X02HT|SoftBank 本家製品ページ。実はあんまり情報なかったり。 htc Fan Site - Unofficial User's Site アンオフィシャルならではの情報集積量と質。X02HTで動いたアプリリスト!は要チェック。 ●関連用品ショップ御三家 Vis-a-Vis - PDA・モバイル・iPod関連オンラインショップ X02HT関連品売場 その筋では有名な京都のショップ。下のポケゲと重複してる品もあるのでじっくり見比べると吉。 pocketgames :: W-ZERO3応援団 X02HT特集 言わずもがな。基本送料無料がイカす。時々載るTIPSも実戦的なので必見。 PDA工房 X02HT関連品売場 PDA界の雄。X02HT以外の用品もたくさん、品数豊富、見てるだけで楽しい。 ●役に立つBlog……は山のようにあるので。 PDA×TPO@物欲狂抑鬱症 過去のX02HTリンク集 注目機種別Blogリンクには大変お世話になってます。何とかしてシモネタを入れ込む姿勢もステキ。 |
2009/02/22 ふるとしもなきうすしぐれ(引っ越しご報告) |
えー涼元@超ご無沙汰です。もはや日記のフォーマットを完全に忘れ去っております。それ以前に日記じゃなくて年代記と化してますが。 ちょっとだけ近況報告を。 この二月より、かねてからの念願だった一軒家に移り住みました。 大阪市街より北、昔からの大きなお屋敷と巨大なマンションと竹林がモザイクのように組み合わさった辺り……と言えば、わかる人にはわかるでしょうか。 実際、すぐ近くにこんな場所があったりします。 ![]() 下見中にここを見つけたのも、引っ越したいと思った理由のひとつです。 こんなトトロっぽい秘密めいた道があるかと思えば、ごく近くに車がひっきりなしに行き来するロータリーがあるし、最寄り駅からモノレールにも乗れーるし、なんとも味のある町であります。 お借りしたのは、和室が二間と洋間が一間、それに台所のこぢんまりとした平屋の家。南に面して広縁と掃出し窓がある、昔ながらのオーソドックスな間取りです。夫婦で住むにはぴったりだけど、子供ができると厳しいかなというところ。 実際、家主さんが若い頃ご夫妻で住まわれていたそうで、小さいながらも端正な枝振りの見越しの松があったり、欄間に飾り細工がされていたりと、なかなかに品格のある佇まい。それが、前の借り主さんが施したであろう暮らしのための創意工夫(ものすごい勢いで引き回されたコンセント類とか、方々に残る釘やフックの痕跡とか)と渾然一体となり、何というか、「一所懸命住まわれてきたんだなあ」と伝わってきます。最近の良くも悪くも『ちゃんとした』注文住宅にはない、建てられた時の思想とか事情とか、その後住み継いだ人たちの暮らしぶりとかが年輪のように重なっている……そんな家に住むのが自分にとっての理想だったので、かーなり気に入っております。 ……なんてもっともらしく書いてますが、決まるまではそれなりに紆余曲折ありました。引っ越し自体を諦めようと思ったりもしましたし。 ともあれ不思議なもので、一度腹をくくるととんとん拍子で事が決まっていきました。引っ越してようやく二週間、山のようにある段ボール箱(中身はもちろん全部本)はそのまま洋間に放置してあるし、まだまだちゃんと住んでいるとは言い難いんですが、とりあえず人心地はついた感じです。 ここでの暮らしが板についたら、 森鴎外が名付けて夏目漱石も住んだ千朶山房、白州夫妻が戦中に暮らした武相荘に倣って、ふさわしい名前をつけてみようとか思っています。まあ、恥ずかしいので自分の脳内だけでですが。 それはそれとして、近所の方々にご挨拶する時、自動的に『若夫婦が越してきた』扱いになりがちだったのが地味にキツかったです。まあ、フツーに考えて一人暮しのヤローが移り住むような土地でも家でもないので。 当座はエアー嫁でなんとか誤魔化しますが、本物確保が急務だなあと思うことしきり。 ……とか言いつつ、ちゃっかり一人を満喫してますが。 ![]() 夕刻、広縁の向こうに降る雨を眺めながら一献。 最寄の商店街にある肉屋で求めた鶏たたき(美味!)と、熱めにつけた純米の燗酒。 ちびちびやりながら、久々に三好達治なんぞを読み返しておりました。染みる〜。 今回はこんなところで。 仕事絡みの情報についてはまだ色々あってアレなのですが、今年は今手がけているものについてのアレをいよいよお披露目できる……かもしれません。ていうかボツボツ出していきたいです、マジで。お家賃を稼がないとならないので、バリバリ働かないといけないし。エアコンがないので速攻でつけたいし。和室同士が事実上つながっているため、ものすごーく寒いので。あと、トイレの水道がちゃんと止まらないっぽいのをなんとかしないと、あと、愛用の箸置きがどこを探しても見つからないのは引っ越し時に間違って捨てちゃったんでしょうか? それより深刻な事案として割と今必要な資料本が見当たらないのは放置プレイな段ボール40箱を片っ端から開けて探すしかないですか、そうですか。あと、この前の明け方の地震で、件の欄間の飾り細工がぼろぼろっと崩れてきちゃったのは俺のせいじゃな……(切りがない) |
2010/02/21 わたしの小さなたからもの(『マイマイ新子と千年の魔法』遅ればせながら礼賛) |
え〜、涼元です。 完全放置状態でしたが、書きたいことができたのでサクっと。 『マイマイ新子と千年の魔法』 先日、大阪は九条のシネ・ヌーヴォにて鑑賞、大満足でした。 実は観たのはこれで二度目。茨木のシネコンで観たのが最初で、追加上映が決まった瞬間にリピート決定。三度目も都合がつき次第、観に行っちゃうと思います。同じ映画にこれだけハマったのは、まだ十代の頃に静岡ミラノで観たノスタルジア(涼元的バイブル)以来。 初見の印象は、「となりのトトロだと思ったら、じゃりン子チエだった」。 「ご家族みんなで楽しめる」のともちょっと違う。「親が子供に見せたいアニメ」の教条臭さもない。もちろん、いわゆるアニメオタク向けからはうーんと遠い。 子供のための映画ではないかもしれない。 むしろ、かつて子供だった大人のための映画。 スクリーンを等身大に駈け回る、昭和30年代のおてんば娘とやんちゃ坊主たち。 見えないものを見るまっすぐな瞳、それを支える優しい眼差し。 凝っていると感じさせないほどに凝りまくっているカメラワーク。 溜息が出るぐらい美しい薄暮や星明りの表現。 わずかな色の欠片をきっかけに、1000年前の世界と50年前の世界を奔放に行き来する構成。 時を経て変わったものと、変わらないものの対比。 あれほど大きく、頼もしく見えた大人たちが背負うしがらみや弱さ。 世界の矛盾や理不尽、麦畑を抜けた先にある裏町、酒と香水では隠せない『死』の匂い…… とまあ、パーツ単位で見所を並べ立てるだけなら、いくらでもできるんですが。 決定的な『良さ』が説明しにくいんです、この『マイマイ新子と千年の魔法』は。 職業柄でも性格柄でも、大抵の事象は「ここがいい」「ここがアレ」と理屈っぽく吹聴する自信があるのに、それができない……というか、する気にならない。 なぜか? あれこれ考え続けた結果、良さを説明できなくても、「なぜ良さが説明できないのか」はわかってきました。 涼元仮説: 『マイマイ新子と千年の魔法』は、作り手が伝えたいこと……というより、感じさせたいことをきちんと把握した上で、その意図通りに作られた映画だから。 感じることは当然、一人一人によって変わってくるし、それを誰かに伝えようとすれば、肝心なところがぼやけてしまう。 同じ思いを反芻し、共有してもらうには、本編から受け取る以外にない。 だから、何度も観に行ったり、周りに勧めたくなってしまう。 子供の頃に隠した宝物。 本当に、そんな感じの映画。 偶然に見つけることができたそれが、まだちゃんと輝いているのが嬉しくて、時々そっと取り出してみたり、気の合う友達に見せたりして、これからもずーっと大事にしてあげたい。 この映画を好きな人はみんな、そんな気持ちになってるんじゃないかなーと思います。 娯楽至上利益至上の現在でも、主題やメッセージに忠実な創作はあるけれど、そのさらに奥にあるモヤモヤっとした感覚をそのまま渡してくれる作品は貴重です。 ただ……「良さを説明しにくい」というのは、生臭い言い換えをすれば「セールスポイントが明確でない」ってことのわけで。 プロモーションはさぞ大変だろうなあと思うし、実際、興行的にはちょっと厳しいご様子。 でも、これほどの佳品が埋もれてしまうのはもったいなさすぎる…… というわけで、微力ながらえいやっと思うところを書いてみました。 涼元日記をチェックしておられるような方なら、完全に必見です。というか、四の五の言わずに観るべし。 なんかの間違いで迷い込んで来ちゃった方も、せっかくだからぜひお近くの映画館に……と言いたいところなんですが、すでに上映館がかーなり限定されている状態です。 今まさに草の根で支持が広まっているところですから、公式サイトで上映情報をまめにチェックするのが吉。 上映館を増やすための署名運動もあるようですので、名を連ねるのも一興かと。 ぶっちゃけ、もう一度大阪で上映していただかないと、横浜あたりまで行くことになるので、個人的にも上映拡大希望。大変希望。 |